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世界昔ばなし152

时间: 2020-02-20    进入日语论坛
核心提示:タール・ベイビィある日のこと、ウサギどんは、ひとりごとをいった。「ちぇっ、暑くなるばかりだ。もう水が無くなってしまった。
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タール・ベイビィ                                                                     

ある日のこと、ウサギどんは、ひとりごとをいった。
「ちぇっ、暑くなるばかりだ。もう水が無くなってしまった。朝飲んだだけでは足りないや」
そこで、ウサギどんはキツネどんに仲間を集めて井戸を掘ろうと、もちかけた。キツネどんは、クマどんやフクロネズミやアライグマなど、仲間をかき集めた。そして、みんなで井戸を掘り始めた。
ところが、みんながウサギどんの周りに集まって、一緒に仕事をしようとすると、ウサギどんは井戸掘りに飽きてしまった。
「ウサギどん、井戸を掘ろうよ。みんな、水が欲しいんだから」
すると、ウサギどんは、
「とんでもない。僕は、水なんか欲しくないね。僕は、夜露だけで間に合うさ」
と答えて、働かなかった。それなのに、井戸ができると、ウサギどんは、真っ先に水をちょうだいした。つまり、ウサギどんは、夜になると井戸にいき、桶で水をぬすんだのだ。
翌朝、動物たちはウサギどんをどうしたらいいか、相談した。クマどんが、
「ここで見はって、ウサギどんを捕まえようぜ」
と口火を切った。そこで、みんなすわって、計画を立てた。そして、タール・ベイビィというタールの人形を作り、井戸のそばに置いた。
さて、ウサギどんは、またも水をぬすみにやってきた。タール・ベイビィを見つけて、
「クマどんが僕を待ち伏せしてるぞ。今夜は水をぬすめないや」
と思った。だけど、よく見ると、どうもおかしい。
「いや、クマどんじゃないぞ。クマどんにしては、小さすぎるぞ」
といって、タール・ベイビィに近づき、
「おーい」
と声をかけた。だが、タール・ベイビィは身動きひとつしない。ウサギどんは用心深くだんだん近づき、
「やー」
といったが、タール・ベイビィはやはり動かない。次にウサギどんはタール・ベイビィの周りをかけずり回ってから、立ち止まってじっと様子を見た。相変わらずタール・ベイビィは、身動きひとつしない。ウサギどん、今度は爪で引っかいてやろうと手を出したが、それでもタール・ベイビィは動かない。ウサギどん、
「こいつは、でくの坊に違いない」
といって、さらに近寄り、人間かどうか確かめようと思い、
「やあ、こんにちは。ここで何をしてるんだい」
といった。相手はやっぱり答えなかった。ウサギどんはもう一度いった。
「やあ、こんにちは。ここで何をしてるんだい」
今度も相手は黙ったまんまだ。ウサギどんは、いった。
「僕が話しかけてるのが、きこえないのかい。それなら、顔をひっぱたいてやるぞ」
それでもやっぱり相手は黙ったまんま。そこでウサギどんは、思いっきりひっぱたくと、片手がタール・ベイビィの顔にくっついてしまった。ウサギどんは、いった。
「こら、はなせ。はなさないと、もう一発おみまいするぞ」
相手は黙ったまんま。そこで、ウサギどん、またもや思いっきりひっぱたくと、もうひとつの手もくっついてしまった。ウサギどんは、大声で叫んだ。
「こいつめ、はなさんと、けっとばすぞ」
それでもやっぱりタール・ベイビィは、黙ったまんまだ。ウサギどんはタール・ベイビィを思いっきりけとばした。すると、バムっといって片方の足がくっついてしまった。ウサギどんがもう片方の足でけとばすと、それもくっついてしまった。ウサギどんは、いった。
「僕は本気でおこったぞ。おまえなんか頭突きでやっつけてやるぞ」
草かげに隠れて一部始終を見ていた動物たちは飛び出してきて、ウサギどんをはやしたてて、こういった。
「ついに水泥棒を捕まえたぞ。しんみょうにしろ」
ウサギどんは、一言、
「まいった」
といっただけ。そこで、動物たちは、
「こいつをどう始末しようか」
ということで会合を開き、話し合った。
「こいつを水に投げ込もう」
と誰かがいった。すると、もうひとりが、
「いや、そんなてぬるいやり方じゃ、だめだ」
といった。それをきいたウサギどんは、
「どうぞ、どうぞ、水に投げ込んでくれよ」
というではないか。次に、
「つるし首にしようぜ」
という声があがった。すると、ほかの連中が、
「いや、こいつは軽すぎて、つるし首にはむかないから、だめだ」
と反対した。結局、ウサギどんを火あぶりにすることにした。みんなはウサギどんに向かって、
「いいか、君とも今日でおさらばだ。君は火あぶりだぞ」
といった。すると、ウサギどんは、
「あー、どうぞ、どうぞ、そうしたまえ」
というではないか。それで、動物たちが、
「イバラのやぶに投げ込んだほうがいいかな」
というと、ウサギどんは、
「あー、お願いだから、それだけはやめてくれよ。そんなことしたら、足も裂けるし、背中も切れてしまう。目もつぶれちゃうよ」
といって、泣き出した。
それをきいて、動物たちはウサギどんをかつぎ上げ、イバラのやぶにほうり投げてやった。すると、ウサギどんは、
「わーい、ばかめー。イバラの居心地は、いいもんだぜ。僕の生まれは、イバラのやぶだもの」
とさけんで、逃げていってしまった。
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