その一 マテ茶の木の起源
一番の年寄りが話してくれたんだけど、これは人里はなれて、女房とひとり娘と住んでいた男の話さ。女房が死んで、男はこの娘と二人だけになった。こうして、農場で寂しく暮らしていた。
ところが、その頃、イエス様が聖パヴロやほかの聖人たちといっしょに説教して歩いておいでになった。この男の家に着くと宿を頼まれた。その時、男は、神様だとは知らずに、泊めてあげた。
持っている食べ物を残らず分け与えた。それで、
「年を取ったので働いて娘のめんどうをみるのがたいへんだ」
と、神様に語ったって。
そこで、聖パヴロが言うには、
「明日、わしとほかの聖人たちがいとまごいする時に、ほうびをやろう」
って。男が死んでしまうと、かわいい娘がひとり残されるので、娘をたいそう役に立つ木に変えてやろうって言うんだ。
でね、あくる日、聖パヴロがおいとますると、男はもう死にそうに具合が悪くなって、
「娘よ」
と叫んだけれど、家の前に美しい木が見えるばかりだった。娘は「カア」と呼ばれるマテ茶の木に変わっていたんだ。その木は神様に祝福されたから、今では、宝物と言われているよ。
ところが、その頃、イエス様が聖パヴロやほかの聖人たちといっしょに説教して歩いておいでになった。この男の家に着くと宿を頼まれた。その時、男は、神様だとは知らずに、泊めてあげた。
持っている食べ物を残らず分け与えた。それで、
「年を取ったので働いて娘のめんどうをみるのがたいへんだ」
と、神様に語ったって。
そこで、聖パヴロが言うには、
「明日、わしとほかの聖人たちがいとまごいする時に、ほうびをやろう」
って。男が死んでしまうと、かわいい娘がひとり残されるので、娘をたいそう役に立つ木に変えてやろうって言うんだ。
でね、あくる日、聖パヴロがおいとますると、男はもう死にそうに具合が悪くなって、
「娘よ」
と叫んだけれど、家の前に美しい木が見えるばかりだった。娘は「カア」と呼ばれるマテ茶の木に変わっていたんだ。その木は神様に祝福されたから、今では、宝物と言われているよ。