その二 カア・シ(マテ茶の木の母さん)
聖ペドロや聖フワンといっしょに、神様がおいでになったって。ひとり娘のいる男の家へ行ったんだ。施しを求めると、二人は持っている食べ物を残らず分け与えたって。
そこで、神様はほうびをやろうと思った。娘をたいそう役に立つ木に変えたんだ。それがマテ茶の木さ。じゃあ、おれがよく聞いた話をしてやろう。
マテ茶の木の精は、カア・シという。聖なるものだ。暗くなりかけると、突然、出てくるんだ。この間、見た。きれいな娘の姿で、マテ茶の木の上にすわっていた。あれは月の晩だった。栗色の髪で、背が高くて、きれいな娘だった。マテ茶の木の精だ。カア・シは、働く者に幸運をもたらしに現われるのさ。時々、悪い奴には不運をもたらすがね。何回も、アルト・パラナで見たんだが、見ると、いつもおれにはいいことがある。信じない人もいるがね。そういう奴は何も知らないで、おれたちのことをあざ笑う。おれたちはそんなことしない。カア・シは、人を助けてやろうと思って、働く者の前に姿を現わす。時々、おこると、不運をもたらす。カア・シを見ると胸がどきどきするよ。でも、カア・シを見るのはすばらしい。
ここでは、二晩前に、カア・シを見た。マテ茶の葉の乾燥台が焼けたあとにね。悲しそうに、焼けた乾燥台をさわって歩いていた。マテ茶の葉の入っている乾燥台をまるでいたわるように、さわっていた。悲しそうにして、まるで、飛んでるみたいにつま先で歩きまわっていた。
月夜に、カア・シが歩いているのはなんとも美しい眺めだ。二十七年前、マテ茶畑で働いていた時、何度もおれはカア・シを見たんだ。
そこで、神様はほうびをやろうと思った。娘をたいそう役に立つ木に変えたんだ。それがマテ茶の木さ。じゃあ、おれがよく聞いた話をしてやろう。
マテ茶の木の精は、カア・シという。聖なるものだ。暗くなりかけると、突然、出てくるんだ。この間、見た。きれいな娘の姿で、マテ茶の木の上にすわっていた。あれは月の晩だった。栗色の髪で、背が高くて、きれいな娘だった。マテ茶の木の精だ。カア・シは、働く者に幸運をもたらしに現われるのさ。時々、悪い奴には不運をもたらすがね。何回も、アルト・パラナで見たんだが、見ると、いつもおれにはいいことがある。信じない人もいるがね。そういう奴は何も知らないで、おれたちのことをあざ笑う。おれたちはそんなことしない。カア・シは、人を助けてやろうと思って、働く者の前に姿を現わす。時々、おこると、不運をもたらす。カア・シを見ると胸がどきどきするよ。でも、カア・シを見るのはすばらしい。
ここでは、二晩前に、カア・シを見た。マテ茶の葉の乾燥台が焼けたあとにね。悲しそうに、焼けた乾燥台をさわって歩いていた。マテ茶の葉の入っている乾燥台をまるでいたわるように、さわっていた。悲しそうにして、まるで、飛んでるみたいにつま先で歩きまわっていた。
月夜に、カア・シが歩いているのはなんとも美しい眺めだ。二十七年前、マテ茶畑で働いていた時、何度もおれはカア・シを見たんだ。