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聖岩 Holy Rock23

时间: 2020-02-21    进入日语论坛
核心提示:あとがき 実はここに収めた作品を書きながら、これが多分私の最後の短篇集になるだろう、と思っていた。転移の危険がまだあった
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あとがき

 実はここに収めた作品を書きながら、これが多分私の最後の短篇集になるだろう、と思っていた。転移の危険がまだあったから。
いまこうして、自分の部屋で(病院でなく)、「あとがき」を書いているのが信じ難く妙な気分だ。
 連作を考えていたのではなかったのに、自然に四十歳以後の経験を書いていた。そのため結果的に、三十五歳までの記憶を書いた長篇小説『台風の眼』(一九九三年)の、素材のうえでの続篇という形にもなった。
 それにしても中年以後もよく外国に行ったと改めて思う。新聞社で長く外国関係の仕事をしてきたためだが、もともと「外地」で育った私には「本国」と「外国」との違いがそれほど本質的ではない。いわゆる|異国趣味《エキゾチシズム》という感情はない。
世界そのものとの出会いと、それによる自分自身の新たな発見という体験において、東京湾の埋立地をうろつくのも、中国奥地の砂漠まで出かけるのも同じようなものだ。
意識の深みがたかぶり開いているとき、世界はどこでも荒涼と美しい。
「自然」という言葉が多い。五年前の病気以後、何となくそのことを考えることが多いからだが、自然は恐るべき|混沌《カオス》なのか、それとも畏るべき|理法《ロゴス》を秘めているのか——その問いは書くことによってかえって重く深まっている。
次の「最後の短篇集」でも解けないかもしれない。
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