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孤独のとなり19

时间: 2020-02-23    进入日语论坛
核心提示:自分の人生を投げ出す勿《なか》れ先年亡くなられた関西の実業家、近江岸弁之助氏の伝記を読んだ。彼はウラジオストックに渡って
(单词翻译:双击或拖选)
自分の人生を投げ出す勿《なか》れ

先年亡くなられた関西の実業家、近江岸弁之助氏の伝記を読んだ。彼はウラジオストックに渡って、明治の時代に巨富を手にした人である。後に、日本に帰ってキリスト者となったが、その若い頃に、次のようなエピソードがあった。
人間には浮き沈みがあるものだ。これはちょうど、彼がその沈みの中にあった時の話だが、日露戦争のあおりを受けて、彼の勤めていたハバロフスクの店がどん底に陥った時のことである。といっても大店のことだ。彼は三百円の小遣いを渡され、金策のために帰国を命ぜられて、大阪に帰った。その彼を追って、
「バンジキュウス、ミセニモドレ」
の電報がきた。ハバロフスクの店は破産したのである。
翌朝、彼は尼崎の家で朝刊を見ていたが、不意に「競馬」の二字が彼の目を射た。噂《うわさ》には聞いていたが、競馬なるものはまだ一度も見たことがない。彼は小遣いにと渡されたうちの二百円を手に、競馬場に行った。
競馬場に行くと馬券売場は長蛇《ちようだ》の列。その中に、たった一つだけ、誰《だれ》一人寄りつかない窓口があった。競馬に初めての弁之助にはその理由がわからなかった。人に尋ねると、
「あの窓口の馬券は勝ち目がないんや」
とのこと。弁之助は、その勝ち目のない馬に深い同情を覚えた。自分自身が、今どん底の逆境に立たされていたからである。
彼は持ち金の二百円をそっくり出して、誰一人見向きもしないその馬券を買った。明治時代の二百円といえば大変な金だ。
さて、レースが始まった。馬は一斉《いつせい》にスタートを切った。が、弁之助の買った馬は、かなり遅れて走っている。他の馬たちは、みるみるもつれるように、ぬきつぬかれつ一団となって走って行く。弁之助の馬はますます遅れる。
(なるほど、これじゃ誰も買わんはずだ)
競馬に無知だった彼は、全く勝ち目のない馬に自分が賭《か》けたことにようやく気づいた。もはや最後まで見る必要はなかった。彼はポケットの馬券を破り捨てようとした。と、その時、不意に観覧席が総立ちになった。後|僅《わず》かでゴールという時に、一団の先頭を切っていた一頭が、水たまりで足を取られ、転倒したのだった。つづいて、一頭残らずばたばたと倒れてしまったのである。これにまきこまれなかったのは、弁之助の馬だけであった。その馬がゴールインするや否や、場内は殺気立った。
こうして彼は、二百円の馬券で八千円を懐《ふところ》にしたのである。それは天文学的数字ともいえる巨額の金であった。彼がこの時自分のために買ったのは、一本のステッキだけで、後の全額は母親に渡し、この後再び馬券を買うことはなかったというが、人生にはこのような、人間の知恵を越えた結果が待っていることが意外と多い。誰の目からも絶望とみえる条件の中にあって、逆転することがあるのである。
ここで私は、ある一つの結婚を思い出す。ある女性が結婚した。相手の男性は、社会的な地位もあり、財もあり、健康でもあった。が、突如として、ある夜心臓|麻痺《まひ》で急逝《きゆうせい》したのである。
数年後、彼女は再婚することになった。次の相手は、年のひらきもある上、療養中で、むろん経済的にも無力であった。つまり、彼女が働いて、家庭を支えなければならないことになるわけである。
彼女の周囲はみな、この再婚に反対した。何も病人と結婚することはない。美しい彼女には、他にいくらでも相手はあるはずだというのである。
ところが、只《ただ》一人、この結婚に賛成したのが、彼女の父親であった。彼女の父親はこういった。
「一度目の結婚は、誰がみても、すべての条件がそろっていた。末長く幸せになること疑いなしと思われる結婚であった。それがあんな結果になったではないか。今度の結婚は、人の目には悪いことだらけの結婚に見える。しかし、三十を過ぎた女が決心したことだ。ひとつ、思いどおりに結婚させてみようじゃないか」
こうして彼女は結婚し、今では夫の病気も全快し、誰も想像し得なかったようなよい家庭を築いている。
人生には、若い人も、老人も、病人も、健康な人も、時に大変な困難にあうことがある。
(もう駄目《だめ》だ! 絶望だ!)
と、叫びたくなることがある。が、いかなる場合にも、自分の人生を投げ出してはならない。人生には、どんなことが起こるか、測り知れないのだ。そのことを謙遜《けんそん》に思いつつ、お互い人生を歩みたいものである。聖書にも、
「彼は望み得ないのに、なおも望みつつ信じた」と、書かれてあるのだ。
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