誰《だれ》かが、この頃の若い母は、子供に聞かせる童話も知らなければ、子守歌も知らないと書いておられた。まさかそんなことはあるまいとわたしは思う。何百年の昔から、母が子に語り、子が孫に語りつぎしてきた無形文化財である花咲爺《はなさかじじい》や、カチカチ山の話が、もういまの世で終わりになったとは思えない。母親の創作童話に加えて、この語りつがれた昔話を、お子さん方に語りついで欲しいと思う。
それはともかく、わたしの夢の母子像は、母と子が心から楽しんで、会話をする姿なのである。
それはともかく、わたしの夢の母子像は、母と子が心から楽しんで、会話をする姿なのである。