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孤独のとなり50

时间: 2020-02-24    进入日语论坛
核心提示:「かっちらかしのお綾」の異名まで頂戴 今、わたしは「週刊朝日」に連載小説を書いている。わたしの生まれる少し前の大正八年か
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「かっちらかしのお綾」の異名まで頂戴

 今、わたしは「週刊朝日」に連載小説を書いている。わたしの生まれる少し前の大正八年から、現代にわたる予定だが、これにかなりの資料が要る。
わたしの机の上や身辺は、その資料で一杯だ。別に月刊誌に歴史小説も書いているので、そのほうの資料とごっちゃになり足の踏み場もない。いつもわたしに「整理大臣」と呼ばれ、自分では「クロコ」をもって任じている三浦も、もはや手のつけようがない。
昨年クリスマスに、神奈川県の茅ケ崎から知人の子供が遊びに来て、このわたしたちの仕事場を見、
「ウワーッ」
と目を丸くした。その乱雑さに度胆《どぎも》をぬかれたのだ。まさしく「見ちゃあならないものを見た」という顔であった。
大体わたしは、結婚早々三浦から「かっちらかしのお綾」との異名をつけられたほどの、整理|整頓《せいとん》無能力者である。一体いつの頃からこうだったのか。とにかく気づいた時には、かなりの「かっちらかし屋」になっていた。
小学生の頃のわたしの最も親しい友人は、実に几帳面《きちようめん》な人だった。彼女は優等生で、筆入れの中には白いフワフワの綿を敷き、そこにきれいに削られた鉛筆が並べられ、消しゴムも上等の柔らかい消しゴムをきちんと入れていた。彼女のノートは細い字で、実に整然と書かれていた。裁縫箱も、針山にはきれいに針が並べられ、鈴のついた握り鋏《ばさみ》が、ヘラやチャコと共に、常に同じ場所におかれていたものである。
ところがわたしときたら、鉛筆を削った記憶もない。ぐいぐいと満身の力で書くから、芯《しん》がすぐ減る。芯が減ると爪《つめ》の先で鉛筆をむしって、芯がのぞけばまた書き出す。消しゴムを持っていないので、間違った時は指につばをつけてゴシゴシこする。下手をすると、字が消える先にノートが破れる。といった調子だった。
ノートで思い出したが、女学校時代、よく友だちにノートを貸してくれといわれた。が、一度借りて行った友だちは、決して再び借りにくることはなかった。どこに何が書いてあるのか、友人たちには判読もできないという。特に地理のノートなど、滅茶苦茶の地図で、地図の上にめったやたらに、産物だの気候だの、交通だの地勢が書きこまれていて、人にはいたずら書きとしか、見えないらしかった。が、当の本人にしてみれば、実に整然たるノートのつもりなのだから、処置がない。
ノートさえこの調子だから、机の中などはもっとひどかった。チビた鉛筆や、かんだ鼻紙や、どこかで拾った石ころなどがほうりこまれてい、本もノートもごちゃまぜに入っていた。
で、優等生の友人が、見るに見かねて、わたしの机の中を整理してくれたり、帰る時には、カバンの中にきちんと道具を整理して入れてくれたものだ。
余り自慢にもならぬ話だが、衣類にしても同様である。結婚した今も、外から帰ってきて、
「只今《ただいま》」
と大きな声でいうまではいいが、手袋と帽子とマフラーとオーバーの置き場所が全部別々ということは、いつものことだ。脱いだ所、脱いだ所に、置いてしまうのだ。
本棚《ほんだな》に本がきちんと並んでいるということは、恐らく死ぬまでないだろう。一方三浦は、かの優等生の友人の如《ごと》く几帳面で、わたしは「整理大臣」という尊称を奉った。で、彼は、わたしが読んだ本を本棚に戻《もど》さないと、すぐに戻せという。わたしは、あと二、三分したらまた読むつもりなのだが、それでも、
「二、三分あとでもいい、一旦《いつたん》は戻してまた出しなさい。後で使う時に探す時間のロスを思えば、戻すくらい三秒でできることだ」
と彼はいう。
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