日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

孤独のとなり55

时间: 2020-02-24    进入日语论坛
核心提示:将棋の駒に思う私はこの新年から、「主婦の友」誌に「千利休とその妻たち」の連載をはじめた。千利休は茶聖といわれるだけに、私
(单词翻译:双击或拖选)
将棋の駒に思う

私はこの新年から、「主婦の友」誌に「千利休とその妻たち」の連載をはじめた。千利休は茶聖といわれるだけに、私には手に負いかねる大人物で、取材だけでも大変であった。ふつう取材といえば、たいていは資料を調べたり、現地に出て行ってゆかりの場所を見聞したりすれば、おおよそは事足りるのだが、利休の場合はそうはいかない。彼は「能楽」への造詣《ぞうけい》も深く、また芸術作品や器物万般への審美眼が一流の人物であった。
という訳で、私自身、多くのことに関心を持ってかからなければならなかった。茶道の稽古《けいこ》場に通うことはむろんのこと、謡曲の師匠のもとにも伺った。茶器について、いくらかでも目を養うために、陶芸教室にも通い、おぼつかない手で、ろくろも廻してみた。そしてとうとう将棋にも手をつけてみた。
 将棋は、三浦が若い頃より大好きで、一応段持ちでもあるので、習おうと思えば、習う機会は幾度もあった。だが、もともと勝負ごとの嫌《きら》いな私は、習う気にはならなかった。二、三度|駒《こま》の動かし方を習いかけたことはあったが、やる気がないから覚えない。
それが、千利休を書くことになって、ふと、彼も将棋をしたかも知れないと思ったときに、本気で習う気になったのである。するとふしぎなもので、すらすらと駒の動きが頭に入った。去年の正月のことである。
歴史辞典によると、利休の時代に現在の将棋は完成したという。それ以前には、六十八枚の駒のある大将棋や、飛車角なしの三十六枚の将棋など、いろいろあって、何《いず》れも今のものより複雑なルールであったらしい。
それはともかく、下手ながらも、将棋を知ってみると、これは実におもしろいゲームである。第一に、駒それぞれに個性があることで、小説に似ているというか、人間に似ているというか、まことに興味深い。歩には歩の、金には金の個性がある。一歩ずつしか前に進むことのできない歩が、敵陣に入りこむや否や、一躍金の能力に昇格できる意外性もある。しかも、時には、敵陣に入りながら、あえて昇格しないでいるほうがいい場合もあるというのだから、おもしろい。
 更におもしろいのは、個々の駒に能力差があり、しかもそれぞれに必ず泣き所があることだ。
「へぼ将棋、王より飛車をかわいがり」
の川柳が生まれるほど、駒の中で飛車が最も強大である。だから、へぼな者ほど飛車を大事にする。が、飛車さえ持てばそれでいいかというと、そうはいかない。飛車角金銀桂香と、山のように持ちながら、最低の「歩」が一つないばかりに、負けてしまうこともあるそうだ。大体将棋というものは、大駒ばかり大事にしていては駄目《だめ》で、お互いの駒の欠陥をカバーし合うこと、特に「歩」という弱い駒を大事にすることが肝要なのだそうだが、つくづく人間社会のあるべき姿を思わせられるというものではないか。
まだ将棋をはじめて一年そこそこの私だから、おもしろいといっても、たかが知れているだろうが、将棋のおもしろみには底の知れない深さがある。哲学や人生訓の一杯つまっているおもしろさである。
こんなおもしろい遊びを、なぜ私たち女性は小さい時からして来なかったのか。男の子たちが将棋をしているそばで、ただおしゃべりしていたことが、残念に思われる。
いや、将棋だけではない。今でこそ茶道は女性の趣味のように思われているけれども、利休の時代から明治の頃まで、茶は男の世界のものであった。封建的な日本においては、男の世界と女の世界を、趣味や娯楽の面でも、余りに画然と区別、いや差別していたようである。
「知らしむべからず、依らしむべし」の封建律が、知らず知らず男性の女性に対する態度をも歪《ゆが》めてきたように思うのだが、まだまだ改めなければならないものが、日本には多いのではないだろうか。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%