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真夜中のサーカス46

时间: 2020-03-21    进入日语论坛
核心提示:赤い|衣裳《いしよう》三ヒデを乗せた下りのジーゼルカーは、十一時五十分に菜穂里駅に着く。そのことは、ヒデから葉書を貰った
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赤い|衣裳《いしよう》

ヒデを乗せた下りのジーゼルカーは、十一時五十分に菜穂里駅に着く。そのことは、ヒデから葉書を貰った日のうちに駅へいって確かめて置いたが、良作は、十一時を過ぎても仕事場でなんとはなしにぐずぐずしていた。親方に、
「おめえ、もうじき十一時半だぜ。そろそろ迎えにいってやんな。」
といわれて、やっと気がついたように造船所を出ると、ジャンパーのポケットを抑えて一目散に駈け出した。
まっすぐ駅へいくだけなら、なにも駈けることはないのだが、その前にぜひ寄らねばならないところがある。郵便局に寄って貯金をすこしおろさなければならない。きょうは土曜日で、郵便局は半ドンだから、ヒデを出迎えてからでは遅いのだ。
郵便局に飛び込んで、ジャンパーのポケットから通帳と判こを出して窓口に置くと、どうしたことか判こが弾んで、コンクリートの床に落ちた。あわてて拾って、ぷっと吹いてから窓口に出すと、係りの女が怪しむような目でみつめている。彼は、自分がひどく|喘《あえ》いでいることに気がついた。
「すみません。ちょっと急いでたもんだから……。」
彼はぺこりと頭を下げていった。
「お名前は?」
「一ノ森良作です。二十一歳。」
つい、|訊《き》かれもしない齢まで答えて、なんだ、名前ならその通帳にちゃんと書いてあるのに、と彼は思った。案の定、係りの女は通帳の名前をみて、それから眉を顰めて判こをみた。なにか不審な点でもあるのかと、彼はちょっと不安になった。
「|在郷《ざいごう》から妹が出てくるもんだから、それで……。」
と彼は、そんなことをいう必要がないと思いながらも、つい、そういった。
「水晶でなくて、よかったわね。」
係りの女は彼をちらとみて、唇の端で笑いながら判このことをそういっただけだった。水晶の判こだったら、さっき床に落としたとき割れていたという意味なのだろう。彼は、ほっとした拍子に、思わず気弱な笑いを洩らした。俺が水晶の判こなど持てるわけがない。
「三文判だから……。」
と彼はいって、腰のタオルを抜いて顔の汗をぬぐった。
郵便局を出ると、また駈け出した。
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