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シャドウテイカー ドッグヘッド16

时间: 2020-03-30    进入日语论坛
核心提示:8 裕生と葉《よう》はシートに座って、電車の出発を待っている。電車はホームで止まったままだった。ご乗車になってお待ち下さ
(单词翻译:双击或拖选)
 裕生と葉《よう》はシートに座って、電車の出発を待っている。電車はホームで止まったままだった。ご乗車になってお待ち下さい、というアナウンスが流れてからかなり長い時間が経《た》っている。とっくに日も沈んでいるが、火の勢いはまだ弱まっていないらしい。
周囲には疲れた顔をした乗客たちが立っている。彼らも火災や事故に遭遇したはずだったが、裕生《ひろお》と葉《よう》が怪我《けが》を負っているのを見ると、すぐに席を空けて座らせてくれた。
佐貫《さぬき》はあの地下街に置いてきた——目を覚ました佐貫が自分たちを置いて行くよう強硬に主張したからだ。
「俺《おれ》も天内《あまうち》さんももうお前の役には立てねえ」
半身を金属化された佐貫は呼吸も苦しそうだった。裕生はうなずかざるを得なかった。無理に加賀見《かがみ》に戻ったところで、命を危険にさらすだけだ。裕生たちから離《はな》れた方が安全に違いない。
裕生は携帯《けいたい》で救助を呼んだ。怪我人が出たので、病院に連れて行ってほしいと言うと、この近くで活動しているレスキュー隊をすぐに差し向けるという返事が返ってきた。
ごめん佐貫、と、電話を切った後で、裕生は謝《あやま》った。
佐貫たちの負傷も、大勢の人たちの死も、この街が破壊《はかい》されたことも、すべてが自分の取り返しのつかない過《あやま》ちのような気さえした。
「そんな情けない顔すんなよ」
と、佐貫は言った。
「お前はちゃんとやったって。それに、お前らがあのカゲヌシを倒してくれれば、少なくとも俺《おれ》らは元に戻るんだからよ」
佐貫はにっと笑った。
「それまで、俺らは病院で待つよ」
ちゃんとやったわけじゃないんだ、と裕生は思う。
(これからちゃんとやらなきゃならないんだ)
佐貫は今のところ命には別状はなさそうだったが、茜の体の金属化した部分は全身に及んでいる。蔵前《くらまえ》が言ったように、今の状態で長く生きられるはずがない。その前にアブサロムを倒し、金属化の能力を解かなければ彼女は死んでしまうだろう。
隣《となり》の席に座っている葉は、裕生にもたれて眠っている。できれば加賀見に戻るまで裕生も少し眠っておきたかったが、左手の痛みが今さらのように激《はげ》しくなり始めていた。
(あいつ、いつ加賀見に来るだろう)
猶予《ゆうよ》は数時間と言っていた。それが本当なら、今夜のうちにはやって来るだろう。
不意に発車メロディーが鳴り、ドアが閉まって電車が動き出した。急な振動を感じたのか、葉は身じろぎした。まだ彼女には蔵前になにを話したのか、きちんと説明していない。葉の命を自分のものと一緒《いっしょ》に扱って、「殺しに来い」などと言ってしまった。
ただ、あの時はなぜかそれが当たり前のような気がした。自分と生死をともにすることを、彼女が恐れたりしないとなぜかはっきりと確信《かくしん》していた。
ふと、葉《よう》が目を開ける。表情のないぼんやりした目で車内を見回している。
「……葉」
と、裕生《ひろお》は呼びかけた。反応がなかった。
「葉?」
少し強く呼びかけると、はっと振り向いた。
「……裕生ちゃん」
なぜか気恥ずかしそうに彼女は笑った。どうして笑っているのか、裕生にはよく分からなかった。
「今、電車出たところだよ」
と、裕生は言った。電車の振動のせいか、左手がさらに痛み始めていた。葉は不思議《ふしぎ》そうに裕生の汚れた服や髪《かみ》を見つめていた。
まるでそういう裕生を初めて見るような目だった。
まさか、と思い始めた時、彼女はおずおずと口を開いた。
「あの、わたしたち、どうしてここにいるんですか?」
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