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シャドウテイカー ドッグヘッド28

时间: 2020-03-30    进入日语论坛
核心提示:エピローグ 裕生《ひろお》は病院で意識《いしき》を取り戻した。もちろん、命に別状はなかった。ただ、左手の骨折だけは数回の
(单词翻译:双击或拖选)
エピローグ

 裕生《ひろお》は病院で意識《いしき》を取り戻した。
もちろん、命に別状はなかった。ただ、左手の骨折だけは数回の手術が必要になると医師に言われた——場合によっては、長期のリハビリが必要になるらしい。
医師はショックを与えるかもしれないと心配したらしいが、裕生はほっとしていた。あれだけの死線《しせん》をくぐり抜けたことを思えば、その程度で済んだのはむしろ奇跡だった。
裕生が心配していたのは兄の雄一《ゆういち》と夕紀《ゆき》だった。二人とも裕生と同じ病院に入院していた。夕紀はすぐに意識を取り戻したものの、カゲヌシと素手で戦い、蔵前《くらまえ》からは三発もの銃弾を浴びた雄一は意識不明の重体だった。
ベッドから動けるようになったらすぐに様子《ようす》を見に行くつもりだったのだが、なぜか見舞《みま》いにやって来たのは雄一の方だった。
五日目に突然意識を取り戻した雄一は、裕生と夕紀の様子を見るために集中|治療室《ちりょうしつ》を脱走してきた。ミイラ男のような有様《ありさま》で現れた兄に、裕生は心臓《しんぞう》が止まるほど驚《おどろ》いた。
「お前、怪我《けが》は大丈夫か?」
と、真顔《まがお》で雄一は言った。裕生は慌ててナースコールを押した。
 佐貫《さぬき》と茜《あかね》は一緒《いっしょ》に裕生を見舞いに来た。俺《おれ》らを治療した医者がパニックになっちまってさ、と言って佐貫は笑っていた。アブサロムに金属化された皮膚《ひふ》を無理矢理《むりやり》剥《は》がそうとして、それを止めるのに苦労したらしい——時間が経《た》てば元に戻るはずだから、もう少し様子を見ろと押し問答を繰《く》り返すうちに、結局カゲヌシの死とともに元に戻り、そのまま怪我の治療を受けたという。
「佐貫っちがいなかったら、あたし死んでたかもだよ」
茜は何度も繰り返す——珍しく佐貫は照れていた。
これからどうするの、と茜に尋《たず》ねると、
「もうすることもなくなったし、学校にまた通うつもり」
しばらくこの町に引っ越して暮らすつもりらしい——裕生ちゃんたちと同じ学校に行くのもいいかと思って、と言っていたが、さすがの裕生にもピンと来た。
佐貫と茜は一緒に帰って行った。多分《たぶん》、そういうことなのだろうと思う。
 みちるが一番|足繁《あししげ》く見舞いに来てくれた。
彼女だけが裕生たちの周りでは病院の治療を受けずに済んでいた。そのせいか、病院の外でしなければならないことはすべて彼女にやってもらった。
「レインメイカー、もう幽霊《ゆうれい》病院にいなかったよ」
何回目かの見舞いの時に、彼女はそう言った。
船瀬《ふなせ》も警察《けいさつ》に保護《ほご》され、こことは別の病院で治療を受けているらしい——おそらく、あのカゲヌシも卵に返ったのだ。
「黒の彼方《かなた》」と戦ったあのビルへも、みちるには行ってもらった。「黒の彼方」の卵も、シャドウテイカーの卵ももう残っていないらしい。おそらく、もうこの世界からは消えているのだろう。
時々、裕生《ひろお》はみちるとどう接していいか分からなくなる。みちるの方がむしろ落ち着いていて、以前のような自然な態度に戻っていた。時々、あの告白は本当にあったことなのか不思議《ふしぎ》になるぐらいだった。裕生の中ではこの数ヶ月の出来事で、彼女への親《した》しみや尊敬の念は増していた。そのせいでかえって複雑な気持ちだった。
みちるには一番大事な用事も任せていた。
「あ、雛咲《ひなさき》さんにはちゃんとノート渡したから」
と、みちるは言った。例の『くろのかなた』の続きを裕生は病院で書いていて、それを葉《よう》のところに届けてもらった。正直なところ彼女に頼みにくかったのだが、みちるは自分から行くと言った。
「葉、元気だった?」
「うん……あのお話も熱心《ねっしん》に読んでた」
みちるは少し言いにくそうに答えた。今、葉はこの町から遠く離《はな》れた療養《りょうよう》施設《しせつ》にいる。ツネコに付き添われながらそこに滞在し、失われた記憶《きおく》を取り戻す治療を受けているらしい。
「治療って進んでるみたいだった?」
みちるは物思わしげに目を伏せた。多分《たぶん》、あまり進んでいないのだろう。
「少しずつだって……あの、まだ色々と思い出せないみたい」
「……そう」
葉はこの世界にまつわる記憶の大半を失ってしまった。しかし、裕生は正直なところあまり心配していなかった。あの「黒の彼方」も、時間をかければいつか葉の記憶も戻ると言っていた。何年かかったとしても待つつもりだった。
今はただ、いつ彼女に会いに行くことが出来るか、そのことだけを考えていた。
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