男の子はそういいました。
かなしいときや、うれしいときにながすものです。
かなしいときや、うれしいときにながすものです。
それから、二人はたびをつづけました。
おしろを出るとき、王さまは二人にきれいな音のでる金のふえをくれました。
王さまは女の子にいいました。
おまえは歌をうたうといい。おまえのきれいなその声で。
どうかどうか、いつまでも元気でくらしてほしい。
王さまはおしろの塔の上から、二人をどこまでも見おくってくれました。
おしろを出るとき、王さまは二人にきれいな音のでる金のふえをくれました。
王さまは女の子にいいました。
おまえは歌をうたうといい。おまえのきれいなその声で。
どうかどうか、いつまでも元気でくらしてほしい。
王さまはおしろの塔の上から、二人をどこまでも見おくってくれました。
男の子はゆくさきざきで笛をふき
女の子はそれにあわせてうたいました。
いくつもの町や、いくつもの季節をこえてたびをつづけるうちに
女の子はますますかしこくなっていきました。
コトバをおぼえるうちに、たくさんの人びとにであいました。
いやな人もいい人も、すきな人もきらいな人も、友だちもそうでない人も、
一生かかっても会えないほどの、さまざまな人がいることをしりました。
女の子はそれにあわせてうたいました。
いくつもの町や、いくつもの季節をこえてたびをつづけるうちに
女の子はますますかしこくなっていきました。
コトバをおぼえるうちに、たくさんの人びとにであいました。
いやな人もいい人も、すきな人もきらいな人も、友だちもそうでない人も、
一生かかっても会えないほどの、さまざまな人がいることをしりました。
けれども、女の子にはどうしてもわからないことがありました。
それは、いつもそばにいる男の子のきもちでした。
どこへいっても、女の子の歌にあわせて笛をふき、
女の子の見たいものをいっしょにみて、あたらしいコトバをいっしょにおぼえました。
どうして男の子がそうしているのか、いくらかんがえてもわからなかったのです。
それは、いつもそばにいる男の子のきもちでした。
どこへいっても、女の子の歌にあわせて笛をふき、
女の子の見たいものをいっしょにみて、あたらしいコトバをいっしょにおぼえました。
どうして男の子がそうしているのか、いくらかんがえてもわからなかったのです。
ついに女の子は、男の子にたずねました。
あなたはわたしにコトバをおしえ、
名前をくれて、たびに出ようとさそってくれました。
でも、わたしはあなたになにもしていません。
ほかにもたくさんの人がいるのに、どうしてわたしといっしょにいるの?
あなたはわたしにコトバをおしえ、
名前をくれて、たびに出ようとさそってくれました。
でも、わたしはあなたになにもしていません。
ほかにもたくさんの人がいるのに、どうしてわたしといっしょにいるの?
男の子は、にっこりわらってこたえました。
あなたといっしょにいたいからです。
あなたの歌はわたしの好きな歌。
あなたのコトバもわたしの好きなコトバ。
あなたの見るものも聞くものも、すべてがぼくのよろこびなのです。
あなたといっしょにいたいからです。
あなたの歌はわたしの好きな歌。
あなたのコトバもわたしの好きなコトバ。
あなたの見るものも聞くものも、すべてがぼくのよろこびなのです。
女の子はくびをかしげました。
男の子のいうことは、女の子にはよくわかりませんでした。
けれど、しりたいものがまたひとつできたと思いました。
だから男の子にいいました。
わたしはあなたのきもちがもっとしりたい。
いつまでもいっしょにいましょう。
男の子のいうことは、女の子にはよくわかりませんでした。
けれど、しりたいものがまたひとつできたと思いました。
だから男の子にいいました。
わたしはあなたのきもちがもっとしりたい。
いつまでもいっしょにいましょう。
そうして、二人はたびをつづけるのでした。