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記憶の絵47

时间: 2020-03-30    进入日语论坛
核心提示:妹の幼稚園入学私が仏英和高等女学校の小学部の六年になった時、妹の杏奴が同じ幼稚園に入ることになった。私は自分に興味のある
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妹の幼稚園入学

私が仏英和高等女学校の小学部の六年になった時、妹の杏奴が同じ幼稚園に入ることになった。私は自分に興味のあることには、暈りとした目ながらに凝と見開いていて、大人たちの会話もなんとなく耳に入れていたが、妹が幼稚園に入ることになるかどうか、ということには関心がなかったので、事件にも、その進展にも殆ど、気づかずにいた。ところが彼女の幼稚園入学は私にとって、大変なことであったのだ。私は幼児の時から、鏡に向って顔に白粉を塗ったり、頬紅を塗ったりしていたが、その頃は、紫の銘仙《めいせん》の着物に白羽二重《しろはぶたえ》の襟を細く覗かせ、海老茶の袴で、長い髪にはタフタか繻子のリボンを結び、殆ど笑わず、ものも言わぬほど気取っていた。妹の方は、母親が彼女のことは万事二の次にしていて、余り構わなかった上に、彼女自身、男の子のような野生児である。髪は前髪を真中《まんなか》から二つに分けて、両方を護謨紐《ゴムひも》で結わえているのだが、機嫌を悪くしたり泣いたりすると、その護謨紐《ゴムひも》が角のように見えるのだ。仏英和ではその頃、強制的ではなかったが生徒に黒いタブリエ(袖のあるエプロンで、巴里の子供が透徹るような白い額にぴったり黒のベレを嵌《は》め、短いタブリエの下からこれも真白な膝小僧を出して、囀るような仏蘭西語を喋りながら走ったり、跳ねたりしているのは、極度の美なのだが、仏英和の生徒たちのは仕立てが神田三崎町の得体のしれない仕立屋であるのと、子供たちが格好よくないのとで、綺麗に見える子供は全校に二三人位である。ことに着物の上に着ている子供は不格好だった)を着せていたが、妹は綿入れの着物と羽織の袂、その中には襦袢の袖も重なっている、大型の元禄袖を巻紙のように巻き、その太い筒を赤い紐で結えて、その上からタブリエを着ているので、彼女のタブリエの両袖はポンポンに膨《ふく》らんでいた。妹がその格好で学校へ来始めると、私は慌《あわ》てた。同じ俥に相乗りで通うのであるから、一人だけ気取っている訳にいかないのだ。何かぐずり出すと妹は大声で泣き、俥の蹴込みにしゃがみこむので、俥の幌が片方だけ瘤《こぶ》のように出っ張り、そこから泣き声の出る俥を人々は驚いて見まもり、車夫の喜三郎は跳ね上がる梶棒を押さえやろうとして怒《いか》らせた肩越しに、困り果てた顔で「エヘヘ」と、笑った。或日、私が教室で気取っていると、聴き馴れた泣き声がして、幼稚園のスウルに伴れられた妹が、先生の入る扉から入って来た。妹は護謨紐《ゴムひも》の角を生やし、真紅《まつか》な小鬼と化しているのだ。「まあ、どうしたの」なぞと言いながら、私は小鬼を自分の席につれて来たが、羞しさのために辺りが見えなくなり、そこへ気取っているところを邪魔された怒りも混入している私は、(どうしてこんな妹が生れたのだろう)と、泣き熄《や》んで隣の席にかけている妹を横目で見た。
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