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記憶の絵51

时间: 2020-03-30    进入日语论坛
核心提示:お刺身とサイダー私と妹とは六つちがいだから、妹が「仏英和」の幼稚園に入った時、私はもう同じ学校の六年だったが、子供扱いさ
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お刺身とサイダー

私と妹とは六つちがいだから、妹が「仏英和」の幼稚園に入った時、私はもう同じ学校の六年だったが、子供扱いされて育った私は妹と一つか二つちがいの仲間の感じだった。お洒落だった私はうわべ[#「うわべ」に傍点]こそ白羽二重の襟を細く出して、紫地銘仙の袂の着物に海老茶(臙脂色のことである。昔は大学生は角帽と言い、女学生は海老茶袴と言っていた)の袴で、白いタフタ(木目《もくめ》織り)のリボンなんかをかけて気取っていて、妹はそういう風俗の私が俥に乗って学校へ行くのを見て、一種の憧れと、尊敬とを抱いていたが(今ではあまり尊敬もしていないようで、その点は萩原葉子も識り合った当時はともかく、だんだん、たよりにならない人物と解ってからは尊敬せずに、母親ぶるようになってしまった。怪《け》しからん話である)中味は妹とあまり変っていない。妹は大変な自然児で、男の子を引率して遊び歩き、交番のお巡りさんに天ぷらそばをおごって貰う、というような生活をしていて、お邸《やしき》の子である私に対して妹は町の子だった。泣くと小鬼《こおに》のような顔になった。杏奴《アンヌ》という名も恥かしいので、友だちにきかれると、「安子《やすこ》っていうんだけど安《あん》ちゃんといっているのよ」なぞと嘘をついた。少女期には詰らないことが死ぬ程恥かしいものである。(青春期になってからは妹は苦みのある微笑《わら》いを持つ、独逸の白い薬草のような女になった。妹の名誉のために断っておく。)
淑やかそうに気取ってはいても精神年齢が低い私は、妹と喧嘩をするといい勝負だった。私は手筐《てばこ》の中や、用箪笥の抽出しを片付ける時に妹を呼び、手伝ったら何かやる積りで、それを言って手伝わせたが、片付けている内にみんな惜しくなって来て、とうとう何もやらなかった。父が「それはお茉莉が悪い」と母に言ったときいた時、私を悪い、とは一度も言ったことがないのに、と思って内心怒った。説明をすればにこにこするだろうとは思ったが、その内に忘れてしまった。千駄木の家ではどういうわけか、土曜日の昼はお刺身と定《き》まっていた。それで私と妹とは楽しみにして帰ったが、私は誰もいないのを見すまして茶の間に入り、妹の皿の上のお刺身を二切れ位、自分の皿に移動させて、知らぬ顔をしていた。やがて食卓についてひそかに見ると、いつのまにかお刺身の数は同じになっている。妹も同じことをやっていたのである。又私は腎臓炎をやって、サイダーを日に大《おお》洋杯《コツプ》に四杯も飲まされて弱っていたが、妹は女中がサイダーの盆を運ぶのを見つけると、どこかに潜んでいて、女中が出て行くとそっと廊下を通りかかる。そうして電光石火部屋に入って来て、サイダーの大洋杯を平げてくれた。日に三度のサイダーの時間における限り、私と妹とは仲よしであった。
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