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ある日、ある午後37

时间: 2020-03-31    进入日语论坛
核心提示:夫の郷里夫の郷里はチェッシャーという所にある。アリスの笑い猫で知られたあのチェッシャーである。あいにく今年の一月に義父を
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夫の郷里

夫の郷里はチェッシャーという所にある。アリスの笑い猫で知られたあのチェッシャーである。あいにく今年の一月に義父を亡くしたが、毎年私たちはクリスマスを中心に、夫の郷里を訪ね、彼の老いた両親と共にクリスマスを祝ったものである。
郷里を訪ねる楽しさのひとつに、夫の親友と逢《あ》うということがある。ビフとジョーン夫妻は夫のボーイスカウトの頃からの友人だから、そのつきあいはもうかれこれ四十年になる。
イギリス人というのは、ボーイスカウトとはきってもきれない関係にあるらしい。
ビフなど、四十七歳になる今でも、毎年、自分の出身校の小学校のボーイスカウトキャンプに、リーダーとして参加する。たまたま今度の訪問中も、恒例のレイク地方のキャンプとかで、準備の真最中だった。夫もさっそく食料品やテントの積みこみを手伝った。私もついていって見物していたが、ああ教育というのはこういうことなのだとつくづくと感じた。
そこには約三十人ほどの六歳から十二、三歳のボーイスカウトたちが忙しく立ち働いていた。彼らを中心に、あとはビフの年齢まで、ありとあらゆる年齢のOBたちが、全く同じように一緒に立ち働いているのだ。先輩はおごらずいばらず。後輩の子供たちは礼儀正しく。
それにしても六歳の少年から四十七歳のビフの年齢の大人まで、毎年心待ちにするキャンプとは一体どんなものなのだろう? 夫の話を聞くかぎりでは、五日程キャンプ生活をして、自給自足をするのだという。ハイキングあり、カヌー競走あり、湖での水泳ありで、かなりハードなトレイニングである。六歳も四十七歳もそれなりに心から楽しめるアウトドアスポーツが、イギリスには健在なのである。
ある日の午後、ビフ・スミス宅のお茶の時間に招ばれた。ちょうど四時頃で、テーブルにはサラダやサンドイッチ、コールドミートの取り合わせ、それにビスケットやケーキ、チーズなどが並んでいた。昔でいう英国式のハイティーとは様相を異にする。むしろアメリカ人が好むランチパーティのような感じだ。
ジョーンもそれを認めて、最近ではTVでよくアメリカのホームドラマをやるせいもあって、イギリス人の生活が急速にアメリカナイズされつつあるということだった。たとえば娘たちのベッドルームなど完全にアメリカのハイティーンと同じで、華やかになったという。同じことがスミス家のティーパーティにも言えるようだ。
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