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ある日、ある午後46

时间: 2020-03-31    进入日语论坛
核心提示:エーゲ海航海誌八月二十五日ダリアン河ツアーというのに行ってみようということになり、ポンポン蒸気船を隣のシヌーク二世号と一
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エーゲ海航海誌
八月二十五日
ダリアン河ツアーというのに行ってみようということになり、ポンポン蒸気船を隣のシヌーク二世号と一緒にチャーターする。
朝九時にエッキンチックを出発して、二時間半のダリアン河上りである。目的は岩に彫られたアクロポリスの遺跡の見物。
河の色は、トルコの青を含んだ緑色で、水を満々とたたえ、両側は芦《あし》の湿地帯。その昔、あまりの蚊《か》の多さのために、一つの都市が姿を消さざるを得なかったということも、この広大な湿地帯を見れば、さもありなんとうなずける。
しかし河の色の優しさといい、左右に広がる芦の光景といい、その背後に連なるトルコの荒涼とした岩山といい、不思議にも眼に焼きつく河上りの体験であった。
ランチは河沿いにあるレストランのひとつで取った。今日はお互いにクルーぬきだから十一人。トルコ風前菜(チーズのペーストとか、トマトのサラダとか)と、串焼《くしや》き肉。私はレバーの前菜にお米のつけあわせを二人前取って、主菜にしてもらった。レバーはなんとなく醤油風《しようゆふう》の味つけがしてあった。
河上りを終えて夕方、エッキンチックに停泊しているヨットへ帰った。この夜もここに一泊する。夕食はペッパーが腕をふるって牛フィレ肉のソティーのフランス料理。
ペッパーの料理がどこのレストランより一番|美味《おい》しいとみんなが口々に誉《ほ》めた。
その夜初めて、月を見た。鎌《かま》のように細い月で、山の上に昇るとすぐにまた山陰に落ちて行った。鎌のように細い月の横で、ヨットのマストにとりつけたトルコの旗の月が、相似形をしていた。
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