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文庫本の最初のページに一九六〇年と記入してあるから、フロイトの『夢判断』(上下、新潮文庫)を初めて読んだのは、私が二十歳の時であったということが、改めてわかった。この文庫を探す目的で本箱をひっくりかえしていたら、『夢判断』の本が全部で四冊でてきた。文庫が二冊、ハードカバーが一冊、それと立派な学術書風なのが一冊。
どれも私が自分で必要に迫られて色々な時期に買ったものだが、全く同じ本が四冊というのも私としては珍しい。それとそう度々自分の夢の判断の必要に迫られてきた、ということも、今にして思うと奇妙なものだ。どんな夢について調べたのかはすっかり忘れたが、私という人間はよほど夢とか深層心理とかに興味があるらしいということが、それでわかる。
どれも私が自分で必要に迫られて色々な時期に買ったものだが、全く同じ本が四冊というのも私としては珍しい。それとそう度々自分の夢の判断の必要に迫られてきた、ということも、今にして思うと奇妙なものだ。どんな夢について調べたのかはすっかり忘れたが、私という人間はよほど夢とか深層心理とかに興味があるらしいということが、それでわかる。