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死体は生きている03

时间: 2020-04-14    进入日语论坛
核心提示:いたずら 四年前からわが家ではマルチーズを飼っている。大学生の息子がもらってきたのだが、生後一か月。それはぬいぐるみの動
(单词翻译:双击或拖选)
いたずら
 
 四年前からわが家ではマルチーズを飼っている。
大学生の息子がもらってきたのだが、生後一か月。それはぬいぐるみの動くオモチャのように愛くるしかった。
飼う気持ちはなかったが、純粋無《む》垢《く》なひとなつっこい仕草を見ているうちに、気持ちは変った。
丁度娘は嫁いでアメリカ住い、空白な心を埋めるかのように、小犬はわが家に居ついてしまった。
ちょろちょろ動き回って、赤ん坊のようにひとときも目を離せないヤンチャぶりであるが、すぐにダッコをしろと寄ってきたり、膝《ひざ》の上にのって居眠りをしたりする。
わが家では最も由緒正しい血統書付きである。
両親はともにコンクールでチャンピオンになっている。雌犬で名前はフェアリーとついていたが、あまりにもちょろちょろするので、チョロとあだなをつけた。
以来すっかりチョロとなって、フェアリーと呼んでもふりむきもしない。
その後、息子は大学を卒業し結婚もして、近くに居をかまえて独立したので、わが家は家内とチョロの三人暮らしになった。
家内は杉並の区議会議員をしているので、出歩くことが多い。
私が机に向かって、もの書きをしていると、チョロはかたわらで居眠りをしている。
次の文句が浮かばずにもたもたしていると、私の気持ちを読みとるのか、散歩に出ようと吠《ほ》え出す。考えていても書けそうにないから、誘われるまま三十〜四十分、近くの神田川沿いを歩いてくることにする。
散歩は健康のためでもあり、チョロのためでもあって、気分転換に大いに役立っている。
犬を連れて散歩をしていると、ときどき俳優の三国連太郎さんと出会う。三国さんも中型の白い雄犬を連れている。犬同士は近寄ってじゃれ合うので、私も三国さんと言葉を交し、挨《あい》拶《さつ》をするようになった。
捨て犬を拾って育てたと語っていた。
三国さんのお人柄が、わかるようである。

警察の依頼で検死に出向いたときのことである。
路上で職人風の男が死亡していた。かたわらにコーラの瓶が転がり、中身がコンクリート路上に流れ出ていた。
検死をしたが外部に死因を思わせるような外傷や異常所見は見当らない。身元もまだ判明していないが、警察の捜査から口論、けんかなどの事実は出て来なかった。
多分酔っぱらいがコーラをのみながら歩いているうちに具合が悪くなり、急病死でもしたのであろうと推定された。
しかし、死体には病名を引き出すだけの特徴的所見はない。
結局監察医務院に遺体を搬入し、行政解剖をして死因を究明することになった。
解剖すると、胃粘膜が赤くびらんし、異臭があって検査の結果は、青酸塩であることが判明した。
その他に死因となるような外傷や病変はない。
死亡の原因は病死などではなく、青酸中毒であった。
警察はあわてた。捜査はふり出しに戻った。
かたわらにあったコーラの瓶からも青酸が検出され、瓶に付着していた指紋も男と一致した。
こうなると自殺ということになろうが、そのためには警察は自殺の動機を明らかにしなければならない。
間もなく身元がわかった。身内や職場の関係者から事情聴取をしたが、自殺をするような状況は出て来なかった。残る可能性は他殺かあるいは不慮の中毒事故である。
検討中、同じ警察署管内で高校生が道端で拾ったコーラを持ち帰り飲んだところ、突然苦しみ出し死亡するという事件が発生した。状況が状況だけに、これははじめから検事の指揮下で犯罪を前提とした司法検視、司法解剖の手続きがとられた。結果は、誰かがコーラに青酸を混入させ、道端に放置した悪質ないたずらであることがわかり、大々的に報道された。
そっちのけになっていた職人風の男の死亡事件は、病死から自殺へそして事故死か他殺かと警察を翻《ほん》弄《ろう》したが、倒れていた現場が高校生がコーラを拾った現場の近くであり、死因も同じ青酸中毒であることなどから、一躍注目を浴びることになった。
捜査の結果、一連の事件と判断され、騒ぎは一層大きくなった。
二人の犠牲者。悪質ないたずらではすまされない。不特定の人をねらった殺人ともいわれ、きびしい捜査が行われたが、犯人の検挙には至らなかった。
幼いころ読んだ童話を思い出す。
子どもが池のカエルに石を投げつけた。子どもはふざけて投げたのだろうが、カエルの親子にとっては死活問題である。
この事件も、犯人はいたずら半分であったかも知れないが、被害に遭《あ》った方は一命を落している。
してはならないこと、心すべきである。
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