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死体は生きている10

时间: 2020-04-14    进入日语论坛
核心提示:誤 診 医療には誤診がつきものである。みぞおちのあたりが痛むので医者へ行ったら、胃炎だといわれ薬をもらってのんでいたとこ
(单词翻译:双击或拖选)
誤 診
 
 医療には誤診がつきものである。
みぞおちのあたりが痛むので医者へ行ったら、胃炎だといわれ薬をもらってのんでいたところ、ある日突然胸苦しくなり急死したというようなケースがしばしばある。
検死後、行政解剖をすると心臓の栄養血管である冠状動脈に硬化(血管壁にコレステロールがたまって、もりあがり血管内《ない》腔《くう》が狭くなった状態)があって、その部位で血液の流れが悪くなっていた。死因は急性虚血性心不全つまり心筋梗《こう》塞《そく》である。
心臓の発作は痛みが胃に放散したり、左肩がこったり、左の背中が重く感じたりすることもあって、症状は一様ではない。
あるいは人間ドックで種々の検査をうけ、悪いところはない、心配なしといわれ喜んで帰宅途中、急死した例などを解剖したことがある。やはり心筋梗塞であった。
科学的検査を駆使しても、からだに潜む病態を予知することはむずかしい。
医者の診断と天気予報は、あてにするなという言葉さえあるほど、生態は複雑微妙なのである。
また腎《じん》炎《えん》を単なる風邪と誤診したり、気管支炎だといわれ、薬をもらってのんでいたが一向によくならず、別の病院へ行ったら肺結核で即入院だという話を聞いたことがある。
以前と違って今は、肺結核の患者が少ないので、レントゲン写真をみて結核と診断できる医師が少なくなっていることも事実である。
これらは、いずれも大事に至らずに治るから、とくに問題になることはない。
いちいち取り上げて罰していたら、医師のなり手はいなくなる。
その意味では、医師の誤診は処罰の対象になっていない。
重大な過失がある場合は別である。
眼科医が右と左を間違えて健康な目を手術したり、整形外科医がよい方のひざを手術したり、また子供のほしい患者に避妊手術をした婦人科医など、ここに取り上げるのもはばかるような不謹慎きわまりない話もある。

変死の現場にも誤診は多い。
自動車の中で運転手が死んでいた。頭部に小さい円形の刺《さし》創《きず》様の外傷があるだけなので、医師はキリのようなもので刺したと推定した。あとでわかったのだが、実はピストルで射殺をくりかえし、全国を逃げ回っていた手配中の犯人の仕業であった。銃創をみたことがなければ、キリによる刺創と判断するのも無理からぬことである。
ある団地の階段のおどり場に中年の女性が倒れていた。医師は転落事故死と診断したが、警察は、顔面のうっ血、溢《いつ》血《けつ》点《てん》は転落外傷では説明がつかない。頸《けい》部《ぶ》圧迫による窒息の可能性が強いと判断して、司法解剖したところ甲状軟骨が折れていて、絞殺であることがわかった。
年老いた父親が酒乱の息子に意見をしたところ、殴る蹴《け》るの暴行をうけ、父親はぐったりとなった。布団にねかせて往診をたのんだ。医師が来たときには死亡していたが、脳軟化症、病死と診断した。
通夜に集まった身内は不審に思い警察に通報。調査を依頼したところ数本の肋《ろつ》骨《こつ》骨折があった。こうなると監察医の判断で行う行政解剖ではなく、犯罪を前提とした検事指揮による司法解剖になるのである。
肋骨の骨折端が肺に刺さり、肺臓損傷による胸《きよう》腔《くう》内出血で死亡したことがわかった。息子は傷害致死で逮捕された。
医師は往診の際、死亡している死体を診て警察へ変死届もせず、安易に脳軟化症と診断したのである。また裸にして死体検案をしなかったので外傷に気付かなかったと語ったという。
これらは検死の現場における医師の誤診といえないこともない。
しかし、一般の医師は生きている人の診療が主であり、学生時代に法医学の講義を受けてはいるものの、実際に死体を診てのトレーニングはしていない。
その意味では、場数を踏んだ警察官の方がはるかに死体所見に詳しいのである。おかしな現象であるが、現状はそうなのである。
死体のある現場の状況などにとらわれず、死体をくまなく検索して、医学的事実を明らかにし、これをもとに状況などと組合せて、事件の真相を解明していかなければならない。
そのためには、先ず死体所見に精通した監察医あるいは法医学者が検死をすることが望ましい。
検死だけで死因がわからなければ、容易に解剖できる監察医制度やこれに類似の制度を確立しなければ、社会不安は除かれない。
検死の現場における誤診は、死者の人権をないがしろにし、社会不安をつのらせる。
死後も名医にかかれるような、制度づくりが必要なのである。
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