八
九月に入ると計画通り、妻子に生命保険をかけ、家屋にも保険をかけた。
あとは実行するだけである。とはいえ妻子を殺して放火するという大胆不敵な計画に犬山はためらいを感じ、おじけづいていた。
弱音をはく犬山にリサは再三金が入れば、二人でスナックを経営し豊かな生活ができる。私のためにもがんばってと激励していた。
しかし実行できぬまま十二月に入った。
リサは犬山を男らしくない。優柔不断だ。こんな男性とは思わなかった。出来ないなら今までの話は全部ないことにして別れましょう。
「やっぱり、奥さんが好きなんだ」
といってリサは涙を流した。
はじめて見るリサの涙に、犬山は愛を感じた。そして決心へと心はかたまったのである。
あとは実行するだけである。とはいえ妻子を殺して放火するという大胆不敵な計画に犬山はためらいを感じ、おじけづいていた。
弱音をはく犬山にリサは再三金が入れば、二人でスナックを経営し豊かな生活ができる。私のためにもがんばってと激励していた。
しかし実行できぬまま十二月に入った。
リサは犬山を男らしくない。優柔不断だ。こんな男性とは思わなかった。出来ないなら今までの話は全部ないことにして別れましょう。
「やっぱり、奥さんが好きなんだ」
といってリサは涙を流した。
はじめて見るリサの涙に、犬山は愛を感じた。そして決心へと心はかたまったのである。