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死体は生きている43

时间: 2020-04-14    进入日语论坛
核心提示:スポットライト 私はこれまで機会ある毎に、変死者を検死する監察医制度を五大都市(東京、横浜、名古屋、大阪、神戸)にとどま
(单词翻译:双击或拖选)
スポットライト
 
 私はこれまで機会ある毎に、変死者を検死する監察医制度を五大都市(東京、横浜、名古屋、大阪、神戸)にとどまらず、全国的に普及しなければならないことを力説してきた。
東京都の監察医を三十年間やってきたが、平成元年八月に退職した。
これを記念して、自からの体験談を通しこの制度の必要性と全国的普及を願って『死体は語る』(時事通信社)を上《じよう》梓《し》した。
その甲《か》斐《い》あってか、全国の読者からこのような制度のあることをはじめて知った、自らを語ることなく突然死した人々の、生前の人権を守るという立派な制度が、全国的になっていないというのは、おかしいとの手紙や電話を沢山頂《ちよう》戴《だい》した。ありがたかった。

田舎で長男の家族と老父が暮らしていた。
父が急逝したので帰るよう東京在住の次男に連絡があった。妹にも知らせて二人は急いで帰省したが、父は納棺され、葬儀の段どり、遺産相続の書類なども用意され、自分達の印鑑を押すばかりになっていた。
仕事の関係もあって、葬儀をすませるなり、すぐ東京に戻ってしまったが、今考えれば一年前のあのとき、父は脳出血、病死ということになっていたが、もしかすると兄嫁がたくらんだ殺しかも知れない。
そういえば、裏庭で父は倒れた。
居合せた兄嫁が発見して座敷にねかせ、すぐ兄に知らせたが、一時間後兄が急ぎかけつけたときには、父は既に死んでいた。
なにかにつけ手回しの早いことを考えると、兄嫁はあやしいと弟妹はいう。
警察の検視もなく、病死の死亡診断書で葬儀は行われた。
監察医制度のある東京では、変死扱いになり、警察の捜査があった後、監察医が検死をする。それだけで死因がわからなければ行政解剖をして、真相を解明してくれる。身内の人々が抱いている不審、不安をこの制度は取り除いてくれる。
過ぎ去ったことで、今更どうしようもないが、そのことが気になるのでという電話相談や手紙が実に多かった。
事実は次男らの思いすごしかも知れないが、そのわだかまりのために、兄弟の間はギクシャクしてしまう。
第三者の立場になってみれば、馬鹿げた話かも知れないが、疑われた兄嫁の方は、それならはっきりさせてもらいましょうということになる。
後日、このような不審、不安が出てくることは多々あるので、やはり死亡の時点で行政のレベルで容易に検死や解剖ができる制度の確立は必要なのである。
ところが、この変死(異状死体、不自然死)についての概念が漠然としているために、地域によって取り扱い方が必ずしも一定していない。
たとえば、臓器移植の際に問題になったことは、監察医制度のある地域では、交通事故や災害事故などの外因死(外力の作用で死亡したものをいう。病死は内因死である)は監察医による検死が行われた後でなければ、移植手術はできないので、時間がたちすぎて結局のところ臓器移植はできなくなってしまう。だから、この制度は移植の邪魔になっているという話を聞く。
しかし、これは全くの誤解であり、検死を必要とする変死の法律は、日本全国同一であり、監察医制度のないところでは、検死をしないでよいはずはないのである。
このようなことがいわれているところをみると、検死をしなければならない変死者が、みすごされうやむやに処理されている場合が、多々あるように思えてならない。
とくに外因死の場合は、医師は患者を診療しているから死因はわかるが、なぜその患者が致命的な外力を受けたのか、その原因について医師はわからない。
周囲のものが、災害事故だというのを聞いて医師が判断すべきものではない。そんなことがまかり通るのであれば、わが国の殺人事件は簡単に隠《いん》蔽《ぺい》されてしまうだろう。
やはり、このような死亡は医師法第二十一条にのっとり、医師が変死届をし、警察官の捜査によって病死なのか、あるいは自殺か他殺か災害死なのかを判断しなければ、ものいわずして突然死した人々の生前の人権は擁護できない。
警察官と医師の専門知識の相互協力によって、死者にまつわる不審、不安を取り除き、社会秩序を維持するのが、警察官の検視、医師の検死なのである。
これを制度化したものが、監察医制度である。
死体解剖保存法第八条に基づき、五大都市において施行されている。
わが国では東京都だけが、監察医務院という独立した庁舎(四階建て、地下一階)をもち、専任監察医十名、非常勤監察医二十名(大学の法医学教授、助教授などが多い)その他技術系、一般職員など五十名、計八十名のスタッフで、年中無休の体制でローテーションを組み、都内の変死(年間七千三百体、一日二十体)を扱っている。
司法検視、司法解剖(殺人事件のような場合の犯罪死体を検事の指揮で行うものをいう)によらず、行政のレベルで検死ができ、死因がわからなければ、容易に解剖をすることができ、病死か犯罪死かあるいは自殺か災害死かなどを区別する。
一見非情に思われるかも知れないが、死者の生前の人権を行政のレベルで擁護する制度である。
同時にデータは必ず生きている人に還元され、予防医学にまた衛生行政に役立っている。
戦後わが国にこの制度が導入されたのは、焼け野原となった東京での死因の殆《ほと》んどが、餓死であったためである。
極度の食糧不足であったから、当然のように思えたが、占領国であるアメリカは、その死因に不審を抱き、日本はこのような変死者をどのような制度によって、死因の究明を行っているのかを調査した。
結果は、街の開業医による簡単な診察だけで、死亡診断書を発行していることがわかった。もちろん解剖はしていない。
そこで、アメリカで施行されている Medical Examiner System を導入し、監察医制度と命名して変死体の行政検死を確立したのである。
そのシステムによって、餓死したと思われた人々を検死、解剖したところ死因の殆んどは肺結核であった。
もちろん、栄養状態は悪いのだが、そのために餓死したのではなく、結核病巣が悪化しての死亡であった。
このように死因を究明し、事実を明らかにしていくこの制度は、充分に機能を発揮し、住民の健康を守り、衛生行政上また社会治安上にも不可欠のものとなっていった。
統計上、全死亡の十五%は検死の対象になる変死体である。
ものもいわずに突然死する、これら多くの人々の死をないがしろにしてはならない。
やはりこの制度は、全国的でなければならない。
そのための方法として、既存の監察医制度をいきなり導入するのは予算上からも無理があろう。
そこで、地方自治体に任された制度であるから、一件の検死や解剖にたとえば十万円の予算をつけるとすれば、一千万円で年間百件の変死体の死因究明が可能である。
わずか一千万円で、一県の治安は保たれるのである。
幸い一県一医大となっているので、医学部の法医学教室を足場にして、県と警察と医師会が協力し合えば、司法以外に行政のレベルで検死、解剖が容易に実施され、地域の人々に安心を与え、公衆衛生の向上に役立つのである。
是非、ここにスポットライトをあてて欲しいと切望してやまない。
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