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死体は語る15

时间: 2020-04-14    进入日语论坛
核心提示:不 信日本のニューリーダーといわれたある大物国会議員が、首つり自殺をした。しかし、自殺では世間体が悪いので病死にしようと
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不 信

日本のニューリーダーといわれたある大物国会議員が、首つり自殺をした。しかし、自殺では世間体が悪いので病死にしようと工作した事件は、あまりにも有名な話である。関係者の気持ちはわかるが、そのこと自体が大きな犯罪であるという認識が薄いように思われる。
死亡診断書は、社会的に医師を含めて、単に死亡の原因が記入されている書類ぐらいにしか理解されていないのだろう。ところが、そうではないのである。関係者は、虚偽の診断書を得るために、医師に頼み込んだ。それが虚偽私文書作成教唆罪となり、診断書を書いた医師は同作成罪、市役所の戸籍係にこの診断書を提出した秘書は同行使罪となったのである。
なぜならば、死亡診断書は医師が判断した死亡原因を記入するだけのものではない。これによって戸籍は抹消され、法的にも生きているすべての権利を失うことになり、遺体は火葬埋葬が許される。その他、死亡の種類が自殺か他殺か災害死かなどの区別(警察の捜査による)によって、生命保険や補償などの支払い額が違ってくるからである。また、死亡時間は遺産相続などと密接な関係があり、診断書の法的、社会的役割は大きい。
そこまで医師自身も理解していないのかも知れない。ともかく、医師と歯科医師しか交付できない死亡診断書。虚偽の記載など許されることではない。社会的にも医師という職業は信頼され、この業務を任されたのであろうから、それを裏切るような行為があってはならない。そんなことをしていると、医師全体の信頼を失うことになる。
 ある精神病院の入院患者が突然、行方不明となった。二日後、裏山で死亡しているのを関係者によって発見された。
病院側は、管理責任は免れないと思ってか、警察に変死届をせず尿毒症、病死という死亡診断書を発行した。
連絡を受けた家族が病院へ来て、このいきさつを知り、不満をぶちまけたため、警察ざたになった。院長は調べに対し、患者には尿毒症があったので、これが原因で裏山で心臓衰弱のため死亡したと判断したから、変死とは考えず警察には届けなかったと弁明した。
入院患者が病院を抜け出し、行方不明になること自体おかしなことである。さらに二日後、山の中で死亡しているのが発見され、何の不審も抱かずに病死として葬ったのでは、医師としてあまりにも勝手すぎるのではないだろうか。
たとえ病死にせよ、病院から裏山へ、そして死亡と、この過程を明らかにするためにも警察に捜査を依頼し、不安を取り除く努力をしなければ、もの言わずして死亡した患者の人権は無視されてしまうし、家族も納得しないであろう。
医師自身の過失責任を隠すために、そのような行動をとったとすれば、許せるものではない。
また別の事例であるが、選挙中運動員が通りがかりの酔っぱらいと口論けんかになり、暴行を加えて死なせてしまった。これが報道されては落選すると、成り行きを心配した市会議員候補の顔役は、知り合いの医師に頼み、脳出血、病死というニセの死亡診断書を作成してもらい密葬した。
選挙に当選したが後日、殺された身内が警察へ通報したため事件は発覚した。しかし、そのときには、遺体は火葬されて明確な証拠はなくなっていた。綿密な捜査の結果、間違いなく殺しであることがわかった。
殺人容疑のほかに証拠隠滅、虚偽私文書作成教唆、同作成、同行使、変死者密葬などで関係者は逮捕された。
犯人らに頼まれて、医師がニセの診断書を書いたがために、事件は隠蔽されそうになったのである。医師は仕方なしに虚偽の診断書を書いたにせよ、結果は殺人者の片棒をかついだことになる。
 チフス事件というのがあった。昭和三十九年秋から四十一年春にかけて、ある医師の行くところ腸チフスが集団的に発生し、数人の死亡者も出た。
事件のきっかけは──ある大学病院の内科の若い医師が教授からチフスをテーマに博士論文をまとめるよう言われた。戦後二十年、生活環境はととのい、医療の面でも抗生物質などの発見によって、感染症などは激減し、腸チフスの患者などはいなくなっていた。
数年後、同僚らは別のテーマであったため研究論文はまとまりかけていた。それにひきかえ自分は、データすら集まらず、研究は停滞したままであったから、焦りからジレンマに陥っていたのであろう。研究室で培養したチフス菌をカステラやバナナ、ミカン、乳酸飲料などに混入させて配り、腸チフスを集団的に発生させ、データを収集したのではないかと疑われたのである。
当然起訴されたが、この集団発生は被告人による人為的汚染であるのか、自然流行であるのかなど、医学裁判の難しさもあって、一審無罪、二審有罪、最高裁は二審の判断を認めて十六年ぶりに決着した。懲役六年、医師免許も取り消しになった。
それはともかく、病を治すべき医師が、なぜこのような事件をひき起こしたのか、考えてみる必要があろう。
医学は方法の学問である。肺炎双球菌に感染すると、咳《せき》が出て、熱が出て、息苦しくなる。こういう患者を診察したら肺炎と診断せよ。肺炎は感染の危険はあるが、治療には抗生物質が有効である、と教科書は教えている。
しかし、なぜ医師は感染の危険のある患者のそばへ行き、治療をしなければならないのか、その目的については一言も触れてはいない。医学書はそれでよくても、これを学ぶ学生がそれでよいとは思わない。
人として医師として、目的をしっかりつかんだ上で、医学という方法論を学ばねばならないと思う。
ある料理学校の卒業式には、卒業証書と一緒に学校から記念品として、出刃包丁が贈られるという。出刃包丁は家族のために栄養のあるおいしい料理をつくるためのものである。しかし、使い方によっては、人を殺す凶器にもなる。
題名は忘れたが、少年のころ読んだ小説の一節を思い出す。
「心正しからざれば、剣また正しからず」
まさに、その通りである。原子エネルギーも例外ではない。人間の叡知《えいち》は実にすばらしい。学問をすることによって、原子エネルギーを開発することができた。しかし、これが最初に使われたのは爆弾という形で、人類滅亡の方向に使われてしまった。これでよかったのだろうか。科学者は、そのために研究してきたのであろうか。いや、そうではないはずである。
学問は人類に貢献し、人間生活を豊かにするためのものであろう。この巨大なエネルギーの利用法はいくらでもある。科学をするものは、それ以前の人間の問題として確固たる信念に基づいて立派な目的、哲学をもっていないと、大きく道を誤る危険があると思うのである。
最近はとくに、人間の生命観にかかわるような問題が次々と具体化してきている。脳死と臓器移植の問題をはじめ、体外受精、遺伝子組み替えなど科学の発展はすさまじい。しかし、理論が先行して人間不在の学問になってはならないと思うのである。ここに取り上げた事例は、いずれも医師が、その職権を利用して悪事を働いたものである。
このような行為は、警察官が盗みをするのと同じことで、社会的信頼を裏切り、職業に対する不信を買うことになる。
「心正しからざれば、剣また正しからず」
私の好きな言葉である。
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