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死体は語る22

时间: 2020-04-14    进入日语论坛
核心提示:医学と法律悪魔を追い払うと病は治ると信じられていた時代には、祈祷《きとう》がなによりの治療であった。現代では科学的に病態
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医学と法律

悪魔を追い払うと病は治ると信じられていた時代には、祈祷《きとう》がなによりの治療であった。現代では科学的に病態が解明され、医学的に精度の高い治療がなされるようになっている。しかし、これと並行して、神や仏に回復を祈願しようとする気持ちは、今も変わりはない。
昭和三十二年のことである。発狂した少女の体にタヌキがいると、祈祷師が線香護摩《ごま》八百束を三時間にわたってたき、祈祷した。縛られて祭壇に置かれた少女は、熱気で摂氏四十度にも及び死亡した。
この事件は憲法第二〇条、信教の自由で許されるか、遺棄罪かで論議されたが、最高裁は行為は反社会的で、信仰の自由は犯罪を構成するような宗教活動まで許していないと判断し、傷害致死罪を適用した。病を治そうとしてやったのであろうが、医療とは程遠い出来事であった。
戦後、性風俗が乱れ、東京に男娼《だんしよう》が横行したころ(昭和三十六年)の話である。彼らの中には睾丸、陰茎を切除して女性のように形成手術をしたものがいた。このような手術は医療とは言えないとされ、わが国では医師法違反になることが明らかとなった。
そのときのやりとりが面白い。病気を治したいから医者にかかるのと同じで、女になりたいという強い願望のために手術をしたので、この手術は違法ではないと反論していたのである。
俗にフタナリ(真性半陰陽)の場合は、両性を持っているので、本人の希望により、睾丸を除去すれば女性になり、卵巣を除去すれば男性になれる。しかしそれと違って、奇形でも何でもない健康な男性の体から、睾丸などを除去し、あたかも女性のように形成するのは、たとえ本人の希望であっても、わが国は医療とみなさないのである。
ところが、法律で禁じられても、希望者は遠く海外に飛び、手術可能な国で形成してくる始末である。法律そのものではなく、法の精神が理解され、生かされなければならないのにと、歯がゆく思うのである。
 昭和五十五年、赤坂で、失恋した女がガス自殺をした。遺書もあり、「彼は、私を捨ててほかの女と結婚してしまった」という、いわばありきたりの失恋自殺であった。
一酸化炭素中毒特有の鮮紅色の死斑が出現し、死因は明らかであった。検死を終え、いざ死体検案調書(臨床医のカルテに相当する)を作成しようと死者の住所、氏名などを立会官から聞き、記載していたところ、名前は男なので、
「名前ですよ」
と念を押すと、立会官はニヤニヤしながら、
「先生、男なんです。とりあえず、何も言わずに先生に診ていただいた方が、面白いのではないかと思いましてね」
と、いたずらげに笑っている。
「ええ! 男なの!」
体つきはもちろんのこと、乳房、外陰部も女であり、爪には紅いマニキュアが塗られている。検死を仕直し、性別の確認をしなければならなくなった。監察医にとって、検死の仕直しとは恥ずかしい限りである。
乳房は豊かに隆起しているが、触ってみると皮下に合成樹脂でも入っているようで、不自然さが感じられた。外陰部の陰茎は切除され、陰毛の間に尿道口だけが開口している。陰のう内に睾丸はなく、その陰のうはあたかも大陰唇のように形成され、一見女性にしか思えない様相であった。
「いやあー、参りました」
話には聞いていたが、実物を見るのは初めてである。見事に男が女に化けているが、医学的には睾丸も卵巣もないのだから、中性である。日本では手術はできないので、エジプトあたりに飛んで手術をしてくるらしい。赤坂界隈には、この手の女がだいぶいて、かなりの収入を得ているという。
日本もおかしな国になったものだと、嘆かわしくなった。オシッコをすると方向が定まらず、散水車のようになるのが唯一の欠点であると、古手の刑事のゼスチュアを交じえての説明に、一同は大笑いした。
それにしても、中性の人間が男にふられ、失恋するというのも不思議に思えたが、この人たちは精神的には女になりきっているというのが、正解なのかも知れない。
妙な気分になったが、賛成しがたい風潮である。手術可能な国の医師たちの考え方を、じかに聞いてみたいと思っている。
 昭和六十年に起きた、エホバの証人の輸血拒否事件も、医療の現場に大きな問題を提起した。交通事故で両下肢切断という重傷のため、十歳の少年には輸血と手術は不可欠の治療であった。
少年は生きたいと訴えたが、両親は宗教上の理由から輸血を拒否した。医師は輸血をすることができず、少年は死亡した。医療と宗教を区別し、医師はあくまで正当な治療としての輸血を強行すべきであったのか。宗教の自由に基づく患者側の意思を尊重すべきであったのか。
この場合、少年の意思が尊重されるのか、それとも両親の意思(親権)が優先されるのかなどの問題もある。しかし、医療の立場からすれば答えは一つである。なにがあろうとも、治療の限りを尽くし命を守るのが医師の使命である。
 話は変わるが、十歳の少年を道連れにした母子心中事件を検死したことがある。母の遺書と一緒に、子供の遺書もあった。
「お母さんと行きます」
とある。この遺書を正当に評価して、子にも自殺の意思ありとすれば、この事件は両人とも自殺の母子心中になるが、子は母の言いなりに書いたにすぎないとみなせば、子は母に殺された他殺といういわば無理心中になる。判断に迷ったが、私は後者を選んで事件を処理したことを覚えている。
このように医療の現場には、法律や宗教にからむ微妙な問題があるので、慎重に対応しなければならないと思っている。
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