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死体は語る47

时间: 2020-04-14    进入日语论坛
核心提示:文庫版あとがき『死体は語る』を上梓したのは、平成元年(一九八九)九月である。思いがけず大ヒットし、ロングセラーとなってい
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文庫版あとがき

『死体は語る』を上梓したのは、平成元年(一九八九)九月である。思いがけず大ヒットし、ロングセラーとなっていたが、十二年目の今年(二〇〇一)やっと文庫化することになった。
思えば昭和六十年(一九八五)の春、私が監察医務院長であったころ、時事通信社の「厚生福祉」担当の編集長、松田鈴夫氏の訪問を受けたのがはじまりである。役所の厚生福祉や保健など衛生行政に携わる方々が読まれる、週二回発行の情報誌に執筆して欲しいという話であった。専門が法医学であるから、二、三回は関連する話は書けるかも知れないが、それ以上は無理だとお断りをしたが、それにこだわることなく、監察医の視点で自由に書いてくれればよいというので、それならばいいたいことは山ほどあるので、引き受けることにした。月一回のペースで書くことになった。
こんなめずらしい事件がありましたというのは、新聞や週刊誌でよい。私は一つの事件を通して自分の考え方、生き方を書きたかった。それが読者の共感を呼んだのだろう。好評であった。
三年程経ったある日、今度は出版局の藤田昌司氏から、単行本として出版しないかという話が持ち込まれた。文章や文字数にこだわらず、監察医の仕事の紹介を兼ね、事件を通して先生の人生観をノンフィクションとしてまとめてみてはとすすめられた。
丁度、六十歳であった。
今までは好きな仕事として、法医学を監察医の立場でただがむしゃらにやってきた。しかし、一般の人々は監察医制度を、あまりにも知らなすぎる。死者の生前の人権を擁護し、社会秩序の維持に貢献している、この監察医制度を世にアピールするのも、自分の仕事であると常々思っていたから、話はすぐにまとまった。
当時、医師も六十歳定年であった。しかし監察医と保健所のドクターは、成り手が少なかったため、定年は六十五歳まで延長され、優遇されていた。しかし、監察医三十年、二万体もの検死・解剖を経験したし、院長も五年やらせてもらって、丁度六十歳だ。くぎりもよい。あと五年、欲張って勤めてしまっては、頭も体も回転がにぶくなって、ものを書くのはむずかしくなる。ここらで退職し、集大成のつもりでやってみるのもよいのではないか。そう考えて、ふんぎりをつけたのである。
今まで書いてきたものに、少し手を加えるだけの作業であった。
本のタイトルを私は初め「死者との対話」にしようと思っていた。ところが編集者の藤田さんは、それではインパクトが足りない、しかも「対話」は美濃部都知事によって、さんざんいいつくされた古い言葉で、新鮮味がないと言う。それでは藤田さん、あなたはどんなネーミングを考えているのかと尋ねると、「死体は語る」ですといったのである。
びっくりした。恐ろしい感じがする。そしてあまりにもダイレクトで、品がない。本棚に入れておいても、夜中に亡霊が出て来そうな不気味さがある。それじゃ読んでもらえない。私は即座に反対した。
藤田さんの説明はこうだった。数年前、丸谷才一さんが『たった一人の反乱』という本を書いた。ベストセラーになっていたから、私も知っていた。丸谷さんは当初『たった一人の反逆』とネーミングしていたが、編集会議で「反乱」に訂正されたというのである。日本語としては、一人で行うのは反逆であり、大勢でやるのが反乱である。それをあえて「たった一人の反乱」とおかしな日本語をつなぐと、見た人は、エッ!! と一瞬タイトルに釘づけになるだろう。それがインパクトだというのだ。
「死者との対話」もかなりのインパクトはあるにはあるが、「死体は語る」は、ものいわぬ死体が、ぶつぶつとなにかを喋り出す。その方がはるかにインパクトが強いと思いませんか。いわれてみれば、その通りである。説得力のある説明に感心し、私の考えたタイトルなどは、吹きとんでしまった。
これが売れるきっかけになった。藤田さんのすぐれたセンスのお蔭である。今は本の解説など、評論家としてご活躍中である。
 文庫化にあたり久し振りに読みかえしながら、当時を思い出した。
時代は変った。同時に人の心も大きく変ってきた。十年ひと昔、現職のころの事件は、被害者と加害者の人間関係が、金や異性の問題などでくずれ、犯人も苦しみぬいて殺人を決行したのである。
ところが現在は、犯人を捕えてみるとムカつく、キレたであり、車内で足を踏んだ踏まないとか、あるいは一度殺してみたかったなどと、動機にならない短絡的な感情がベースにあるようで、いとも簡単に殺人を犯しているのである。
手口も変ってきた。高額な保険金が絡んだり、あるいは巧妙な毒殺事件が多発し、これに伴ってバラバラに死体を分散遺棄するような事例が増えている。恐るべき時代になってきた。
しかし、これに対応する検視(検死)制度は旧態依然のままである。法医学の専門家が検死をし、死因がはっきりしない場合には、監察医制度のある五大都市は別として、容易に解剖することのできる制度にはなっていない。変死の概念がはっきりせず、変死届も出されたり、出されなかったりしている。だから事件が闇に葬られる可能性は高いのである。
全国的に監察医制度を導入することは、予算上からいっても無理であるが、一県一医大があり専門家がいて、解剖の設備も検査部門もととのっている。一変死体を検死・解剖したら三十万円の予算をつけるなどの行政処置を設定すれば、一県で年間五十体の変死事件があったとしても千五百万円の予算で、その県の秩序は保たれるのである。
一日も早く、このような態勢を確立することが望ましい。そんな願いを込めて私は、文筆活動を続けているのである。
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