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食味歳時記10

时间: 2020-04-20    进入日语论坛
核心提示:貝 類 な ぞ04 干蔵品の話ばかりでもあるまい。三月の声を聞けば、八百屋の店頭にも、木の芽が現われるだろう。私はそれを珍重
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貝 類 な ぞ04

 干蔵品の話ばかりでもあるまい。
三月の声を聞けば、八百屋の店頭にも、木の芽が現われるだろう。私はそれを珍重する。高級料理屋では、秋や年の暮から、あれを用いるが、初夏の松茸と同様、私は唾棄したくなる。普通の八百屋で売り始める頃がハシリで、ムリをしないで、季節の詩情を愉しめるのである。
季節外れをハシリとして喜ぶ悪傾向は、日本の都会だけではないらしい。いつか、東京の�マキシム�のチーフ・コックのフランス人と、対談したら、パリでも、冬の最中に、促成栽培のアスパラガスを出す料亭が現われ、客がそれを喜ぶといってた。そして、彼も眉をしかめながら、そのことを語った。
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