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食味歳時記13

时间: 2020-04-20    进入日语论坛
核心提示:春 爛 漫03 鯛という魚に、あまり美味を感じなくなったのは、いつ頃からだろうか。壮年の時は、まだ、鯛が好物だった。大正十
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春 爛 漫03

 鯛という魚に、あまり美味を感じなくなったのは、いつ頃からだろうか。
壮年の時は、まだ、鯛が好物だった。大正十年に、初めてフランスへ渡る時に、神戸の鯛専門の料理店へ、食べに行ったほどである。
その店は、もう無くなったようだが、湊川にあって、ちょっと変った店で、女中が、一切、お酌をせず、用のある時は、ドラを鳴らすというような、店風だった。関西の鯛はウマいと、聞いたので、非常に期待したのだが、鯛ずくめのコースで、しまいには、飽きてしまった。その時から、鯛が鼻についたのだろうか。
でも、戦前に、長崎へ行って、鯛のカブト蒸しを、食わされた時には、これはウマいと、感嘆した記憶がある。
だから、私が鯛に辟易し始めたのは、老年に達してからだろう。鯛の肉は、密度が高く、腹が張って、困るのである。そして、そのわりに、大味(小魚に比し)で、苦労して食べるほどでないと、考えるのである。
瀬戸内海産の浜焼なぞ、よく貰うが、ウマいと思うのは、最初の一箸に過ぎない。また、一昨年の春に、阿波の鳴門へ行ったが、鳴門でも、徳島でも、季節だから、鯛ばかり食わされた。ことに鳴門では、渦潮を見下す料亭で、本物というのを、食べさせられたが、やはり鯛ずくめの献立てで、閉口した。
といって、鯛が嫌いになったのではない。少量の鯛なら、美味を感じる。また、身の部分でも、頬の肉はウマいし、眼玉も、皮も、鯛の子も、好きである。ただ、普通の肉のところに、魅力を感じなくなったのである。
そんなわけで、鯛の料理で、一番好きなのは、潮《うしお》椀である。頭部を、材料にするからだろう。一片の木の芽を浮かした潮椀は、春の宵の食事として、最適である。ところが、案外に、ウマい潮椀にありつくことは、少いのである。料理屋のそれは、見た眼はキレイだが、海洋の気を感じさせず、家庭料理では、とかく汁が濁って、シツコクなりがちである。あれは、見かけによらず、厄介な料理かも知れない。
そこへいくと、鯛のアラ煮の方は、奥さまがたでも、ずいぶん上手な人がいる。どうも、鯛という魚は、骨に附着した部分ほど、味がいいらしい。そして、私は鯛のアラ煮を食う度に、まったく同型のフランス料理、ラパン・ソーテとか、ヴォー・ソーテを連想する。前者は兎、後者は犢《こうし》だが、骨つきの肉をブツ切りにして、ブドー酒や香辛料で、煮込むのである。共に惣菜料理で、高級料亭のメニユにないが、あんなウマいものはない。そして、鯛のアラ煮も、繩のれん風の店で、ハバをきかす。鯛専門料理店なぞでは、出てこない。
しかし、鯛は何といっても、美しい魚である。小振りの大鯛の姿は、色といい、形といい、まったく見事で、鮎と列んで、日本の魚の双美人だろう。老人の私が、美人の肉をもてあますのも、故なしとしない。
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