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食味歳時記45

时间: 2020-04-20    进入日语论坛
核心提示:醤  油02 日本の美点を、私はフランスで知ることが多かったが、醤油のウマさも、その一つだった。醤油とは、よほどウマいもん
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醤  油02

 日本の美点を、私はフランスで知ることが多かったが、醤油のウマさも、その一つだった。
醤油とは、よほどウマいもんではないかと、発見したのである。そして、故国に於ける醤油の濫費を、嘆く気持になったのである。
醤油の濫費の一例は、東京風の煮魚だろう。醤油に酒と砂糖をブチ込んで、サッと煮たのが、われわれが食べ慣れた煮魚だった。関西の人から見ると、野蛮な料理法にちがいない。関西出身の森本薫という劇作家は、そのような煮魚も、それから、ソバ屋のカケや種ものの汁も、気味が悪くて、食べれないといってた。彼は神経質で、関西の薄口醤油に慣れてるから、東京の醤油の黒い色に、堪えられなかったのだろう。
関東の醤油は色の濃いのが特色だが、それにしても、東京風の煮魚や、ソバの汁は、明らかに醤油過多であって、濫費といえるのである。もっとも、私は一概にそれらを、マズいものとは思ってない。その野蛮さに、味がないことはない。釣魚の料理なんて、生醤油で、獲れた魚を、船頭が煮てくれるが、決して、マズいものではない。また、ソバ屋のツユにしても、東京の客は、あれを飲まないことになっている。とはいっても、醤油の濫費という点になれば、一言もない。実際、東京人は醤油の使い方が、デタラメである。近来は、その上に、砂糖の濫費が始まったから、恐るべきことになってしまった。ことに、野菜は薄味でないと、自然の味を壊してしまうのに、わざと甘露煮のようなものをつくって、喜んでる。東京の惣菜料理は、もう野趣の面白さを失い、森本薫でなくても、その毒々しさに、面を背けさせることになった。
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