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食味歳時記68

时间: 2020-04-20    进入日语论坛
核心提示:サラダの水切り戦後、日本人はずいぶん生野菜を、食べるようになったと思う。もっとも、漬け物というものは、古来食ってるので、
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サラダの水切り

戦後、日本人はずいぶん生野菜を、食べるようになったと思う。もっとも、漬け物というものは、古来食ってるので、生野菜を食わないわけではなかったのだが、それではいけないらしい。レタスや、トマト、胡瓜なぞと、フレンチ・ドレッシングで食うことが、生野菜を食うということになるらしい。それでも、漬け物の方はやめたかというと、やっぱり、それはそれで食うらしい。だから、そういう人たちは、西洋人の倍ぐらい、生野菜を食うわけで、きっと、体にいいだろう。
それにしても、サラダを食う以上、衛生上の目的のみならず、味覚も満足させなければならない。どうせ食うなら、ウマい方がいい。その点、日本の主婦たちは、少し冷淡ではないかと思う。
サラダ菜を食膳に上せる前に、日本人のことだから、清潔な水で、よく洗うのは、結構だけれど、金属製のカゴとか、日本のザルとか、そんなものに列べただけで、水切りをやってる。
あんなことは、フランス人の主婦にとって、気色が悪くて、我慢できないだろう。彼女らは、徹底的に、水切りさせるのである。サラダカゴに菜を入れたまま、片手で押え、片手で大きな弧をえがく運動をして、水を振り切る。まるでテニスの球を打ち返すぐらいの運動を、何度かくりかえす。それでも、カゴの中をよく見て、少しでも、水気が残ってると、また、運動を始める。
なぜんあんなに神経質に、水気を嫌うのか、私にはわからなかった。フランス人は日本人ほど、潔癖ではないのに、サラダの水切りに限って、そんなことをするのである。
しかし、やがて、わかった。サラダ菜が水っぽいと、マズいという理由に過ぎなかった。少しでも、ものをウマく食おうとする、フランス人の根性なのだろう。水気が残ってれば、サラダ菜の味も、フレンチ・ドレッシングの味も、落ちるというのである。
もっともフランス人は、よくサラダを食う。必ず食うのは、晩食の時である。フランス人は、手のかかった料理は、午食の時だけで、夜食は、スープ、卵料理、そして、サラダである。後は、チーズぐらい。だから、夜食のサラダは、重要な皿である。
しかし、サラダ菜といっても、レタスに限らない。ロメーヌとか、シコレとか、いろいろ種類がある。日本でビフテキの添え野菜にするクレッソンなぞも、単独にあれだけのサラダにする。
フランスのサラダ菜は、たしかにウマい。菜の味もいいが、ドレッシングの味がいい。サラダ油にオリーブを使うからではないか。フランスの家庭は倹約をするが、サラダ油はフンパツして、オリーブを使う家が多い。南仏やイタリーから、オリーブ油が入ってくるからだろう。アメリカの棉油なぞを使うのは、安レストオランあたりだろう。
それにしても、サラダの水切りは、よくやるに越したことはない。
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