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ユーモアの鎖国11

时间: 2020-04-24    进入日语论坛
核心提示:朝のあかり夜がきたら、たとえ二つの部屋の片方に家族が集まっていても、あいているもうひとつの部屋を同じように明るくしておき
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朝のあかり

夜がきたら、たとえ二つの部屋の片方に家族が集まっていても、あいているもうひとつの部屋を同じように明るくしておきたい。台所も手洗いも、みんな電気をつけておきたい、私は明るさの持つ静かなにぎわいが好きだから。
けれど二人の家族はこの考えに批判的である。いらないあかりをつけておくのはもったいない、という。それで、私が外から帰ってくると、人のいる所だけが明るくなっている。私はハンドバッグを持ったまま、ついてない電灯のスイッチを入れる。ねえ、ふすまひとつへだてた隣りがくらがりに沈んでいるより、明るい方が何となくゆたかでしょうに? でもそれは無駄なことだという。
電灯が宝石のように高価だったら私だって手が出ない。さいわい電気代くらいなら狭い家のこと、全部一晩中つけておいても給料でまかなえるだろう。
ついでながら宝石と電灯が同じ値段で、生活の中でどちらかひとつ選べ、と言われたら私は電灯が欲しい。どうして人は宝石を買ってあかりを節約するのかしら、などとへんな理屈をこねてみるものの、皆が寝静まった頃、私の部屋のあかりだけがカンカンしていて「またゆうべもつけっ放しだった」と責められるのは、あまりバツの良いものではない「もったいない!」
それが度重なった日、私は自分のひけ目から強盗のように居直ってしまった。「もったいないですって?」一日働いてくたぶれて、あれもこれもしようと思いながら、思い果たさず消し忘れた電灯。「デンキぐらい、なんの楽しみもない私の道楽なのに」と泣き落した。
とにかく月給を運んでくる者に、たったひとつの道楽とまで言われては、家人にはもう返す言葉もなかったのだろう。以後、日曜日の朝、八時が九時になろうと、頭上の灯りは誰からも消してもらえなくなり、わずか一〇〇ワットで、私の主張は周囲の明るさから取り残されることになってしまった。
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