「からだのために、と思ってせっせと食べさせた魚が毒だったなんて——」水俣病の家族のことばが耳をはなれません。
私はまずしい家族に何もして上げられない。みんな苦労ばかりしている。せめて財布の許す限り、おいしいものを買って上げたい、と働いては求めるわずかな食糧。自分が食べなくても上げる、そんな気持ちのよしあし。
このごろは、ふと買い控えてしまうことが多くなりました。新聞を見ていると、母乳、お前までもか! と言いたくなります。
ケーキも、もち菓子も不安のかたまり。ときどき甘栗を買います。ガード下のいちばんちいさい店のが暖かかったりします。日本産でないから安心できる、なんて。あんまりです。