返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

ユーモアの鎖国23

时间: 2020-04-24    进入日语论坛
核心提示:信用けさは雨に打たれていた。プラスチック製もりそば容器とつゆ碗。丸の内のとある四ツ角。その舗道に立っている一本のプラタナ
(单词翻译:双击或拖选)
信用

けさは雨に打たれていた。
プラスチック製もりそば容器とつゆ碗。
丸の内のとある四ツ角。
その舗道に立っている一本のプラタナスは
からになった食器を根元に置いて
宮廷の門番以上に姿勢がいい。
そば屋が取りにきたら
挙手の礼をするかもしれない。
ビルディングの絶壁を背に
晴れさえすれば早朝から
しつらえられる二つの席。
前に立つ時すべての者が自分の足もとに目を落す貴賓席は
あいにくの雨でとり片付けられている。
戦後荒れ果てた東京駅前に
四十歳前後の婦人がふたり。
膝をそろえて坐った。
その日から二十余年。
街には高層建築がふえた。
二人のうちの一人が靴を磨くかっこうのまま
すっかり背がこごんでしまった。
靴磨き料金が少しずつ上がってきた。
が、
それらは歴史の変動にあまりかかわりを持たないだろう。
重大なのはごく最近
そばやが出前をはじめたことだ。
財産といったらほうきと座ぶとん
木箱一杯の商売道具。
店をしまえば跡かたもない
そのあたり
このあたり
百人千人通りすぎる道ばたに
「置いといてくれればいいです」
と出前持ちに言わせた。
老女たちの領域
領域のひそかな繁栄。
口笛吹いてそばやは通うだろう。
この客の前でそばやは卑屈にならないだろう。
仮にプラタナス国。
皇后の食器は今朝
雨に打たれハネをあげている。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%