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国盗り物語44

时间: 2020-05-25    进入日语论坛
核心提示:雑話 書斎の窓に、新緑がある。(もうこんな季節か)とおどろいている。この物語の稿をおこしてから、ちょうど一年になるわけで
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雑話

 書斎の窓に、新緑がある。
(もうこんな季節か)
とおどろいている。この物語の稿をおこしてから、ちょうど一年になるわけである。
そうおもうと、にわかに膝《ひざ》がくずれてしまって、タバコを一服のみたくなった。
その休息ついでに、できれば、庄九郎をこの座に拉《らつ》し来たって、世間ばなしでもしてみたい。
 もっとも、庄九郎と一座すれば、茶のなかに毒でも混じられるかもしれぬことだ。
「なんといってもあんたは美濃の蝮《まむし》といわれた男だ」
と、作者は庄九郎をからかいつつ、警戒せねばならないところであろう。
「ちがう」
庄九郎は、にがい顔でいうにちがいない。
「わしは、人を毒で殺すような、陰湿なまねはしたことがない」
「なるほど、あんたの行為はいつも晴れている」
と私はいわねばなるまい。庄九郎的世界というのは、かれ自身が、自分の行為が美であり善であると信じているところから出ているようである。
「前半期のわしは革命家、後半期のわしは武将として見てもらいたい」
と庄九郎は要求するであろう。
なるほど、革命は、美と善を目標としている。すべての陰謀も暗殺も乗っ取りも、革命という革命家自身がもつ美的世界へたどりつく手段にすぎない。
革命家にとって、目的は手段を浄化する。
「ならぬ」
ということでも、やる。幕末の勤王家は、同時に盗賊でもあった。殺人犯でもあった。
しかしながら、かれらはその理想のためにその行為をみずから浄化し、その盗みを「攘《じょう》夷《い》御用」と称し、その殺人を「天誅《てんちゅう》」ととなえた。
庄九郎も、かわらない。
ただかれが日本の幕末や他国の革命家とちがう点は、その革命をひとりでやった点である。
集団ならば御用盗になり天誅になるところを、一人であるがために、その言葉の裏面である悪《あく》罵《ば》のみを一身に受けることになった。
「もっとも」
と庄九郎は、茶をのみながらいうにちがいない。
「その悪罵は、徳川時代の道学者がいっただけで、わしは同時代の者から悪罵はうけなかったよ」
読者は笑え。ここが、庄九郎的人間の特徴ともいうべきものである。庄九郎の同時代でも、人は「蝮」といってかげでは悪口をいったが、庄九郎の耳には入らない。人の悪口が、耳に入らないたち《・・》の人間なのである。すくなくとも、人が悪口をいっている、などとカンぐったり気にしたり神経を病んだりしないた《・》ち《・》の人間なのである。
だからこそ、気にしない。
見えざる人の悪罵をあれこれと気にやむような男なら、行動が萎《な》える。とても庄九郎のような野ぶとい行動はできない。この男の考え方、行動が竹でいえば孟宗竹《もうそうちく》のようにいかにもふとぶとしい《・・・・・・》のは、心の耳のぐあいが鈍感になっているからであろう。革命家という、旧秩序の否定者は、大なり小なり、こういう性格の男らしい。
 ところで雑談のついでに、この物語の前途を思いきって話してしまおう。
要するにこの物語は、かいこ《・・・》がまゆ《・・》をつくってやがて蛾《が》になってゆくように庄九郎が斎藤道三《どうさん》になってゆく物語だが、斎藤道三一代では国《くに》盗《と》りという大仕事はおわらない。道三の主題と方法は、ふたりの「弟子」にひきつがれる。
弟子というのは語弊があるかもしれないがどこからみてもあきらかに弟子だから、あえて弟子という。
道三が、娘をもつ。その娘の婿《むこ》になるのが織田信長である。信長と道三の交情というのは濃《こま》やかなもので、道三がもっている新時代へのあこがれ、独創性、権謀術数、経済政策、戦争の仕方など世を覆《くつがえ》してあたらしい世をつくってゆくすべてのものを、信長なりに吸収した。
さらに、道三には、妻に甥《おい》がいる。これが道三に私淑し、相弟子の信長とおなじようなものを吸収した。しかし吸収の仕方がちがっていた。信長は道三のもっている先例を無視した独創性を学んだが、このいま一人の弟子は、道三のもつ古典的教養にあこがれ、その色あいのなかで「道三学」を身につけた。この弟子が、明《あけ》智《ち》光秀である。
歴史は、劇的であるといっていい。
なぜならば、この相弟子がのちに主従となり、さらにのちには本能寺で相《あい》搏《う》つことになるのである。
本能寺の変は、道三の相弟子同士の戦いである。
南蛮文化を好み、ツバビロの帽子、マントという姿で都大路を馬上で往《ゆ》き、安《あ》土《づち》でオペラを観《み》たという信長は新しい物《もの》数寄《ずき》の、それとは正反対の教養をもち、連歌などを好んだ古典派の物数寄の明智光秀に殺された。
光秀は叛逆者《はんぎゃくしゃ》であるという。
いや、光秀にいわせればそうではなかったであろう。かれは「道三流の革命」を実践したにすぎなかったのである。
「ちょっと待った」
だから、この物語における後編は、この二人の相弟子の物語になるであろう。
と、物語のこの時点における庄九郎は、制止するにちがいない。なぜならば、話はまだかれが「斎藤道三」になっていないばかりか明智光秀はうまれたばかりであり、織田信長はまだうまれていない。
「まだまだそれは、さきのことだ」
と庄九郎はいう。そのとおりである。
いま、庄九郎は、京の山崎屋に身をひそめ、一種の亡命生活を送っている。
前章では、白雲和尚《おしょう》という長井藤左衛門の遺児が忍んできて、庄九郎を討とうとした。
襲われてあやうくこの物語の主人公は落命しかけたが、ようやく白雲和尚を取りおさえた。
そこへ。
美濃から変事の報《し》らせが入ったはずだ。変事とは、美濃へ、隣国の尾張の強豪織田信秀が攻め入って連戦連勝の戦闘をつづけている、という。
尾張の信秀、つまり、織田信長の父親である。まだ物語は、そこにいる。
さて、読者諸兄諸姉。
さらにもう一服、茶を喫して、作者の雑談をきかれたい。
この尾張の信秀という男についてである。
べつに名門の出ではない。
尾張には、美濃における土岐《とき》氏のような代々の守護職がある。斯波《しば》氏である。この国では、
「武《ぶ》衛《えい》様」
とよばれて尊崇されていた。その武衛様もいまはあってないような存在になっている。
道三に殺された美濃守護代(小守護)長井藤左衛門にあたるのが、尾張守護代織田氏である。が信秀・信長の「織田」はそれでもない。
その「守護代織田」は室町《むろまち》末期に二つにわかれ、尾張清洲城《きよすじょう》にいる織田と同岩倉にいる織田とが勢力をきそいあった。その「清洲織田氏」の家来の織田が、信長の父の信秀である。守護職斯波氏からみれば三段下の陪臣《ばいしん》である。
信秀は、馬鹿《ばか》ではない。ゆるみきっている尾張一国をながめて、
「われこそが自在に斬《き》りとり、やがては近国をあわせ、天下にも旗を樹《た》つべし」
と野望をおこした。
庄九郎とおなじ「下剋上《げこくじょう》」というやりかたである。織田信秀は、さいわい、稀有《けう》ともいうべき軍事・謀略の才にめぐまれており、慾望、体力の点でも、その死の四十二歳のときに男女十九人という子を作っていたというほどのすさまじさである。
いわば、
「悪党」
であった。月並にいえば、英雄といえるであろう。
それが、あらゆる手をつくして親族をたおし、本家を追い、主家を攻めて、いまでは尾張半国の事実上の支配者になっている。
挿《そう》話《わ》がある。
庄九郎のいまの時点、つまり享禄《きょうろく》年間のことである。
尾張名古屋(那古屋)城の城主は、今川氏《うじ》豊《とよ》で、織田信秀とは年来、趣味の連歌を通して文雅の友であった。京の連歌師宗牧《そうぼく》が織田・今川のあいだをゆききしたりしているから、交情はこまやかだったのであろう。
今川氏豊というのは、尾張の国中に城をもっているものの、もとをただすと駿河《するが》・遠江《とおとうみ》の守護職今川氏の支族で、古い名門の出だから、人柄《ひとがら》はどこかまるい。
「当世、ともに文雅を語ることができる相手は、弾正忠《だんじょうのちゅう》(信秀)殿ぐらいのものでござる」
と二なく、大事にしている。
ところが戦乱の世で、たがいに一城のあるじでは共に会って語ることができず、手紙でやりとりし、連歌も手紙の交換で作りあっている。
が、今川氏豊は辛抱ができかねた。
「まどろおしき《・・・・・・》ことではござらぬか」
と、あるとき手紙をやった。
「一夜なりとも相会い、連歌など詠《よ》みあい、杯をもかわし、心ゆくまで語りあいたいものでござる。いかがであろう、歓待しますゆえ、わが名古屋城にお越しねがえまいか」
「望むところでござる」
と、織田信秀も感激した返信を送り、やがて日を打ちあわせ、家来わずかを連れて、信秀の居城勝幡城《しょうばたじょう》を出た。
信秀は名古屋城の客となり、家来は城下の武家屋敷に逗留《とうりゅう》させた。
今川氏豊は、信秀にいたれり尽くせりの接待をした。
ふたりは、連歌を興行し、酒をのみ、語りあって飽くことを知らない。
ある日、突如、織田信秀は病気になった。腹がえぐられるように痛く、七転八倒するほどにくるしみだした。
「いかがなされた」
と今川氏豊はおどろき、侍医に診させ、薬をもあたえたが、なおらない。
ばかりか、いよいよひどくなってゆくようである。
「これは、もはや」
と、織田信秀はいった。
「死病かもしれませぬ。この若さで思い残すことは多うござるが、定命《じょうみょう》が尽きたのでありましょう」
「なにを気弱なことを申される」
と、今川氏豊は声をはげまし、この雅友を叱《しか》りつけた。が、叱りながらも(信秀が死ねば、子はまだ幼い。勝幡城織田は、弱体化し、ついにはわがものになるか)と思わなかった、とはいえない。
信秀は、善美を尽した客殿で、侍女と医師に看《み》まもられながら、臥《ふ》せている。
「おねがいがござる」
と信秀はいった。
「万が一を考え、遺言などを申しおきとうござる。お手数ではありますが、城下に逗留しております家来どもを枕《まくら》もとにおよびねがえませぬか」
「ご遺言などは不吉」
と今川氏豊は眉《まゆ》をひそめたが、信秀の申し出がもっともであるので、使いをやって織田家の家来をよんだ。
家来が、城内に入った。
その夜、病人であったはずの信秀がにわかに立ち、家来を指揮して城内に火を放ち、火の中を荒れくるい、手あたり次第に今川の宿《との》直《い》を斬り、
「今川氏豊、見参《げんざん》」
とわめきまわり、追いまわしてとうとう一夜のうちに名古屋城をぶん捕ってしまった。氏豊は命からがら、城をすてて逃げている。
「信秀とはそういう男だ」
ということは、いま京の山崎屋にいる庄九郎はほぼ知っている。
——尾張の織田が、美濃の国境を攻め犯している。
との耳次の急報をきいたとき、まず頭にうかんだのは、尾張の狼《おおかみ》ともいうべき織田信秀のことであった。
(若僧、やるわい)
とおもった。「蝮」の庄九郎からみれば、織田信秀は「狼」としてひとに怖《おそ》れられているとはいえどこか幼いようにみえて仕方がない。
ただ、筆者はいう。
このとき、信秀はまだ、尾張一国の兵を動かすほどの実力者にはなっておらず、形式的には旧勢力の部将という形で美濃へ押しこんできたにちがいない。
この急報をきいた庄九郎は、すぐ廊下を渡った。
夜は、すでに明けている。
「雨は?」
と、中壺《なかつぼ》から見あげて空模様をみた。
なお細雨が降りつづいているが、午後にはやむであろう。
(雨のなかを、発《た》つか)
庄九郎は、廊下を歩いた。

歩いて、足をとめた。
左手に、部屋がある。
昨夜、忍び込んだ白雲法師をこの部屋にほうりこんである。
からりと障子をあけ、後ろ手で閉めた。
「気がついたかね」
と、庄九郎は笑った。
ふとんの上に手足を縛られたまま、ながながと寝ているのは、白雲法師である。
ぎょっと嶮悪《けんあく》な顔を、庄九郎にむけた。
「殺せ」
と叫び、あとは唇《くちびる》を噛《か》んだ。
「白雲。——」
庄九郎はいった。
「親の仇《かたき》などと、鎌倉《かまくら》の世ではあるまいし古風な真似《まね》をするな。いやさ、討つならば討ってもよし。いつでもわしは相手になってやるわい」
「殺せ」
と、白雲はわめいた。庄九郎は耳をかさず、
「死ぬならば、戦場で死ね」
「戦場?」
白雲は、疑わしそうに庄九郎をみた。
「戦場とは?」
「美濃の国境いが、いま戦場になっている」
「なんのことだ」
「——聞け」
庄九郎は、耳次が伝えた戦況のあらましを告げ、
「よいか、美濃勢が、負けつづけている。なぜならば下知《げち》する将領《しょうりょう》がおらぬからだ」
「将領を、おのれが殺した」
と白雲はいった。亡父の小守護長井藤左衛門のことをいっているのである。
(うふっ、藤左衛門に将器があるかよ)
という表情で庄九郎は笑い、
「白雲、命はたすけてやる。美濃をすくうために、おれとともに征《ゆ》け」
といい、短刀を出して縄《なわ》を切った。
白雲は、茫然《ぼうぜん》としている。
「殺さぬのか」
「そう、殺さぬ。美濃のために生かしておくべき男だとわしは思った。とりあえず、わしとともに美濃へ急行し、帰るやただちに兵を指揮して尾張兵を追いはらおう」
「仇め、懐柔されぬぞ」
とふてぶてしくあぐらをかいたが、眼の光りはだいぶ弱っている。庄九郎という男について、この白雲は憎《ぞう》悪《お》以外の関心をもちはじめたらしい。
「たれが懐柔すると申した。するくらいのことなら、手間ひま《・・》をかけずに、いま殺しているわい」
と庄九郎はいう。さらに、
「いつなりとも、殺したければわしに仕掛けて来い。ただ、いまは美濃が亡《ほろ》びようとしている。それを救うために征こうというのだ。わしの軍配がなくては、美濃はほろびる。ただ、この戦さには手足がほしい。おのれはわしの軍の一方の大将になるだけの器量と勇気がありそうだ」
「家来になれというのか」
「あっははは、白雲、器量のある者が大将になり、器量これに次ぐ者が副将になる。目的は合戦に勝てばよい」
(なるほど)
と白雲はおもったらしいが、思いかえしたように顔をけわしくし、
「しかし、仇は仇だぞ」
「おうさ」
庄九郎はうなずいた。
「いつでも来い。ただ、今は美濃へ急行することだけを考えよ」
その日の昼前、庄九郎と白雲は蓑笠《みのかさ》をかぶって山崎屋の軒下から馬に乗り、鞭《むち》をあげた。
京を去り、近江《おうみ》に入り、雨中の街道を前後して駈《か》けた。
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