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イブのおくれ毛10

时间: 2020-06-09    进入日语论坛
核心提示:子 宮 作 家「子宮作家という言葉をはじめて聞きましたが」とカモカのおっちゃんがいった。「これはどういう意味ですか」私には
(单词翻译:双击或拖选)
子 宮 作 家

「子宮作家という言葉をはじめて聞きましたが」
とカモカのおっちゃんがいった。
「これはどういう意味ですか」
私にはよくわからないが、つまり、女の性に焦点を当て、肉体と精神のからみ合いから人生の種々相を観照し、肉体のもつ原罪的な本質を追求して女の業《ごう》を表現する女流のことではないでしょうか。
「何いうとんのや、さっぱりわからん」
とおっちゃんはあたまをかしげ、
「きき手がわからんのは、いい手が自分でわかっとらんからですぞ。そうじて小説でも評論でも、よんでてようわからんのは、書いてる人間じたい、ようわかってないからです。おぼえとけ」
「いや、わかりませんか? おかしいなあ、つまり子宮は女にしかないト、だから女流作家といってもよい所であるが、その女という点を強調して子宮というコトバを使う」
「そういや、わかりました。つまり、女らしい、女くさい、女でないと書けんという作家なんですな」
おっちゃんは一人|がてん《ヽヽヽ》できめこみ、
「すると、子宮画家、というのもあるでしょうか?」
聞いたことはないが、あるかもしれない。
「子宮歌手はどうでっしゃろ」
これも聞かないようだ。美人歌手、ママさん歌手、というのはあるけれど。
「子宮女優もあるわけですな」
あるかしら? 女優はみな女(美輪明宏さんのような女優《ヽヽ》もあるが)を原則としているから、子宮女優はおかしい。とくに女であることを強調しようとすると、芸熱心ということになり、「体当り女優」なんていわれる。
「子宮学者、というのもきかんようですなあ」
おっちゃんは重々しくつぶやいた。当り前だろう。学者であるかぎりは、みな頭脳を使う。子宮は使わない。キュリー夫人も、学問の業績をあげたのは、頭脳であった。いくら女学者でも、キュリー夫人を子宮学者とはいえない。おっちゃんはいった。
「しかしキュリー夫人も、ラジウムの発見はともかく、子供を生むときは子宮を使う」
「そんなこと、誰もいうてえへん!」
「ふつうの女の人は、子宮を、子供を生むときにも、モノを考えるときにも使う」
「そうかなあ」
「してみると、いかにも子宮は象徴的です。しかし、男にはそれに相当するものが、ない」
そうかしらん。男にはシンボルがあるじゃありませんか。
「いや、あれは……」
とおっちゃんは考えこみつつ、
「たしかに、シンボルではありますが、そこを使いもし、そこでモノを考え、という、存在の一大根源、という感じがしない」
「といいますと……」
「女の人は、子宮をとりのけたら何もないというほど、人格まで押しつつんでいるような大きな意味がありますなあ。しかし男だと、シンボルがなくなっても、やっぱり、男ですなあ。——そやから、子宮作家に対抗する言葉がありません」
「シンボル作家はどうですか」
「いやに軽々しい。釣合がとれまへん」
「ゼツリン作家、精力作家、……」
「方向ちがいの感じ。むしろ、睾丸作家の方が、まだきまってます」
「へんな人!」
こんなこという人には、私は口もきいてやらないゾ。しかし、そういえばたしかにそんな感じもする。女流の、女らしい絢爛華麗な作風の人を子宮作家といってもピタッときまる感じであるが、男が、いかに体当りで取材し、男の性、男の業をケンラン豪華に描いてみせてくれたとて、その作家を、「シンボル作家」とはいいにくい。
「そうでっしゃろ?」
おっちゃんはわが意を得たごとく、
「シンボルが、子宮に対抗し得ぬのは、その位置にもよりますな。さよう、子宮はいかにも女の中心というところに鎮座してます。鎮座、というが、全く、中心も中心、扇のカナメのような、ここがはずれたらバラバラになると、そういう要塞にいて、あたりをにらみすえている。女の体も、女のあたまも、女のハートも支配するのです。地球は動くが、子宮は動かへん」
「そうかなあ」
「そうです。そこへくると、男のソレは少し、扇のカナメをはずれてます」
私は、そうは思えない、と思ったが、そんなモノのことを口に出してあげつらうのは淑女として恥ずかしかったので黙っていた。
「かつ、男のソレは、おもりのようになってます。おもりという奴は、これは分銅で、たえずうごく。うごいているようなもんが、全存在を象徴するような、重い意味をもちますか?」
私は、おもり、という言葉から本当に重たそうな気がして、あれこれ想像していたので返事できなかった。
「かつまた、女の子宮は骨盤の内ふかく内蔵されてるからこそ、威厳があるのです。男のソレは、ご承知のように外へ出てますから軽々しくたよりない、扇のカナメになれない」
「では、女の方がやはり生物として上等なんですね」
「男は扇のカナメは結局、あたまなんです。頭脳こそ、男のカナメですぞ」
「では、男の方が上等だというの!」
「いやいや。何をそう赤眼吊ってさわぐ」
おっちゃんは悠然と酒をあおっていった。
「あたまで考えるから上等、子宮で考えるから下等、ということはありえぬ。どちらが良し悪しもない。ただ、そうなってるだけのこと。ただ、そう作られてるというだけのこと」
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