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イブのおくれ毛20

时间: 2020-06-10    进入日语论坛
核心提示:単なる浮気男性の浮気が発覚すると、奥さんはたいてい半狂乱のごとくカッカする(ようである)。しばし修羅のちまたのいさかいあ
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単なる浮気

男性の浮気が発覚すると、奥さんはたいてい半狂乱のごとくカッカする(ようである)。しばし修羅のちまたのいさかいあって、トド大げんか、大立廻り、出るの引くの、別れろ切れろになり、ひどいときは切ったはったになったりする——そうして男の方は嘆息して、
「単なる浮気やないかいな、何も離婚してそんな女と一緒になるいうとらへん、何でもないのに目くじら立てるさかい、腹立ってまた浮気してしまう」
というが、そんな理屈は女には通らないだろう。そもそも「単なる浮気」という言葉さえおかしい。浮気に「単なる」をつけることはできない。たとえ二、三秒ぐらいの浮気でも、浮気というのは極悪非道の行ないである——とまあ、私も世の奥さんに同調してそう思っていた。しかし、このごろちょっと考えがかわってきたので、奥さんたちに報告する。
私は、このあいだある町に、講演にいってきた。私は講演はふつうしないが、そのときは都合で出ることになった。
兵庫県の山間部であるが、泊りがけでいった。神戸から日帰りできるが、雪でも降ると何時間も停滞して、講演の時間に間に合わぬおそれがある。
町はハタオリで有名なところで、その町の中のある部落がこんど公民館をたてた。そのお祝いの式典のあとで、私が講演をするということになったのだ。町じたいが金持であるが、ことにその部落は内福で、村だけの金で、都会にもめったにないような、瀟洒《しようしや》たるモダンな、公民館をたてていた。村の人たちは、それが大いに自慢のていであった。また、自慢してもよい、リッパなたてものである。
かつ、この村の人々がすてきなんだ。
館長も、式典委員も、大学の先生も、みな地許《じもと》の名士で、村のロータリークラブの会員である。彼らは公民館を立てて町民意識を振興し、郷土に文化のタネを播《ま》こうというのだ。そうしてその手はじめに「長風呂」以来の愛読者であるところから、一致して私をよぼうということになったのだ。
いってみると山また山の中に、その町はある。
「ぼたん鍋が食べられますね」
と私がいうと彼らはうち笑い、
「よっぽど、ここを田舎や思うとってやなあ。そんなん、もっと山奥へ入らんと食べられへん」
まわり、山また山の中で、そう聞くのは格別の風情である。出てきた料理は、ぴんぴんした魚ちり、かつ、活きた車海老の刺身まで供された。兵庫県というのは、ユカイなところである。
講演はよく晴れてあたたかい日ざしの入る会場で行なわれた。新築というものは快い。しかし私は満員の聴衆を見てハタと困惑したのである。なるべくたくさん収容しようというので、椅子をのけて新建材の床にうすべりを敷きつめ、各自持参の座蒲団に坐っているのはじいさんばあさんばかりである。
「整理券出したんですが、一戸に一枚、ということになると、やっぱり年寄りがそれを使いますので」
と紳士たちは弁解するごとくいい、しかしそれは当地の敬老精神のあらわれでありますから、結構なことと申さねばならぬ。しかし、どんな話をしていいのか、私がこまるのだ。ふと見ると、三つ四つの子が横で怪獣ごっこに興じており、会場のまん中では赤ん坊のおむつをかえている若い婦人もある。
座蒲団にちょこんと坐った善老男善老女はにこにこと私を見つめ、「長風呂」に類した話もいたしにくい。
かといって、硬い話もこの場にふさわしくあるまい。私の前はこけらおとしのこととて「寿三番叟」の日本舞踊があり、私のあとは手品である。
混乱している私を、館長は新品らしく性能のよいマイクで紹介し、
「田辺サンは『センチメンタル・チャリティ』という小説を書いた人である」
とのべ、だがこれも、どうということはないが、講演するとき、向うが座蒲団に坐っていられるのは、何か恰好つかぬものである。いっそこっちも、落語家のように、壇上で座蒲団をもってきて坐って、扇子を前においてる方が、しっくりするように思う。
それでも話し終ってお役目がすむとまことにホッとする。早く、お酒を飲もう。
しんしんと底びえして寒いので、「高徳《たかのり》」という地酒がおいしい。接待委員もよく飲む。
じいさんの紳士が、大学の先生に、
「教授と助教授はどっちが偉いねん」
ときいたりする。
先生は助教授である。
先生はまじめに、
「そら教授や。月給も多いしの」
と答え、みな、クセのない洒脱な人々である。私はこんな人たちが大好きである。
公民館の玄関には、設立趣意みたいなものが石に刻んである。それは、当村最高の文筆家である先生のものしたところである。当館は、われらの先祖からうけついだ土と親和力によって成った、という意味の名文である。私はとてもいい文章だと思う。そういうと先生も、
「そうや。ほんまによう、でけとってや。名文やと思う。何べんよんでも飽きんでの」
とうなずいた。四十代で、こんな素直なクセのない人はめずらしい。紳士の一人はそれは自分が考えた文句を、先生が結びつけて順序を按配しただけであるといった。先生は、その按配がむつかしいのだ、と答えていた。
紳士連が集まっているところではあり、かつみんな素直でクセがない人なので、私は、紳士のたのしみは何であろうかとたずねた。素直でクセのない人々は、素直にイロイロ答えてくれたが、やはり、婦人に関することがその筆頭を占めるようである。ある紳士はストリップをとなえ、ある紳士は海外でのアバンチュールをあげた。なかんずく、ある国の、ある町をあげて推奨した。推奨されても女の私はどうしようもないが。紳士はその推奨の理由を淡々とのべた。
「あのへんは客が少ないから、あんまり使うてないよって、いたんでない」
私はその言葉使いに驚倒した。つまり、男の浮気は、こういう感覚から起きるのだ。これは女には出ない言葉である。男が「|単なる《ヽヽヽ》」浮気と強調するはずである。
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