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イブのおくれ毛25

时间: 2020-06-10    进入日语论坛
核心提示:器用、不器用私とカモカのおっちゃんとで、酒を汲み交しつつ、男と女、どちらが器用か不器用かを論じていた。私は、男・不器用説
(单词翻译:双击或拖选)
器用、不器用

私とカモカのおっちゃんとで、酒を汲み交しつつ、男と女、どちらが器用か不器用かを論じていた。
私は、男・不器用説である(むろん)。
なぜああも、男の浮気は発覚しやすいのですか。
男のへそくりは見つかりやすく、男の弁解は見破られやすいのですか。
それは、男が正直だということもあるかもしれないけれど、いかにも「鈍《どん》くさい」印象を受ける。
世間的にはリッパな押出しで通っていて、人格識見ならびすぐれたオトナの、さむらいたる男が、家庭で、妻に見せる不器用さはもう想像もつかない。
浮気すると、うろうろそわそわする。子供を抱く手つき、妻を見る眼にもスグ変化があらわれてくる。妻の第六感にはピンとくる。
何か、おかしいなとすぐわかる。
秘密の証拠物件、また、へそくりなどの隠匿《いんとく》のしかたも、いかにも不器用である。あたま隠して尻かくさず、自分ではうまくしてやったつもりでいても、ナゼカすぐ見つかってしまう。
よく、本の中身を抜き出して、函《はこ》の中に秘密のモノを入れ、何喰わぬ顔で本立てに立てておくということをやるが、その際、函から抜き出した本をそのへんに転がしておくからすぐわかってしまう。
オヤ、なぜこの本は、函の中へ収めてないんだろう。この本、よんでるのかしら。いやいや、近頃、本など手にとって見たこともないはず。新聞と週刊誌しか、よんでないはずなのに。女は眼光|炯々《けいけい》と室内を見廻す。と、本立てに立てた、くだんの本の函がすこし列を乱している。あやしい。見るとやっぱり、中に見知らぬモノが入れてある。
机のひきだしもそう。きちんと閉まってたはずのひきだしがすこし開いている。それだけで、女はすぐ、ピンとくる。押入れの戸も同じ。額のゆがみ具合、物置きのたたずまい、異変は女にはタチマチわかる。無駄な抵抗は止めよ。女に掛ったらどんな策士も負けてしまう、とラクロはいうているが、女にいわせれば、男のそんな不器用さは気の毒なだけである。
私が男のチエで感心したのは、昔よんだ大仏次郎先生物するところの鞍馬天狗だけである。
この男はかしこい。われらの親愛なる鞍馬天狗氏は花を活けた花瓶の底にピストルをかくしていたのである。誰だって花瓶には水があると思うが、水が入ってなかったのだ。
そのくらいの気働きをする亭主は今どき居らぬとみえ、ともかく秘匿《ひとく》したものは必ず女房によって、ネズミの巣をつまみ出すごとくきたならしそうに引きずり出される。
第一、物を隠しに立つ時間も、長すぎてピンとくることがある。帰宅して、上衣をハンガーヘ掛けて、居間へ来るまでの時間が長すぎる。
何をしてるんだろう? と女はフト思う。いつもは、
「アー、腹へったへった」
とか何とかいいつつ、手をこすり合わせ、貧乏震いしてタッタカタッタカとやって来て、食卓の前に坐る男が、いつまでもゴソゴソとしている。
「どうしたのォ。おつゆさめるわよォ」
などと叫ぶと、
「ウ、ウン」
と男は驚いてとび上る気配。トイレの時間の長短も、男の靴音もみんな、異変はカンでわかっちゃう。男って気の毒。お見通しなのだ。
「そうかなあ」
何でも異をとなえるカモカのおっちゃんはいった。
「男から見ると、女は、こまかい所でカンがええかもしらんけど、大本《おおもと》の所では抜けとるなあ。——だいぶ前ですが、亭主の浮気を偵察しようと、亭主の運転する車のトランクにはいりこみ、排気ガスで死んだ女房《よめはん》があった」
「ええ、ニュースにありましたね」
「男にいわせると、そういうやり方はいかにも不器用、かつ、興信所を使うてその報告書をバンバン叩いてとっちめる女も不器用。夫婦げんかして、そんならとすぐ実家へ帰る女も無器用、そんなん、男が迎えにくるのを待っとるのかも知らんけど、男にもイロイロあって、女房《よめはん》が一たん帰ったら、断固、迎えにいかん、とつむじ曲げてしまう男もあるんですぞ。その見分けのつかん所が不器用。けんかの最中、亭主の職業をさげすんで『何さ、タカガ××のくせに!』と叫ぶのも不器用です、タカガ、といわれたら、どんなにおのが商売の気に入らん男でもカッとなる、そういうことがわからんのが、いかにも不器用でまことにお気の毒、というほかない」
「でも、手先の器用、不器用ではたしかに男の方が不器用です」
と私はやっきになっていった。
「女の子にいわせると、男はいつまでもノロノロして、さっと進行しないんだそうですよ」
「何を進行」
「つまり、デートの最中、手がモタモタして、女が心中、舌打ちしてんのに、見当はずれなとこばっかり探ってるということがあるかもしれません」
「見当はずれ」
おっちゃんは殊更らしくあたまをかしげ、
「それは何です、男がわるいのではない、当節、女の子なら猫も杓子も穿《は》くなるパンストというものがわるいのだ。スカートの下へ手を入れても、ツルンとしてすべって、いたくやりにくい」
何の話や。誰もパンストの事なんていわへん。
「仕方ないから、あちこち探る。どこもかしこもツルツルすべってアリの入りこむすきまもおまへん。どないなっとんねん、男はイライラする。それを不器用というのは酷《こく》です」
「おっちゃんは経験あるとみえますね」
「いやいや。そんなことより、僕にいわせれば、そのとき、そっと男に知られぬように、女が手伝うべきです。それをせずに、木偶《でく》のようにじっとして、心中舌打ちするだけの女の方がずーっと、不器用です」
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