日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

イブのおくれ毛43

时间: 2020-06-10    进入日语论坛
核心提示:男のヒステリーこのごろ男の人もけっこうヒステリックな人が多い。ヒステリーは、女の専売だと思っていたのに。私が何か書くと(
(单词翻译:双击或拖选)
男のヒステリー

このごろ男の人もけっこうヒステリックな人が多い。ヒステリーは、女の専売だと思っていたのに。
私が何か書くと(小説ではなく、新聞などのコラムである。私はこういう場では、わりにナマにかく)、男からヒステリックな投書がくる。
たとえば私は、刑法改正案は、現代の社会状勢を戦前の警察権力時代の思想でしばることで矛盾がある、と書いた。また、中絶について、いまの日本では、四、五人もの子供をらくに育てられる余裕を政府は与えてくれないし、独身の女が生みたいときに生める自由もないから、中絶やピル解禁は必要だとも書いた。——尤も、それより先行するのは安全な避妊法の発見であるし、もっと性教育を徹底しないといけないと書いた。
すると男の読者からごうごうたる非難、弾劾の手紙が舞いこんだ。
刑法改正は、日本を正すために必要だという。又、中絶は悪であり、罪であるという。この人たちは避妊と中絶の関係について何一つわかっていない。中でも多いのは感傷的道徳論である。ヒスとセンチを併有するのは、当今では、女よりも男たちの方になった。
尤もこちらも、そんな投書をよむと、何とおくれた男かと、イライラしてヒスをおこすから、これはいい勝負であろう。
カモカのおっちゃんは、中絶は女の考えるべき問題で、男は口出しでけまへん、といっている。するべきでもない、という。
刑法改正案については、これは若年中年の考えるべき問題で、年よりは口出ししたらあきまへん、といっている。戦前そのままの感覚で、今日び、通すことはむりなのだから。
「あまりヒステリーにならんように、刑法も大阪弁で書いたらよろしねん」
そんなことを考える所が、中年男の発想であろう。
「どうして一億、総ヒステリーになるんでしょ」
「僕、思うに、ゆっくりモノを食べへんからとちがいますか。早めし、早|糞《ぐそ》、早×××」
「フン」
「短い人生、そんなにいそいで何をする。その縮めた何秒かを何に使うねん。すべて、右の三つ、これを心のどやかにゆっくり、時間をたっぷりかけて致すと、社会全般ものびやかになる」
「そうかなあ」
「僕は近来、右の三つを心ゆくまで味わうために、ほかの仕事は、犠牲にすることにしました。そうでないと、何のために生きてんのや、わかれへん。——ゆっくり賞味して食べ、さてまた、たっぷり時間とってトイレにしゃがみ、心ゆくまで用を足す。水洗の紐を引っぱるまでに、じっくりとっくり、得心いくまでおのが戦果に見入るのです。色、ツヤ、太めか細めか、かためかやわらかめか……」
「もうけっこう」
「さてそのあと、またたっぷり時間をとってたのしむべきことが待っている。まちがっても早×××など、あってはならぬ」
私はいそいでおっちゃんの言葉をさえぎり、上品な、食べる話だけに限定して話題にのせることにした。
「このごろ、食べもの、脂こいものがだめになって、精進料理なんかが好きになっちゃった。おっちゃん、そんなことないですか?」
これは私だけではないとみえて、この間、神戸へ偶然、杉本苑子サンや津村節子サンが集まったので、私が、精進料理へ案内すると、二人はたいそう喜んでいた。二人とも、神戸ではごはんを食べるというと、肉が出ると思っていたそうだ。杉本サンなどは、清水の舞台からとびおりたつもりでビフテキを食べようと、悲壮な決意をしていたよし。これでも三人とも若いころはビフテキを喜んで食べたものなのに、そろって嗜好がかわったのはおかしい。
「いや、僕はべつに、肉でも淡泊《あつさり》したもんでもえらびまへん」
とおっちゃんはいった。
「食べものなら何でも。ただし一ばんええのは、荒っぽい料理を手づかみで食うこと。手で引き裂き、むしって食う肉や魚が、一ばんうまい」
「バイキングスタイルですね」
「そういえば、僕は女の料理が、だんだんきらいになる」
「へー。わるかったネー」
「おせいさんは別。しかし、男が荒っぽくぶったぎって入れる大まかな料理にあこがれる。たとえば、昔のテレビドラマの『ローハイド』にあった、ウイッシュボン爺さんがつくるポークビーンズやシチュー、はては、昔の鞍馬の僧兵なんかが、大釜でたく飯や汁、そんなものが美味《うま》そうに思えます。オシロイくさい、こざかしい料理は、あまり好かん」
「しかしね、お寺の食事ったって、昔の僧兵ならいざしらず、今はデリケートなもんなのよ。かつ、礼儀ただしく敬虔《けいけん》な食事作法があって、むしるの、引き裂くの、とそんな海賊ばりにはいきませんのよ」
過日、私は比叡山へのぼった。そうしてお山で一泊してお寺のごちそうを頂いた。食前観、食後観をおしえて頂く。これも仏縁あさからざるしるしであろう。
「吾今幸いに仏祖の加護と衆生《しゆじよう》の恩恵によってこの清き食を受く。つつしんで食の来由《らいゆう》をたずねて味の濃淡を問わず。その功徳《くどく》を念じて品の多少をえらばじ。いただきます」
「吾今、この清き食を終りて心ゆたかに力身に充つ。願わくばこの心身を捧げて己《おの》が業にいそしみ、誓って四恩に報い奉らん。ごちそうさま」
というのである。
まことに、食も一つの修行である。
「なるほど。それは食べることだけとちがいますなあ」
とおっちゃんは感じ入って叫んだ。
「女人とナニのときに、食前食後、そう唱えれば、身心|解脱《げだつ》して、大悟するのではないでしょうか。その功徳を念じて品の多少、味の濃淡をえらばじ、とつつしんで食べ、終ると心ゆたかに力身に充ち、四恩に報い奉らんと感謝する。よろしなあ」
おっちゃんがヒステリーになるはずなかろう。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%