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イブのおくれ毛48

时间: 2020-06-10    进入日语论坛
核心提示:男のいい恰好私の悪友たちは私をダシにして、いろんなワルイことを考えているのである。いわく、「おせいさんにシロクロを見せる
(单词翻译:双击或拖选)
男のいい恰好

私の悪友たちは私をダシにして、いろんなワルイことを考えているのである。いわく、「おせいさんにシロクロを見せる会」は、自分たちが見たいからであり、「おせいさんを離婚させよう会」は、離婚手記を代作して週刊誌に売りつけたいからである。「おせいさんをカモカのおっちゃんの毒牙から救う会」というのもあり、その会員たちときたら、ドラキュラよりすごい毒牙なのだから世話はない。
その他、私はいろんな会にも入っている。「大和地方皇居誘致期成同盟関西本部・神戸支部・荒川町分会」の会員でもある。尤も、会員は私一人なんだ。
しかし、皇居というものは、もはや東京にあるべきでない。皇統発祥の聖地、大和地方にもどるのが妥当である。
すでに王政復古スゴロクは「上りィ」というところまでいったのである。もういちど振出しにもどって一からはじめるべきとちがいますか。王朝千五百年の歴史を見ると、どうもそんな気がする,昭和敗戦で、第一回戦は終った感じ、かつ、東京におられるから、いちいち責任問題が出てきてややこしい。山|紫《むらさき》に、水きよき故地にいらっしゃれば、先祖のお墓も多いことだし、人情は敦厚《とんこう》、戦争で敗けた勝ったのたびに、うるさくいびられることもないんやないかしら。大和地方を振り出しに、再び何世紀かして奈良、京都、そして東京と、スゴロクの賽《さい》の目によって上っていらっしゃれば? そうして、役人や実業家は東京弁を用い、皇室はじめ、自由業、町人のたぐいは優雅なる関西弁を用いる、というふうにするのです。
そのほかの会としては、「小松左京サンと浪花ぶしを習う会」というのがある。これは結成しただけでまだ実行に至っていない。生徒の熱意はあるのだが、先生の引きうけ手があるかしらん?
そうそう、実は今回は浪花ぶしについての疑問を書くところであった。「皇居誘致期成同盟」運動に熱心のあまり、私はつい公器を利して宣伝することになって申しわけない。
何しろこの十年、会員はふえもせずへりもせず、私一人なんだ。私は会長であり、本部長であり支部長であり分会長であり、賛助会員なのである。よって、間がなすきがな、会員獲得を心がけている次第である。
ところで、浪花ぶしだが、小松チャンは大すき、私も中すき、せめて武門のたしなみとして、「乃木大将と納豆売り」とか「佐渡情話」の一ふしとか、唸《うな》れるようになりたいと思う。
私はわりあい、「あこがれの浪花ぶし」を聞くことが多いのだが、あれは結局「いい恰好」というのが、究極のテーマですね。
「次郎長伝」でも「赤穂義士」でも「国定忠治」でも「幡随院長兵衛」でもそうである。
みなひとの、かくあれかし、あらまほし、というような粋のきわみである。義理と人情の板挟みに苦悶する恰好がとてもいい。男の意気地、男伊|達《だて》、なんのこれしき、という痩せがまんや突っ張りが、やりたい放題やって意気地のない世相の中では、新鮮で、恰好いい。
「天野屋利兵衛は男でござる」なんてのもいい。
それから、悲劇的な、いい恰好もある。
「雁が飛んでいかァ」という忠治もいい恰好。ああ、男は恰好だなァ。
カモカのおっちゃんが、またお酒を飲ましてもらおうと思ってニコニコして来た。
「おっちゃん、浪花ぶしの外題にどうして女が出ないんでしょ」
と私は聞いてみた。
「出ますがな。『壺坂霊験記』でも『佐渡情話』でもありましたな」
そういうのは登場人物の脇役で、ちっとも主人公になれない。
「光明皇后」が浪花ぶしになった話も聞かない。
「淀君」も浪花ぶしになりにくかろう。
「ナイチンゲール伝」とか「北条政子」とか「八百屋お七」も聞かない。
「乃木大将夫人」などありそうなものだが、寡聞にしてまだ聞かない。
「なぜ女が主人公になれないのか」
「ええ恰好がでけへんからとちがいますか、女では」
とおっちゃんの見解であった。
「大手を拡げて、髪ふり乱して止めるとか、刀を高くさし上げて月にかざして見るとか、きっぱりきまって、大向う受けをねらうキマリがでけへん。何か、恰好がグズグズしてる」
「そうかなァ」
「浪花ぶしの主人公は、ですな。大衆のあこがれでなくてはならん。あんなタンカ切ってみたいとか、ああいう侠気《おとこぎ》で生きていきたいとか、理想を示す」
「うーん」
「女にそれがありますか。乃本大将夫人になりたいとか、八百屋お七になりたいとかいう女はおらん」
「女は、誰だってホカの女になりたい、なんて思わないよ。自分自身でたくさんなんだ」
「そういう現実的な動物に、粋や侠気や義理人情のあこがれがあるはずない。『岸壁の母』なんて、誰も、あんな恰好したいと思うはずおまへん」
「うーん。じゃ女のいい恰好て、何かな」
「何もない。女がいい恰好してると、女同士反撥する。嫉《や》く。そねむ。恨む。万人の女の共感をよびにくい」
じゃ男は、なぜ男のいい恰好にあこがれるのか。
「男はホカにすることないからなァ。女はいっぱいあるから、他人の恰好にあこがれていられぬ。——男は、人生からっぽなるにつき、ヒトのええ恰好ばっかり、目につきまんねんなあ」
「天野屋利兵衛にあこがれる?」
「あんな男でありたいと、不肖カモカも思いますよ。男は無心ですからな」
しかし、浪花ぶしの流行時期を分析すれば、ノーチモサン、右傾、戦争という心。無心な男というのは、からっぽだけによけい危険である。あこがれのない動物、現実的な動物の女が、ようく梶をとって見張りましょうね。
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