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イブのおくれ毛49

时间: 2020-06-10    进入日语论坛
核心提示:遊び人と文化人「ねえ、おっちゃん、この、偏奇館主人ていくつだろう?」と私は、遊びに来たカモカのおっちゃんに本を示してきい
(单词翻译:双击或拖选)
遊び人と文化人

「ねえ、おっちゃん、この、偏奇館主人ていくつだろう?」
と私は、遊びに来たカモカのおっちゃんに本を示してきいた。
「さァ。大正フタケタ、いうところとちがいますか? 何や、前に何かでトシを見た気がするけど」
「ヘーエ」
と私はビックリしたのだ。
「七十くらいかと思った。だって、いつも何か悟りすまして、イキだスイだ、野暮だ、通だ、なんていって、関西をイナカだ、田舎もんだ、なんていってるんだもの」
「まあ、ええやおまへんか。こっちはこっちで、おせいさんみたいに、東京のことを野暮だ、田舎だ、というとる人も居るんやから」
「しかし私は一知半解の人をあしざまにいったりしない。偏見をもたなくしようと思ってる。しかしかの御仁は偏見をウリモノにする。それは、却って開発途上都市《いなか》の人種、という感じがするよ」
たとえば、だ。——(私が話す間、せっせとカモカのおっちゃんは独りで酒を飲んでいる。そしてうんうんとうなずく。こんなとき反駁するとよけい猛りたつ私のクセをよくのみこんでいる。ふだんはヒトコトいうと三コトぐらい返す、口の達者なおっちゃんであるが、そのけじめが巧い。
オール世の母親に告ぐ。男児を育てるときには、すべからく女の酒の相手がうまくつとまるように教育すべきである。女と酒飲んでて、すぐ反駁する奴、はなからバカにする奴、美人としか同席したがらぬ奴、スッポンみたいに、ヒトコトもしゃべれない無口な男、みんな母親の教育がわるい)
偏奇館主人はいつか対談のときに、鴨居羊子さんのことを、
「女のさるまたで売り出して文化人になっちゃおう、というような人はきらい」
といっていた。近藤日出造氏も、いつだか、
「鴨居羊子という人は、何にもない、ふつうのおばさんだ、なぜ大阪ではああも騒ぐのか」
などという発言をテレビでされていた。
これが私には実に奇妙に聞こえる。羊子さんは、年来の私の友人であるが、彼女が女の下着で売り出したのは事実である。下着は白、人目からかくすべきもの、ときまっていたものを、カラフルにし、たのしいデザインを考えたのは彼女の独創で、下着の鴨居羊子と二つ名で通ってしまった。しかしそれは、マスコミが造り上げた、一つの虚像である。彼女は、それで以て名が売れたが、自分が文化人になりたいために、そんなことをしたのではないのである。
彼女は私の知る限り、出しゃばり出て有名になりたい、というような人ではない。もちろん、大阪にも売名に汲々《きゆうきゆう》としている自称文化人や有名病患者はいる。これは東京でも同じことだと思うが、厚かましく、あらゆる機会を捉えて顔を出し、写真にうつされ、新聞に名が出るように、必死になったりする。
羊子チャンはそんな感じの人ではないのである。内気でシャイで恥を知る人である。
「女のさるまた」と蔑称的にいうが、偏奇館主人になんか、下着の面白さやたのしさがわかるもんか。彼女は面白いから作っているのであり、客はステキだと思うから、買っているのである。それで以て彼女が、お金もうけ、名が売れたって、それは彼女がわるいのではない。「人の意表をつくような、それも、いやしい、恥ずべきシロモノを堂々とむき出して売って、名前までついでに売った」などと考えるのは、東京の俗物の考えそうなことである。
第一、マスコミの虚像にあやつられて、それをそのまま信じこんでる所が、イナカモンだというのだ。
私は通ぶってへんに趣味のじじむさい中年というのは大きらいなんだ。
羊子チャンが東京人に誤解されたのは、下着を売っている所にもあると思う。いかに東京人が俗物かの見本みたいなもんだ。
羊子チャンが大阪で面白がられるのは、下着会社の社長であるからではなく、彼女は遊び人だからである。大阪人は、遊び人を尊敬し、愛する。偏奇館などはせいぜい趣味人であって、大阪へ来れば相手にしてもらえない。
大阪人は、趣味人なぞにあこがれない。
文化人なんてのもバカにする。
遊び人たって、芸者ホステスのたぐいは関係ない。そんなのと遊んで面白がるのは(女のホストクラブ遊びも同断)みなイナカモンや。開発途上人種や。
職業にしばられず柔軟な考え方をする。金にしばられず、貧乏も恐れぬ。
「吉兆」や「つるや」「瓢亭」の味もいいとこがあり、ミナミや新開地のおでんや、屋台のうどんも、じつにうまいと思う。客到れば、双方へ案内できる人。(だから偏奇館が京都で物々しい料亭へ案内されて講釈されたのは、この程度の人種、と踏まれたのじゃないか)
年のとり方上手。酒の飲みかた上手。
羊子チャンは、絵をかいたり、人形を作ったり、白い十八ノットの漁船型ヨットにのりこんで、南海諸島往復一カ月という旅をしたりする。ぶあいそな顔で、亜麻色のカツラをかぶって、大きな鼻吉という犬をしたがえてヴァンローゼを飲む羊子。(この間、可哀そうに鼻吉は死んでしまった)
羊子の絵を見ましたか。
羊子の文章をよみましたか。
羊子とひと晩、元町の「ギリシャビレッジ」でお酒飲んだこと、ありますか。
羊子がフラメンコ踊って、靴が片方飛んで、客席をとびこえ、カウンターの中のフライパンヘ入るのを見ましたか。
羊子は絵を描くのも、船で遊びにいくのも、テレビでしゃべるのも、下着で儲けるのも、みーんな同じ次元の遊びなのである。大阪人は遊び人としての羊子チャンに拍手を送っているのである。しかつめらしい田舎者の粋人気取りになんか、遊びニンの面白さはわかるもんか。
東京スノッブには、こんな人間をはかる物指しがないんだ。——私がいい立て喚いてると、
「ハテ、何をさわぐ。せくなあわてな、天下のことは、しばしカモカのひざ枕。いう奴はいわせなさい。大体ヒトの悪口いう奴、それにいちいちムキになって反駁する奴、もろともにイナカモンですぞ」
と、おっちゃんは遊び人だった。
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