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イブのおくれ毛50

时间: 2020-06-10    进入日语论坛
核心提示:内弟子模様このごろ、作家で秘書を使われる方が多いが、内弟子をとる、という人はいないようだ。芸能関係ではあるけれど。芸能関
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内弟子模様

このごろ、作家で秘書を使われる方が多いが、内弟子をとる、という人はいないようだ。
芸能関係ではあるけれど。
芸能関係の人と対談させられていつも奇異にうつるのは、「付人」という人たちが、影武者のようにそばにいることである。私にも、カモカのおっちゃんという「付人」はいるが、これは酒席だけのことであり、おっちゃんは、酒を飲んで下らぬ話をたのしむ以外に趣味のない人であるから、私についてどこへでもくる付人ではない。
付人がいれば、タバコを買いにいかせたり、電話をかけるときもよび出させたり、ぬいだ着物をたたんでくれたり、便利だろうなあ、と私はいつも付人をもつ人が羨ましいときがある。しかし私が付人を使うとすると、貫禄負けして、あべこべに付人に使われるということも考えられる。秘書も同じである。そうして付人や秘書に仕事を助けてもらうというよりは、彼らの仕事をつくる方に比重がかかってしまう。手もちぶさたに、原稿用紙でツルなんぞ折っていられては、こちらが気を遣うこと、おびただしい。それに、労働条件や報酬についてもあたまを悩まさねばならぬ、となるとますますおそろしい。第一、家がせまいのでいてもらう所がない。私の家は、応接間が定員三名、書斎は定員一名、台所には家政婦がおり、居間には亭主が陣取り、才媛《さいえん》の秘書嬢に捧げるスペースとしては、階段があるばかり。いくらなんでも、階段にいて下さい、とはいえない。
かつ、ぶっちゃけた話、私は、私の仕事の秘書よりも、洗濯や料理を肩替りしてくれるお手伝いさんの方がよい。この方の仕事は次から次へとあって、ツルを折ってるひまなんぞはない。しかし、秘書になろうという人はあっても、お手伝いさんになりたい、という人はいないのだ。
私はイロイロ考え、ハタと横手《よこで》を打ったのが、内弟子をとることだ。この頃の小説家こそ、弟子取りしないが、明治の文豪は、よく内弟子を置いてるではないか。尾崎紅葉なんか、内弟子、書生、玄関番が、家族の人数より多いときがあった。
当節、若い書き手がいないといってみんな探しているが、あんがい物書き志望の潜在人口は多いもので、私の処へも青少年たちが原稿をもちこんできたりする。
「×月×日までにみて下さい。それからこちらはもうちょっとおそくなってもよろしいが、×月までにはよんで下さい」
などという。たいがい一枚よむと誤字あて字でうんざりする。
「誤字が多いですよ。字引で調べてごらん」
「しかし、僕はその字が気に入っているんです。やむをえない芸術的希求の結果です」
「活字にはありませんよ」
「ハァ。作れないもんでしょうか」
こういう手合いを、「小説書くなら、住みこんで、行住坐臥から学ぶ事です」と脅して内弟子にすれば、秘書とお手伝いと、お供、付人、みな兼業でやってくれて、私は大いに助かるのだ。ウレシイナ。
「それは、女の内弟子でしょうな」
とカモカのおっちゃん。
「たいがい、女の先生には女の弟子がついていますから」
「いいえ、女は小うるさいので、男の内弟子をとります」
と私は断固いった。
「ヒャー、そんなことしたら、もう、おせいさんとこへ飲みにこられまへん」
「なんで?」
「むさくるしい男が、家の中でウロウロしているような所で飲んでもおもろうない」
「でも、男の方が修業も熱心でしょうし、心がけがちがう気がする。師匠に対してもマメマメしくしそうな気がする。女だと、叱りにくい、という点もございますが、男の弟子は遠慮がないでしょ」
飲んでいて、酒がなくなると、手を叩き、
「これッ、六木《むつき》!」
なぞと呼べる。六木ヒロユキは走ってくる。何しろ、こわい師匠なのだ。弟子の生殺与奪の権を握っており、プライバシーにも容喙《ようかい》して、人の愛人だろうが何だろうが、おかまいなしに「別れろ切れろ」というかもしれない。
ご機嫌を損じてはいけないというので、顔色をかえて走って来、「ハイ」などという。
掃除ができてない。また、手をたたく。
「これッ、保坂!」
と呼び、虫の居どころがわるいと、保坂内弟子の黒メガネをぶっとばす。
「この掃除の仕方は何なの、こんなぞんざいなことで、小説の修業ができると思ってんの」
などとどなる。
来客があると、また、手をたたき、
「これッ、中松《ちゆうまつ》! お客さまにお茶をもってきなさい」
という。中松右京内弟子はいそぎ、うやうやしくお茶を汲んでくる。
内弟子というものは、たいてい修業中の身であり(当り前だ)、一芸に達するためには、何事も修業の内であり(そういうことになってる)、何をやらされても文句はいえない。内弟子は師匠に慴伏《しようふく》し、唯々諾々であろう。而うして、こういう男の内弟子は使い勝手がよく、少々|いけ《ヽヽ》ぞんざいに扱ったとて苦情も出まいから、階段に住まわせておけばいいのである。
はやく、こんな内弟子がこないかな。
「しかし、それは何です。師匠と内弟子、ということになれば……」
とカモカのおっちゃん、いつも何か文句あり。
「よくありますなあ、……ソレ、『春琴抄』のお琴と佐助みたいに、内へ入ると色模様になったりして」
「フン、いやらしい。私、決して……」
「しかし、世間では女師匠と男の内弟子は色眼鏡で見たがる。さし当って、週刊誌あたりでは、おせいさんが内弟子の蒲団の匂いでもかいでると思うかもしれん。明治の文豪のひそみにならえば……」
「もうけっこうです!」
やっぱり、内弟子はやめ。六木ヒロユキや保坂や中松右京の蒲団をかいでどうしようての。
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