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イブのおくれ毛51

时间: 2020-06-10    进入日语论坛
核心提示:柱 の キ ズテレビをみていて気付くのは、中年向け番組が少ないことである。ジャリと若者向けの時間が多く、まさに乳臭|芬々《
(单词翻译:双击或拖选)
柱 の キ ズ

テレビをみていて気付くのは、中年向け番組が少ないことである。ジャリと若者向けの時間が多く、まさに乳臭|芬々《ふんぷん》、甘エタ声とキイキイ声の氾濫で、口辺に母乳のついているような少年少女が|ホタエ《ヽヽヽ》まわって、さながら孫が幼稚園の学芸会に出演しているのを見てる心地。
私はこの際、提唱したいのですが、どうしてテレビに、
「中年チャンネル」
あるいは、
「中年局」
というのを作らないんでしょうか。
政治経済、学芸美術、音楽芸能、万般にわたってオトナ、成人用の「見るに堪える」ものだけ流している、そういう局があってもよかりそうに思う。下は幼稚園児から上は知事さんにホウビをもらうような全国最年長の年寄りに至るまで、大方のご要望に副《そ》おうとするから、オトナは何も見るものがないのだ。新聞のテレビ欄、端から端までずーっと眺めても、これにチャンネルを合わそうと思うものがなくて、ウームと唸り、ためいきつき、しかたないから、キイキイ声の幼稚園児の独唱会やおさらい会といったものを、憮然《ぶぜん》としてみている、オトナの白けた気分。私は「中年局」を作ったら、絶対、うけると思うんだけど……。
「いやしかし、おせいさんも、結構、へんなもんみてまっせ」
とカモカのおっちゃんはいう。
「いいえ、それはほかにみるものがないからです」
「そうは思えませんなあ。時折、酒のむ手も止めて、ケッケッケッと笑っておる。おたくのテレビにキカイをくっつけて、いま何をみたかを調べたら、証拠は歴然です。おそらく、中年局を作っても、中年局があるというだけで、安心して、幼年局、青年局をみている人です、おせいさんという人は」
私はふくれたが、考えてみると、テレビで何をみているかで、その人のクラスがわかることがある。人、いずくんぞかくさんや。これはテレビに限りません。
この間、こんなことがあった。
私は知人二人と、某邸の柱のキズに見入っていた。
知人はどちらも中年男である。
柱のキズは、背くらべのそれではなくて、アリの穴のように点々とあいたものである。その邸はさる大名の別邸で、その部屋は奥方の間である。隣りに殿様の間があり、そこは庭に向って張り出しているので、奥方の間からよく見えるのだ。
奥方は、殿様の間をながめる。
すると、こはいかに、殿様は奥方ならぬ、ご愛妾をご寵愛になっていられるのが、手にとるごとく見える。
嫉妬の炎むらむらとなった奥方は、かんざしを柱に打ちこみ打ちこみ、おびただしい穴が、あわれ罪もない柱にあけられたのだ。
百年そこそこの昔なので、いまだに歴然とあとが残っており、某邸の名物になっているのである。
その穴は柱の上から下まで無数にあいていたが、上は、なみの女の手が届くくらいの高さ、下は、畳から三、四十センチばかり上の部分まで。而うして、その、四、五十センチぐらいの高さの部分に、一ばん穴が多い。まるで南京虫の巣のようにいっぱい、あいている。
つまり、ここの部分へ突き立てることが最も多かったらしい。
その高さが、私たちの間で問題になった。
一人の知人は慎重にしらべ、おもむろにいった。
「ハハア、これは寝ながら、かんざしを突き立てるにちょうどの高さですなあ。寝てても見えたんですな、そうしてカッとあたまへきて……」
「どうして寝ていて、かんざしを突き立てなければならないんです。これは坐って突き立てるのにちょうどの高さですよ」
と私はふしんになって反対した。
「奥方が坐ってるところから、殿様の間がよく見えたのよ」
そこで、坐ってかんざしを突き立てたか、寝たままやったか、というのが我々の議題になった。この高さは両方考えられる。
「しかし、殿さまがご愛妾とナニしてるのが見えた、というのですから、夜でしょう」
と、慎重氏が考え深そうにいった。
「なぜ夜ですか、昼かもしれないでしょう? だって夜だったら、こちらの部屋から見えないもの」
と私は反駁した。
「しかし、まっぴるまから、やるでしょうか。それは夜にきまってますよ」
と慎重氏は考えられぬ、というふうにあたまをかしげた。
「この穴のあき方の烈しさをみれば、夜です。夜はホカに考えることがないので、そのことばかりに精神が集中する。堰《せき》を切ったごとく、恨み辛み、嫉妬の妄執が爆発する。丑《うし》の刻《とき》参り、という風情で、穴をあけたのですなあ」
「そうかなあ。これは、殿様のナニするのがつぶさに見えたがための烈しさですよ。明るい日がさんさんと降っている中の惨劇ですわね。この穴には女の呪いがこもってます。ぜったい、昼間、坐ってて突き立てたんです」
「いや、夜だ。昼にナニするはずない」
「昼です。夜にナニするとは限りません」
中に立ったもう一人の気のいい知人はこまり、仲裁するごとく口を挟んだ。
「まあまあ、われわれ庶民は、ひるまはヒマがありませんが、そこはお殿様ですからなあ。昼間からナニするヒマはあったのとちがいますか」
おっちゃんはこの話を聞いて、なるほど、といった。
「各人の解釈で、はしなくも、それぞれの日頃の習慣が、暴露されたわけですな。その手でゆくと僕はこう思います。つまり、殿様は一人で寝ていた。もはや女っけ無用という中年の殿様。昼も夜もいっそ一人がスガスガしいというお年頃。奥方はそれで腹立ててかんざしを突き立てたのです」
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