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イブのおくれ毛52

时间: 2020-06-20    进入日语论坛
核心提示:ワタシわるいのんちがう私はおひるごはんを十二時に食べる。官公庁と同じ。而して、NHKテレビのニュースを見ている。前々から
(单词翻译:双击或拖选)
ワタシわるいのんちがう

私はおひるごはんを十二時に食べる。官公庁と同じ。而して、NHKテレビのニュースを見ている。
前々から私はふしぎでならないのでありますが、あそこへ出てくる海外ニュース、社会主義国から入ってくるニュースはみな明るい建設的なニュースばかり、自由主義陣営のお国はそれぞれ、ロクなニュースはない。
この対照の一ばん顕著なのは、ベトナムのニュースである。
北ベトナムの人々はみんなハレバレした顔で鼓腹撃壌《こふくげきじよう》して暮らしておる。幼稚園児はかしこそうな、かわいい顔でお遊戯なんかにうち興じ、青年子女は前途洋々という感じで、この世になんの懐疑も持たぬかの如く、それぞれの仕事にいそしんでいる。次々と建設されるダム、人民たちの住宅、学校。農園ではみのりの秋の、ゆたかな収穫。町では晴着の美しい娘たち。バンザイバンザイ、というようなニュースばかり。
片や南ベトナムはというと、暴動、デモ、物価高騰。麻薬にテロに食糧不足。人々は憑《つ》かれたような顔、あるいは奸譎《かんけつ》な顔、陰謀を企んでいるような顔でうろつき、町は騒擾《そうじよう》と混乱のるつぼであり、作物は稔らず日も暗い。そういう、おどろおどろしきニュースばかり流す。
それはアメリカも同じで、人種差別、銀行強盗、銃撃戦なんて、そんなニュースを見ると、毎日がオドロオドロのくり返しみたいに思われ、アメリカという所はこの世の地獄に思われる。アメリカ人の大半の男が、朝は早く起きてつとめ先へいそぎ、主婦は洗濯して床《ゆか》をみがき、子供は学校へゆくという生活をしているにもかかわらず、ニュースには、そういう平凡なものは出てこないのだから、しかたない。
尤も、ロクでもないわるいニュースを流す国というのは、何か安心できるものである。もしそれ、北ベトナム、北朝鮮あたりも、
「この頃、青少年に麻薬がはやってこまる」
などというニュースをNHKテレビなどで見ていると、親近感が湧くだろうし、
「天安門附近に出没する夜の女狩り」
なんてニュースが出ると、これまたたのしい。
「北京で未婚の母激増!」
というのも、何か、人なつかしい感じ。カモカのおっちゃんにいわせると、
「隣りに坐ってる人がオナラをしたようなもんですな」
ヘンなたとえ。
「それにしても、こうも明暗くっきりに分ける、というのもおかしな感じね。明るいニュースばっかり流してるのは、却《かえ》って、いろんな想像をさせてしまうんやけど。昔、戦争中に、皇居に空襲があったとき、直ちに流されたニュースは、『宮城・大宮御所は御安泰、両陛下はつつがなし』というもので、人々はすぐ反射的に『やられはったんちがいまっか』といってました。そういうことが、あるからね」
「しかし、ああいう国というのは、ヨソから勝手に出かけていってニュースをとるということがでけへんのやからね、先さまの提供されるものを頂くのですから、しかたありますまい」
とおっちゃんはいった。
「しかし流してもらうとき、もっとホカに、おもろいニュースはおまへんか、と請求しちゃいけないもんなんでしょうか?」
「そんなことがいえますか、ええかげん、ああいう国のご機嫌を損じてはいかんと、みんな、×××にさわるようにしてるのに」
なぜ、こんなところへ、×××が出てくるのだ。どういう意味や、それは。
「それもいうなら、ハレモノにさわるというべきではないでしょうか。ヘンな言葉をつかわないで下さい」
と、私は凛然《りんぜん》といった。だってそうでしょ、政治形態と情報の関係についてマジメに話してんのに、おっちゃんときたら、マジメな話の中でも平気で、オナラだの×××だの、いうんだもん。
(この際、関東の方は、××××と四字になるはず。筆者註)
「いや、ハレモノにさわるというのは常套句ですが、もういまや、ハレモノどころではない、もっと気をつけてソフトタッチでさわらないかん。そういうときは、×××にさわるような按配《あんばい》という」
「もう、よろしい」
わるいニュースもいいニュースも、とり方次第で、どうにもなるのであり、編集・解説次第で、魔法のようにかわるのは、周知の事実である。学生と警官のモメゴトでも、学生が警官に袋叩きされているフィルムばかりあつめて編集するのと、警官が学生にとりまかれてどやされているフィルムでもって編集するのとは、同じ事件でもコロリとちがったものになるであろう。
而うして私の感じでいえば、ニュースカメラマンというのは、事件をとっている間じゅう、
「ワタシわるいのんちがう」
とか、
「ワタシは知らんで、知らんで。ともかく、こんなん、カメラにうつっとるだけやで」
と心中、つぶやきつづけているような気がする。
「ワタシわるいのんちがう」
といいつつ、誰もかれも流れ作業で次々と先へ送り、最後の人も、
「ワタシわるいのんちがう」
といってテレビに流す。受け手の一般視聴者はどこへもいうていくところがないので、こまるのだ。おっちゃんはハタとひざを打ち、
「カメラマンはともかく、女はすぐ、ワタシわるいのんちがうというなあ。女を、一言もってこれを掩《おお》えば、『ワタシわるいのんちがう』という発想です。どんな失敗、悪事を働いても必ず何か弁解みつけよる、そうして、『ワタシわるいのんちがう』とすましていいよる」
「何ですって! 女のワルクチいうの?」
「いやいや、失礼。——これやから、女にモノいうときは、×××にさわるようにヒヤヒヤものでそーっと、ソフトにいかな、あきまへん」
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