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イブのおくれ毛69

时间: 2020-06-20    进入日语论坛
核心提示:差別コトバこのごろ、差別的なコトバにたいへん神経質になっている人が多くて、いろいろむつかしいことである。どうして、こまか
(单词翻译:双击或拖选)
差別コトバ

このごろ、差別的なコトバにたいへん神経質になっている人が多くて、いろいろむつかしいことである。
どうして、こまかいことにいちいち、心を労するのだろうか。どうということない気が、私にはするのだけれど。バカやキチガイというのもいけないそうだが、私は、コトバをなるべくやさしく、簡略にするのに賛成な人間なので、「精神障害者」や「あたまの働きの不十分な人」とよぶのは趣旨に反する。
日本語はますます複雑に煩瑣《はんさ》に、あいまいになってゆく。
呼び方に拘泥するくせに、人間のやっていることの無茶だらけは気にしないのかしら。
大企業の暴虐な所業をみよ。コトバにいちいち神経をとがらしているわりに、世間は大企業の公害たれ流しや、暴力には鈍感なように見える。そういう会社の株主総会に出没して、やりたい放題に暴れている暴力団などはそっとしておいて、「つんぼさじき」も「めくら縞」もいけないというのは、片手落ちもいいところである。
トシヨリもいけない、というのでマスコミ人種は「年配の人」といっていた。尤も、これは社交辞令的な部分があるので、テレビやラジオの方面で規制されることが多く、活字の世界はまだお目こぼしにあずかる。
漫才作家の織田正吉さんは、
「貧乏人」
とラジオでしゃべって叱られたので、いそいで、
「発展途上の人」
といっていた。そのデンでいくと、何もかも差別用語になってしまう。
「しかし、金持ちはいいんでしょう。ホメコトバやから」
と私がいうと、カモカのおっちゃんは、
「金持ちはよいが、成金はいけまへんやろうなあ。急進的高度経済成長の人、といいますか」
「日が暮れてしまいますね」
現代では成金もホメコトバかもしれぬ。成金がさげすまれたのは大正の第一次世界大戦ごろのことで、いまの成金はたいてい土地を売って出来た人。これはたいがい、没落も早く、金持ちから、持ち兼ねる方に引っくり返るから、成金時代は短い。
処女・童貞も、昔はホメコトバであったが昨今は、蔑称にちかいように思われる。
「なーんや、処女かァ」
「あんた、童貞? ヘー」
とせせらわらわれるような時代になっているのであれば、差別用語なのかもしれぬ。
「処女や童貞はどういえばいいんでしょ、おっちゃん」
「それはまあ『開発途上の人』とでもいいますか」
「そんなこといってると、ずいぶん、範囲がひろがっちゃうと思うよ、うん。処女・童貞でなくても、『開発途上の人』はずいぶん多いんだもん」
「まあ、それはそうですが。『未開発の人』というた方がええかいなあ」
「未開発でも、この頃は、アタマだけ開発されてるのが多いしね」
「うるさいな。では『下半身未開発の人』」
そっちの方が差別用語だと、どなりこまれるだろう。
もういっそ、全部、開発途上の人、としといたらいいかもしれない。人間、死ぬまであっちの方には関心があるそうだし。灰になるまで、といいますから。
「セックスをあっちというのは差別用語にはならないかしら」
「某方面というと、戦争中の軍事郵便みたいやし」
「そっちではあかんか」
「どっちのことや」
「あっちの反対」
おっちゃんとしゃべっていると、話がこんぐらかってくる。
「某方面には強い人、とか、某方面はかくべつ好きな人、といわなければならぬ」
「ずいぶん、アイマイ模糊としてきますねえ」
「それは当然です。物事をアイマイにし、おぼめかせ、論旨をぼやかして、当りをやわらかにするのが、差別用語撲滅の目的ですからな」
とおっちゃんはいった。
ところで、お酒を飲むと、ヒタスラ口をつつしんで、静かにしている御仁がある。
彼は、酔っているときにしゃべったコトバを、人におぼえられまいとしているのである。彼は、「おぼえられたら、それが『失言』というものや」
といっている。たとえ、たのしい思い出でも、のちのちまでおぼえてられては、「失言した」と感じるそうである。(彼のおかしいところは、どうせ、そういう決心をしてもはじめの十分ぐらいである。じきに酒が廻り、すると立ち上って、『胡麻と豆腐を一緒に食えば、薩摩がすりのクソが出る』と放歌乱舞する。そうして、翌朝、私がサツマガスリの歌を唄ったね、というと、『失言した、失言した!』と青くなってさわぐのである)
これに似たものに、文章の、「いい文章」といわれるのがある。国定教科書の文章がほんとは名文なんだという説がある。
いい文章というのは必ず闇に沈んでゆくもので、あんまりヒッカカらないクセのないもの、すんなり入って来て、痕跡も残さぬようなのが、よい文章とされる。おぼえられては、失言ならぬ「悪文」ということらしい。
「すると国会の答弁などは超一流ですなあ。あれは内容はなくても、失言しない、揚げ足とられない、ひたすらそれのみに心を労しとる感じ」
とおっちゃんはいう。
「へー。おっちゃん、国会答弁なんか、ていねいに聞いてんの。ヒマ人ねえ」
「ヒマ人とはどうや、差別用語やないか」
「どういえばいいんです」
「清貧に甘んじてる人」
と、おっちゃんは、エエ恰好しいであるのだ。
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