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イブのおくれ毛81

时间: 2020-06-20    进入日语论坛
核心提示:東日・西日前回は、東西文化(日本の)の質がいかにちがうかということを考察し、無用の摩擦によって、あたらせっかくの二つの文
(单词翻译:双击或拖选)
東日・西日

前回は、東西文化(日本の)の質がいかにちがうかということを考察し、無用の摩擦によって、あたらせっかくの二つの文化の華をそこなうことがあってはならぬ、と述べた。
善き隣人の仲に、何も好んで波風を立てるには及ばぬであろう。共存共栄すべきである(大東亜共栄|圏《けん》世代というものは、つい、こんな口癖になる)(なおまた、ちなみにいうと、余計なことだが、当節では、大阪のワルクチをいう東京人の方が、東京のワルクチをいう大阪人より、多い。これは、コンプレックスの移行と無関係だとは思うが……)。
而うして、いかにして共存共栄の実をあげるかといえば、私は日本を二つに分けて、ドイツの例にあるように、東日《とうにち》・西日《せいにち》としたらどうかと思うものである(前書きの物々しいわりに、大した案ではないかもしれぬが)。
井上ひさしお兄さまの傑作に「吉里吉里人」という小説があり、これは未完といえば差別用語になるかもしれぬので、仮に、発展途上作品とでもいうか、現在進行中の作品だが、東北の一寒村、吉里吉里村が独立するという趣旨のものである。
ついでに、もっと大別して、東日・西日とすると、さきのNHKのタイトルのようにさっぱり話が通じない場合でも、
「外人にはやっぱり、こういう題は向かんのやな」
と悟りが早く、割り切れて、精神衛生にいい。
なんで、ここんとこがようわからんのや、アホちゃうか、とイライラしてむくれたりすることがなくて、いいのだ。
そうなると、通訳というのも必要になるであろう。言葉を通訳するだけではない、その意《こころ》から、文化の根まで翻訳できる人でないと東西日本の通訳はつとまらない。「白ける」を英訳して「ホワイトキック」といった男があったが、そういうことではダメなわけである。「アホ」を「馬鹿」と直訳するようでは通訳を中に挟んでの大立廻りになってしまう。こまるんであります。
言葉、食べもの、人情、風習、すべて外国と思えば腹立つこともいらん。友好的であり、同一日本語をつかっているから、往来はスムースでまことに都合がよろしい。東西それぞれの首都は、むろん東京と大阪になるであろう、いや、東京と京都になるかもしれぬ。そうなった方がおもしろしい。
日本の象徴は、これは東京にいらして頂く。
京都では大統領になる。西日挙げての大統領選。盗聴、のぞき見、入り乱れて華々しく、退屈しませんなあ。大阪はさしずめ、ニューヨークという役廻りで、麻薬と暴力と魅惑にみちた町となり、全日本の尽きざるエネルギーの源泉となる。
東西文化の交流はひんぱんに行なわれる(はずである)。西日では、町により、ポルノ解禁、賭博解禁のおとなの町ができる。
小説雑誌のたぐいも、東西双方に出版社ができて、文学賞はそれぞれのお国で乱発するから、石を投げりゃ、受賞者に当るということになり、欣快に堪えない。
いったい、賞というものは、ほしいものにはみな、与えるべきである。何となれば、自己顕示欲を満足させれば、ますますいい仕事をするのが文士の特質であり、自己顕示欲のない文士は居らぬからだ。津軽弁の石原慎太郎や、鹿児島弁の大江健三郎が輩出して、日本文学のために万丈の気を吐いてくれるのだ。
また、そうなると、東京都からくる歌唄い、役者サンから、ストリッパーに至るまで、西日に於ける「外タレ」になる。
野坂昭如センセイなんか、「外タレ」だ。ギャラも上り、爆発的人気のまと、舞台の野坂サンが拭いた汗のハンケチを、
「ワー、キャー」
とすさまじく女の子は奪い合い、野坂センセイの汗が掛ったと躍り上ってよろこび、宿舎は時ならぬ人波打ってごった返す。何しろ西日には武道館はありませぬ、甲子園球場のまん中の特設ステージで野坂センセイの歌につれて阿鼻叫喚、風に乗ってそのわめき声は中国大陸まで届いたというぐらいだ。
そのかわり、こちらは藤山寛美が東日へなぐりこみ興行で、外貨を獲得する。「あほ坊ン」という外題は翻訳できぬと「AHOBON」などという看板がかけられる。
しかし、こういう時代になっても、私の小説は翻訳不可能なので、海外《ヽヽ》で出版されることはまずない。大阪弁のサービスエリアというのはせまいのです。
その代り、ちゃーんと、べつに稼ぐところは考えています。
兵庫県を永世中立国にする。
ナゼカ、ここは日本列島のまん中であるとの認識が私にはあり、かつ、兵庫県は瀬戸内海から日本海までつながっていて、ここを通らなければ東西両国へいくわけにはいかない。
ここを関所として、双方、どちらかへいくときは通行税を取りたてる。
(西日《せいにち》は、二分されるわけだが、それはこの際、考えに入れないことにする)
兵庫県は居ながらにして巨万の富をもうけ、私はというと、アイデア料として兵庫県から、通行人一人につきいくらという、人頭税を取る。もう小説を書いて四苦八苦することはいらんのだ。
「あのう、僕のもうけどころはどこですか」
とカモカのおっちゃんは心配そうに聞く。
「そんなん、自分で考えなさい。他人のもうけまで知ったこっちゃない」
「国境が兵庫県にできるとすると、岡田嘉子サンみたいな国外逃亡の、恋の大脱走もあり得るでしょうな」
「そりゃ、あるでしょう」
「しめた、そうすると、亡命者も出ますやろうなあ。亡命者を逃亡させるためのワイロを取るのはどうです」
「それは、まあ、やってやれないことはないでしょう。『カサブランカ』を地でやろう、てわけですね」
「税関ではやはり、ぐんときびしくなりますやろうなあ。何しろ、県境ではなく国境となれば、伊丹や羽田のボディチェック以上のきびしい検査が行なわれますな」
「むろん」
「しめた、では僕は税関吏を副業にして、ご婦人専門のボディタッチマンになります。早いこと、日本を二分しましょう!」
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