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イブのおくれ毛86

时间: 2020-06-20    进入日语论坛
核心提示:タカガ大人物佐藤愛子サンは自分のことを「大佐藤」とよぶ。川上宗薫サンのことを「小川上」という。「大佐藤たる者が、やね。そ
(单词翻译:双击或拖选)
タカガ大人物

佐藤愛子サンは自分のことを「大佐藤」とよぶ。川上宗薫サンのことを「小川上」という。
「大佐藤たる者が、やね。そういうことでオタオタしてはならぬのだ!」
などというふうにつかう。
「自分で自分のことを大佐藤なんていうのは小人物じゃないのかなあ」
と、私がカモカのおっちゃんにきいたら、
「うんにゃ。それは大人物だ! 自分でいうのは大人物の証拠です」
とおっちゃんは感心した。そんなこというから、よけいわからなくなっちゃう。
食べものはどうかな。食通は大人物か?
「腹がへってりゃ何でもうまい、というのが大人物。ギョーザもキャビアも、もろともに美味《うま》がる人が大人物」
「ではあの、魚はガスで焼いたものは食わん、炭火で焼いた魚しか食わん、というのは大小どっちですか」
「それは小人物」
「では、そういう男がいたら、女は剣突《けんつく》くらわせて、どやしつければいいのですね?」
「いや、そこで説教したり剣突くらわす女は小人物。大人物の女は、ハイハイという通りにしてやる。それで気がすむならと、快く炭火で焼いてやる」
何だか女は損だなあ。
「あと死ぬまでの食事の回数が何万回だから、まずいものは食わぬ、という人は大小いずれなりや?」
「それも小人物。心でそう思いつつも、結果として、まずい女房の手料理をだまって食ってる奴は大人物」
「着物に凝る人がいますね、ダーバンを着ようとか、レインコートはサンヨーとか、ネクタイはイタリーのものとか。紬《つむぎ》は二、三べん洗濯してからでないと身になじまぬ、とかいう高尚なる趣味の人は大小どちら?」
「小人物。大人物は下着に凝る。いつどこで下着一枚になってもええように、武士のたしなみを忘れぬのが大人物——というても、首切られたり腹掻き切ったりするときのためのたしなみでは、ないですぞ。いつ女性と合戦するかわからん、そのためのたしなみ。下着だけは清潔で美しきものを身につけるのが大人物」
「ふうん」
と私はすこし考え、
「痔《じ》もちで七色パンツになってるのを恥じ、気にしてるなんてのは小人物ですね?」
「いや、いい年したオトナで恥ずかしいと思ってるのは大人物。小人物は、恥ずかしいと思う感覚が欠如してるもんですからな。しかし、七色に染まったパンツを恥じて女と合戦しない、というのは小人物」
こうなりゃ、表《ひよう》にして、上が大人物、下が小人物と分け、いちいち索引つけて一覧表つくっとかなくてはならぬ。
「歌はどうかな。ナツメロ唄うのと、ハイカラな歌好きなのとはどっちがどうですか」
「人前で唄いたがるのは、ともに小人物。おせいさん夫婦なぞは、小人物の最たるものでありますぞ」
私、少し腹立ち日記。
「ほな、どんなのが大人物やのん?」
「大人物は、大便をしこたまやらかして腹が軽くなり、胸のツカエが下りたあと、水洗のヒモを引っぱり、ズボンを引きあげつつ、鼻唄うたう。これが大人物」
私、唄いたくない、そんなとき。
「しかし、自分のをじっと見まへんか? 固めかやわらかめか、色、ツヤ、太さ、細さ、長さ」
「見ません!」
「ウソつくのは小人物ですぞ」
「見ます、見ます」
「見ればよろしい。そうして満足すべき状態であると、ニッコリほほえみ、と見こう見して流すのが惜しくなる、これぞ大人物」
私はいそがしい身だ。「と見こう見」などしていられないんだ。
「早糞、早めし、早×××は小人物と教えたではないか?」
とおっちゃんは大いに機嫌がよい。この間から、私が辞を低くして、いちいち教えを乞うので、おっちゃんは何だかずいぶんいい気持そう。テレビを見ても、あれは大人物、これは小人物、と選別し、行住坐臥、大小を分けるのに夢中である。しまいに私、ふと思った。
大人物、小人物にこだわる人こそ、小人物じゃないのか? ね、おっちゃん。
おっちゃん、私をにらんで、
「そんなこと聞く人、小人物」
「だけど、大人物であろうと小人物であろうと何ぼのものだ、といいたいのよ。タカガ大人物。人間、何でもタカガをつけねばならぬ、と教えたのはおっちゃんですよ」
そういえばこの頃、おっちゃんは歩き方から物のいいぶり、酒の飲み方、箸のあげおろしまで、大人物ふうに物々しくなってきた。これはどういうことだ。
首の曲げ方まで仰々しい。煙草の吸い方、これも大人物ふうにゆっくりふかす。
そうしておもむろに、
「それは大」
「これは小」
と分けたりする。ひょっとして、おっちゃんは自分が大人物であると思いこみ、それふうになろうと、しぜんに自己暗示にかかっているのではないだろうか?
「人のいうことに釣られやすい人って、小人物じゃないの?」
「僕がいつ、釣られたか」
誰もおっちゃんのことだといっていないのに、そんなこと、いってる。
わかった、ついに白日のもと暴露された。
自分で自分のことを大人物と錯覚するおっちゃんこそ、小人物であったのである。
これにて一件落着。
 
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