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イブのおくれ毛91

时间: 2020-06-20    进入日语论坛
核心提示:女実業・男虚業いつだったか、石川達三センセイがある雑誌に連載されている日録に、羊水と海水の話があった。多田道太郎氏が「子
(单词翻译:双击或拖选)
女実業・男虚業

いつだったか、石川達三センセイがある雑誌に連載されている日録に、羊水と海水の話があった。
多田道太郎氏が「子宮の羊水は海水と同じようなもので」と書かれるかいわれるか、したことにつき、考察されているものだった。
私も、多田氏のその話をどこかでよんだ記憶があるので、石川センセイの文章にふと目を惹かれたのである。
センセイは、「羊水と海水が同じ」ということに猛然と興味を示され、例のごとく活溌な好奇心で調査される。そうして、両者は全く別のものであり、もし同一成分なら、女の体というものはおもしろいがと思っていられたのに、やっぱりちがう。したがってこの件については、「興味を失った」といわれる。
私はじつに、いろんなことを考えさせられた。
私は、多田氏は何も、化学成分が同じ、という意味でいわれたのではない、と思う。それは短い石川センセイの引用文の中からでもすぐわかることである。それというのも、私に、多田氏に対するあるでき上った認識があるからかもしれない。「遊びと日本人」「しぐさの日本文化」などの著作をよんだ人だと、多田氏の発想の雰囲気がわかるのだ。
私も、むろん、羊水と海水が同一の化学成分なんて、夢にも考えない。
そんなことより、そういう言葉からすぐ、ひとつのイメージが浮かぶ。
たぷたぷとした、なまあたたかい命の水の中にただよう胎児。万物を生み育む海の水と、それはイメージでつながっているのである。生物が海から発生したように、人は、女人の胎内の海から発生するのである。海は女、女は海である。されば月の満ち欠けによって、女の赤い潮も干満するのである。海のリズム、月のリズムを体の中に脈打たせているのが女なのである。「羊水は海水と同じ」という言葉は、女にはさまざまな夢や空想を与える。
それを、調べて成分をつきとめる、という発想を、私はじつに興深く思った。
やっぱり、そういうことをするのが男なのね。
しかし、もしそうだとすると、男の作家にほんとに女が書けるのかしら。私は以前「花の浮草」という、ある女流作家をモデルにした小説をよんだが、一番かけちがったタイプの男に、なぜ書かれなければならなかったか、と、そのモデルの女性のために悲しく思った。
女の中でも一番女くさい女を、男の中でも一番男くさい男が、男の観点からだけとりあげてみると、「羊水と海水」の成分を顕微鏡で調べることにもなりかねない。男は、男の気持を「なんで女が知るものか」というが、女だって、女の気持を知る男が少ないのを嘆くのである。
「いや、それはわかりあえますまい」
というのは、カモカのおっちゃんである。
「こない毎晩、あーそびーましょ、と来て一緒に飲んでても、やっぱり女はわからん。男も、わかってもろたとは思えん」
「そうかなあ。——私、カナリ、中年男がわかるっていう評判なんだ」
「いや、やはり、それは皮相的なるもの。まだひと皮めくったところがわかっとらん。——あの石川センセイの日録なんざ、男の老人性ガンコという本音が出とって、おもろおまっせ。あの雑誌、よむとこあらへんけど、あそこは皆一番によんどんのん、ちがうか」
男には、評判たかいものらしいのだ。
「まあ、しょせんわかりあえぬのもむりからぬこと。男は虚業で、女は実業ですからなあ」
というおっちゃんの話であった。
「男は虚業ですか」
「吹けば飛ぶようなもんですからな。ゴチャゴチャやってたかて、結局、戦争ごっことお山の大将ごっこに尽きてしまうんやから。女のすることは、子を生む、火をつこうて食べもんつくる、みな、実業です」
「女の方がエラいんだ、エラいんだ」
「どっちがエラい、エラくない、というものではない」
おっちゃんは私をたしなめる。
「じゃ小説書いたり、画をかいたり、というのは、虚業でしょうね。——あんまり、人生の役に立たへん。なくても生きていけるでしょ」
「いや、ちがいます。——これは、実業」
「ふーん。そんなら虚業はどんなもの?」
「政治とか、百姓とか、医者」
そこんとこが、おっちゃんの発想はわからない。
この人、ヘンな人。
「政治なんか虚の最たるもの。医者もまた、空しき職業であります。大体、自由主義国でも全体主義国でも、どない体制がかわっても、食うていくのにこまらん、いうようなインチキな商売は虚業である」
「そうかなあ」
「おせいさんみたいに、共産圏に入ると小説が売れん、外国語では売れん、東京弁では売れん、というハカナゲなるいとなみこそ、人生の実業ですぞ」
ますますわからない。
「でもあの、人間はモノを食べなくちゃならないのだし、お百姓みたいにオコメ、オムギなんかつくってる人は実業ちゃうのん?」
「いや、ああいう大地にしがみついた確固たる営為は、僕から見ると虚業ですなあ」
「食べる方が実業ですか」
「さよう——この間、エリザベス女王歓迎晩餐会に招待される話がでましたが、そういうところでじっくり食べ、かつ、エリザベスおばさんにウインクなぞしてくる奴が実業」
「ヘン」
「女王の位は虚業であるが、そのウインクが夫婦ゲンカのタネになって、ロンドンヘ帰りはってから、エジンバラおじさんが、お前あのカモカのおっちゃんにウインクされとったやないか、といい合いしはるのは、実業」
この仕分けは、かなりむつかしい。仕分けるのも実業であろう。
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