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イブのおくれ毛95

时间: 2020-06-20    进入日语论坛
核心提示:男のうとましさこの頃の人間の顔、あんまり、いいのいないなあ。何も私は、美醜を論じているのではないのだ。顔立ちや造作の問題
(单词翻译:双击或拖选)
男のうとましさ

この頃の人間の顔、あんまり、いいのいないなあ。
何も私は、美醜を論じているのではないのだ。顔立ちや造作の問題じゃない。
表情とか、顔の雰囲気のことであります。
電車に乗る、バスに乗る、町を歩く。いや、新幹線、連絡船、ヒコーキ、すべてそういう長距離の民族移動の中に身を置いて、わが同胞諸君を見わたすに、日本民族は、何となく品下《しなくだ》れるものになったと思わずにはいられない。
赤ん坊に至るまで欲深そうな顔をして、泣いておる。
子供はこましゃくれ、スレッカラシであり、奸譎《かんけつ》な小悪党に見える。
青年男女は卑猥|陋劣《ろうれつ》、志低く、見るに堪えん。
成年壮年男女は、蛇の如く執念深く、河馬の如く貪欲に、狐の如く狡猾であり、スキあらば、人の膝の裏を突いて、つんのめらせようとはかっているように見える。
中年の男女また、しかり。
色好みのじだらく、金と色に目は血走り、ヨダレがたれてる。
老年になって枯れすがれるかというと、これまたそうでなく、ひがみといやみとやっかみの権化のような顔、積年の不平満々、「恨み晴らさでおくべきか」というような顔を、ずーういーとふりむけて、毒気をふりまいている。
のんびり、ゆったり、あっけらかん、とした顔がなくなっちゃった。
高雅|清廉《せいれん》、という手の顔にも出くわさない。
損得度外視、というか、金もうけに縁遠い、という顔も見あたらぬ。
このせつ、男性方は、女性の品下れるのばかりあげつらって舌鋒するどく叱咤《しつた》なさるが、たいがい男の方もいい勝負である。
男の人で、私のきらいなの、まず若い男で、電車の中で傍若無人に、股ひろげて坐ってる奴(高校生ぐらいからある)。足組んで通路の前へ突き出してる手合い。
あんまり大股ひろげてるもんだから、網棚にモノをのせるふりをして何か落してやろうかと思うくらい。うまく命中したら、男は飛び上るだろうなあ。以後は少し、つつしんで、小股に坐るかもしれない。若い男の行儀わるさは有史以来、いまが最高。
大声であたりはばからぬ会話。新幹線の中までのし歩く、一種風格ある男たち。角刈り、毛糸ハラマキ、色ワイシャツ、おなかのつき出た壮年男子の一群。食堂帰りらしく楊子《ようじ》なぞ咥《くわ》え、時に、「ピッ」と楊子を唇のすみで飛ばしたりなさる。
シ—ッ、シッ、シッと歯を鳴らす。
グビッとおくびをあそばす。中年の行儀わるさもめざましい。
しかし、わが亭主でないから、まあ目をつぶるとして、いろんなところの窓口の男、この愛想わるさも論外。猜疑心にみちた目つき、姑婆のような意地わるさ、「何をッ」といわんばかりの口のききかた。
意地わるは女の専売特許じゃなく、すべて会社づとめをした女の子はみな、男の不機嫌にてこずったおぼえがある。男は、腹を立てるとすぐ、顔に出す。
プーとふくれて八つ当りする。
窓口の男が、女と見ると侮るのと同じく、会社の上司も女の子に八つ当りしやすいらしい。
家でも同じ。何か向っ腹たててむくれ返り、一言《ひとこと》いうと、突っけんどんな返事、子供を蹴とばす、女房を罵る。
会社でナンカあったって、家のもんが知るもんか、ほんとうにこまるんでございます。
これがゴルフヘでもいくとなるとうってかわって日本晴れの顔、鼻唄まじりで朝の暗い内から起きていそいそしていて、釣も同じ、女子供のあずかり知らぬところで、我一人、おたのしみなさるのだ。
麻雀なんかもそう。麻雀さえしていればご機嫌で、時に、家へ招集したりして、いつまでたってもザラザラゴチョゴチョと騒音かしましく、夜食のお茶のと、女房は眠ることもできない。
タバコの煙はもうもう、吸殻をラーメンのどんぶりの汁の中へ、ジュッと投げこんだりして、灰皿はいつもうずたかく、接待する側の女房は、
(あんなあそび、大のオトナが熱中するほどおもしろいのかしらん)
と知能程度を疑ったりしている。出るものはなまアクビ、悶々として腹立ち日記。隣室より聞こゆる亭主のうれしそうな、欣々然としたハシャギ声、あんな声を、いっぺんでも女房に聞かせたことがあるか、というのだ。
亭主が機嫌よい声でハシャグのは、麻雀のときだけではないか。——と、女房族は、恨み骨髄に徹する。
モウほんとうに、男のうとましさもいろいろであります。
「イヤ、まことに、男もええかげんなもんです。女のワルクチばっかりいうてられへん」
とカモカのおっちゃん、こういうときは素直に肯定するのが、ワリにいいところ。
「しかし、そうイキリたっててもしかたおまへん。そういうアホな男を相棒にしなければ、女もやっていかれへんねんから。どりゃ、あきらめて、もろともに涼しいところで飲みまへんか」
そこで席を移して、クーラーの部屋でウイスキーの水割りにする。これは涼しい。急に気分まで涼しくなり、
「まあ、何やかやいうても、ワレ鍋にトジ蓋、というところ、仲よくいきましょう」
などと私はいい出す。涼しいところへうつると、腹立ちもおさまる。人間、気分次第のものなのである。
「そうそう。折々は態位もかえてみると人生観もかわるのです。前向きで善処しましょう。なぜお役所の人が、こればかり愛用するのか。横向きに善処します、あるいは松葉くずしで善処します、とか、茶臼で善処します、とか、なぜ大臣や局長はいわんのであるか」
「バカ!」
「それ、こうやって折々気分をほぐすと、男と女、やっぱり腐れ縁の相棒で、ワルクチばっかりいい合うてても仕方ないとわかります」
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