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女の長風呂04

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:愛のオシバイところで花嫁衣裳の話はまだ終っていないのである。がでてきたので、話が横へそれてしまった。女は何故に花嫁衣裳を
(单词翻译:双击或拖选)
愛のオシバイ

ところで花嫁衣裳の話はまだ終っていないのである。×××がでてきたので、話が横へそれてしまった。
女は何故に花嫁衣裳をまといたがるか。
それは、女がオシバイが好きだからである、小っちゃな女の子を身辺にもっていられる方はきっと、ご覧になったことがあると思う、女の子は三つ四つぐらいからママの着物をひきずって頭に何ンかくっつけて「おヨメさん」になったり「おひめさま」になったりするのが大好きである。女は生まれおちるときから死ぬまで、オシバイを好む動物である。
雰囲気第一、という人種である。
舞台装置をちゃんとして、その中でスターの如くふるまいたいのが女である。
芝居っけがなくちゃ、生きていられない。
ムードに酔うのが大好き。
結婚式は一生一度の大芝居である。高島田に振袖、はたまたまっ白いフワフワの白レースのウェディングドレス、うしろには金屏風、花と酒とご馳走、ミンナコッチ見テハル、ワー、この感激。女はもう、死んでもいい、なんて心中、思ってる。最高の瞬間。
この瞬間、女のあたまには、結婚式にうちつづく晴れの新婚旅行、その夢のような数日、そのことしか、あたまにない。というよりそこでプツンと意識はたちきられている。豪華な花嫁衣裳と、新調の旅行着と花束、そんなものでもうあたまはいっぱい。
しかし花婿は男である。男は実質的でかつ現実的である。彼はオシバイの本質を見ぬいてるのである。これは、今晩寝るための披露だなんて思うであろう。だから男はモーニングを着て、はずかしそうにてれくさそうに、間がわるそうに笑ったり面映ゆそうにしているであろう。列席者がひやかしはせぬかと、男は顔が赤くなるであろう。彼は結婚式というものは寝るための手続きだと思っているから、こんな大がかりな猿芝居を見せることに抵抗をかんじ、冷や汗をかくであろう。
旅行に出発してホテルヘ着く。オシバイの第二幕。ここはぜひ、クナシリが見えたり、山に霧が流れたり、海に夕日が落ちたり、という背景がなくてはかなわぬ。
まちがっても廃品回収業の作業場が見えたり、漫才小屋の楽屋口ヘ出前のドンブリがくるのが見えたりしてはいけない。オシバイというものは美しくなくちゃ。
美しい背景の中で、最初の愛の夜はもたれなければいけない。
女はみんな、そう思ってる。
しかし世の男のことごとくがオナシスではないから、いつまでもぜいたくな背景はつくることができない。生涯に数日のオナシスごっこである。
けれども女はべつにホテルや飛行機の中だけがロマンチックとはかぎらぬと思う、せまいながらも楽しいわが家、団地の2DKだって愛のオシバイの道具立てはそろうのだ。ほんのちょっぴり、男がロマンチックなお芝居っけを出し、口うらを合せて愛のむつごとをささやいてほしいと思う。
しかるに男はどうか。ねぐらのアパートヘかえると早いとこ自分のペースをとり戻して地金をあらわす。そうして、いつまでも台所を片づけてる女に業を煮やし、
「オイ、何しとんねん、ええかげんにして、早よおいでェな」
なんて恥も外聞もなく、むくつけき声で寝床からよび立てたりして、女から見ると幻滅もいいトコ。
女はたとえアパートのひと間であろうが、やっぱり芝居っけがある風情にして、そのかみのおひめさまごっこみたいに、アラビヤンナイトに出てくるような透ける寝まきを着たいときもあろうし、電燈の笠の色まで配慮したいだろうし、床《とこ》まき香水で室内をくゆらせようとも思うであろう。
しかるに男ときたら、たいていの男は、
「あほ、何しとんねん、ゴチャゴチャ、|けったい《ヽヽヽヽ》なことするな」
と叫ぶであろう。
「だって、やっぱりムードが……」
と女はさからうであろう。しかるに男は、
「ムードがどや、ちゅうねん、こっちゃ、忙《せ》いとんねん、ムードもハチノアタマもあるか!」
などとわめくであろう。ほんと、男ってどうしようもないね。人間とも思えない。
こういう手合いはまた、ソノ気になると、女房がトイレ掃除していようと毛糸パッチを編んでいようと、せまい2DKの台所で味噌汁つくっていようと、おかまいなく襲いたがるであろう。しかし女としては、いかに|もよおせば《ヽヽヽヽヽ》、とて、台所の板の間に背中を押ッつけられたりしたら、怒り心頭に発する思いであろう。いろいろと都合もあるし、心の準備もあろうというもの、あまりにも原始的、野蛮的ではないか、まだしも類人猿のほうがつつしみがあるのではなかろうかと、女は男をあじけなくも思い、軽蔑もするであろう。お芝居っけのない、ということは、もうどうしようもない、不粋で、殺風景で、心あさいことであります。少なくとも教養ある紳士とは申せない。
さればといって、お芝居っけばっかりで、実質のともなわないヘナチョコ男は、これまた、女には怒りと軽蔑のまと。
女は思う、例のことはお芝居っけで包んでこそ、たのしくも美しくなるのであって、どっちが欠けてもダメである。しかし男はそこんとこ、ちーともわかってくれない。
つまり、お芝居っけというものは、エゴイストではもてない。心が浅いともてない。せっかちではもてない。ゆとりがないともてない。日本男児に欠けたるものばかりだよ。
目を血走らせて、たえずカッカしてるような男では、あかんのであります。
世の日本男児は、たいがいエゴイストである。お芝居っけはてんでなし、はじめにないものが、あとであるわけがなく、コトがすむと、てのひら返したごとく、
「オイ、窮屈だ、あっちへいけ」
ポーンと女房の体をほうり出して、自分はもう高いびき。人間は何のために結婚するのかと、女はこういうとき、哲学を強いられるであろう。団地の窓なんか見てると深夜、女がひとりカーテン絞って淋しそうにつまらなさそうに考え深そうに外をのぞいている。
これは、ほうり出された奥さんである。
——男って、ほんと、ヘンな動物!
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