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女の長風呂21

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:紫 の 上「源氏物語」は古来から誨淫《かいいん》の書ということになっていて、士太夫は手にとるさえ、けがらわしいとされてき
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紫 の 上

「源氏物語」は古来から誨淫《かいいん》の書ということになっていて、士太夫は手にとるさえ、けがらわしいとされてきた。いま読んだら、どこがすごいのかわからない。ただ面白さという点からいうと、これは、すごいばかり面白い小説であるが、それはポルノ的な描写の上になり立つ面白さでなく、男・女・人生を省察した上での面白さなのである。
しかしながらやはり、私は、「源氏物語」を読んでただ一つ、おッそろしくSUKEBEな個所だと思う所がある。
紫の上を、源氏が手に入れるくだりである。
周知のように、源氏は紫の上を童女の頃からひきとって、自分の思うがままの教育をほどこし、理想の女に仕立てあげた。
そうしてそれを妻にする。なんとイヤラシイではないか。
男のSUKEBE精神をこのくらいハッキリ証明してるものはほかにないではないか。
「男はみんな、これ、やりたいんでしょ」とカモカのおっちゃんにただすと、このときばかりは彼は首を横にふり、
「私個人としてはもう、しんどいですな。いま六つ七つの女の子をひきとっても、使いものになる頃には、私は六十代やないか。それまで待てまへん。いまこの時点で即席に役に立つほうがよろしなあ」といいよった。
この男は何でもすぐ、自分の身にあてはめて考え、一般論でしゃべらない。自分のことしか考えとらん。
しかし男全般としてみれば、誰にもそういう欲望はあるのだろうと思う。
それが女にはないよ。
六つ七つの男の子をひきとって思うがままに育て、自分のツバメとして理想的な男にしよう、なんてSUKEBE精神なんか、女はもってない。
尤も、母親が息子にたいして、恋にちかい執着をもつことはよくあるけれども、それは自己の分身としてのもので、ちょいとちがう。息子にたいして自分自身を愛するように愛している。
源氏は、小さな童女の紫の上にたいしても、はじめから異性としての要素をふくんだ愛情をそそいでいる。
そうして少しずつ、少しずつ、恋の手ほどきをして、無垢《むく》な少女の心をたらしこんでゆく。
この世で唯ひとりの保護者と思い少女の心が全的に源氏に向ってひらかれてゆく。父でも兄でもある男に、少女がよりかかってゆくのは当然である。
そうして、まだ女としては成熟していない、性的には深いまどろみからさめきっていない青い果実を、源氏はもぎとり、むりやりに花ひらかせてしまう。
少女はショックのあまり、そのあくる朝、起きてこない。
夜具をひっかぶって出てこない。
拗《す》ねてふくれて食事もせず、モノもいわない。
汗びっしょりになってこもっている。
泣いたりわめいたりするのではないが、彼女は衝撃と傷心でぼんやりしている。
本文は、少女のその美しい可憐な惑乱をさらりと描いて、すごいかんじを出している。
男のほうはこれは平気で、にこにこしたりして、その惑乱を舌なめずりしてたのしんでいる。
ああ、いやらしい。
やっぱり、「源氏」はすごいポルノ小説だ。全篇、ここ一つでもっている。「源氏」を読むときは、ここだけ読めばよい、とはいわないが、ここを読みとばしたらソンするよ。
女のくせに、紫式部という作者は、どうしてこんなにいやらしく書けるんだろう、男心のいやらしさを知ってるんだろう。
ところで、そういうふうに育てあげた理想の女が、変質してはなんにもならない。
女はよく変質する。
家庭という冷蔵庫の中にいれておいても、腐敗変質する。
なぜか。
子供をもつからである。
子供を産んで育ててりゃ、いやが応でも女はイタミが早い。臭気が出てくる。コトワザにもいうではないか。女は臭し、されど母はなお臭し、こんなのではなかったかな。
だからちゃんと紫式部は、理想の女、紫の上に子供を与えていない。
紫の上は、石女《うまずめ》である。
いつまでたっても変質せず、むかしのままに理想の女でいるのである。そこにも作者の周到な注意が見られる。男心のいやらしさをいつまでもそそるようなものを、女主人公は温存しており、それ故に源氏の君の愛を最後まで失わず、愛惜されて死ぬ。
じつにうまい設定ではないか。
もし紫の上に子供ができたら、源氏のいやらしいみだらごころをさそった、かつての少女期のイメージは霧散してしまい、彼女は現実的な存在になってしまう。
現実的な存在になって、なおかつ、みだらごころをさそう、という女は、たいへん、ありにくい。ないではないが、小説にしにくい。「源氏物語」のように一大通俗小説の中では、趣味派と実益派と、女を二つに分けなければ、やりにくい。
たくさんの登場人物であるから、混乱する。紫の上などは「趣味派」の筆頭である。
それにしても、源氏の君のようにたくさんの女を囲って、それぞれの守備範囲をもたせる余裕がある男はよいが、現代ではそうはいかない。
すべて一人の妻でまかなわなければいけないようになっている。
それにいそがしいから、数年もかかって栽培した花を手折るなんて悠長なことはしていられない。カモカのおっちゃんではないが、現在の時点で間に合うのを拉《らつ》してきて、用を足すことになる。
しかし、男はみんな心の底で、紫の上を手に入れた源氏にあこがれているのであるらしい。
そして、その一節を読まんがために、「源氏物語」は千年の愛読書とされ、禁書となり、制止したさかしらな士太夫も、かげでこっそり、読んだのであるらしい。
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