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女の長風呂28

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:情を通じ巷間、女たちのあいだに「情を通じ」というコトバが、いまはやってる。いうまでもなく、沖縄密約|漏洩《ろうえい》事件
(单词翻译:双击或拖选)
情を通じ……

巷間、女たちのあいだに「情を通じ……」というコトバが、いまはやってる。
いうまでもなく、沖縄密約|漏洩《ろうえい》事件の起訴状の中にある文句である。
この事件もヘンな事件で、どだい根本は政府がきたないことをするからなのだ。機密漏洩もへったくれもあるもんか。
しかも、起訴状に「ひそかに情を通じ……」とあるのも余計なことである。情を通じようと通じまいと、その相手が合法的関係の人間であろうとなかろうと、ヒトの勝手、家庭の事情でありますよ。機密漏洩とこじつけるのは、地検の陰謀であろう。
情を通じ、という日本語もよろしくない。大体、厳粛なるべき検察用語が得てして、卑近なワイセツ語になるのはどういう皮肉であるか、検察関係諸賢はもっと日頃から、たとえば梶山季之先生の「いろはにほへと」などの名文にしたしみ、優雅なるワイセツ語の探求に心せられたい。
情を通じる、なんて言葉をきくと、私などには、お通じを連想させられてこまっちゃう。尤も、同じ|通じ《ヽヽ》でも、情を通ずるのと「お通じ」では、それぞれ専攻分野がちがうようであるが。
それにしても、横グルマ代議士がいちばんよろしくない。尤も元兇は政府ではあるが、あの代議士センセイが、ああまでオッチョコチョイでなければ、何とか恰好はついたはず。見サンが、かわいそう。
あんまり男を信じすぎると、こうなるのだ。男はイザとなると、女との約束なんか、仕事、功名、面子《メンツ》の前には弊履《へいり》の如く打ちすててかえりみない、不徳義な動物であるのだ。男は信ずるに足らない。西山フトキチ記者はふてえ野郎ではないか。あくまで見サンを守るのが、騎士道というものではないかしらん。
オール女性諸嬢に告ぐ。
今後、新聞記者と「情を通ずる」のは、女として心すべきことにこそ。
私が口角泡をとばして論難しているのをきいていた、ある妙齢のお嬢さん、感に堪えぬごとく、私の言葉をさえぎって、
「でもあの、これ……四十歳と四十一歳のひとたちでしょ」
そうです、それがどうかしましたかね。
「そんなトシの人でも『情を通じ』たりするんですか、フーン……」なんていう。
またしばらくして、少し顔うち赤らめ、
「フーン、四十の人でも、ねえ……」なんていう。
あたり前でしょ。四十になった人間はみな、おしとねすべり、お寝間ご辞退するとでも思うてるんやろうか。
しかし考えてみると、私だって若かりし頃はそうであった。女学生時代は殊にそう。
四十にもなった男女が、情を通じたりするなんてことは到底、信ずることができなかったのだ。そんな関係は、せいぜい二十二、三までの未婚の青年子女の間にのみ存在するように思っていた。いかに若い頃といっても、思えばじつに苛酷で世間知らずな偏見であった。
まして五十六十の男女がむつみあうなんてことは夢にも想像できない。
若い私には、情を通じるなどというような、軽佻浮薄、あさましい、みだらがましき事がらは、思慮分別そなわったオトナにはあるまじきことのように思っていた。
人間は、四十にもなると、「不惑」のことば通り、心境、水のごとく澄みわたり、かりそめにも色の恋のということには心動かされず、いやらしい煩悩《ぼんのう》から解脱《げだつ》し、志操高潔、貞操堅固、仙人か隠者かというような存在であると思っていた。
男と女が結婚しても、かりそめにも手をふれ合うことなく、分を守って身をつつしみ、仲よく礼儀ただしく生活するもんだと思っていた。
「ほんならなんで子供ができるねん、それはどない考えてたのですか」とカモカのおっちゃんがきく。
「そうですね、それは偶然、ある日ポコッとおナカにできるように思うてたんでしょ」
「|デンボ《ヽヽヽ》やあるまいし、ええかげんにせえ」とおっちゃんはいったがすぐ、
「いや、そういえば、ぼくかて、子供のころは学校の先生いうもんは、情を通じたりせえへんもんや、と思うてましたな。——みんなええ年した、中年に見えてね」
「そうです、そうです、今から考えると、先生はあんがい若かったんかもしれへんけど、そのころはみな、思慮分別ある年輩に見えました」
「ことに昔の女の先生は、ハカマを胸高にはいて紐をきりりとしめ、いかにもけだかい感じ。そんな中年の女の先生が、男に抱かれてるなんぞは想像もつきまへなんだ」
「それは男のほうもでしょ、中年の男が女にたわむれてるなんて、どないしても考えられへんかった。これは、どうかすると、今でもその偏見の名残りがありますね、中年の、かしこそうな、シッカリした男を見ると、女と情を通ずるなどとは、いかにも思いがたい。その点では、『四十の人でもか、フーン』という、お嬢さんと同程度であるデス」
「イヤ、それはちがう」
とカモカのおっちゃんはさえぎり、「男はよろしねん、中年、老年になっても、いくつになっても女を抱いててサマになる。しかし、われわれ男から見て、分別そなわった中年の女が、男に抱かれてるなんて、これは想像もできんのですな。考えただけでも当惑してしまう。男としては『四十の女でもか、フーン』という感じ。さしあたり、おせいさんなんぞ、こっちから見てそう思える。中年の女はおしとねすべりせよ、というのはしごく妥当な意見やと思いますな」
私は柳眉(でもないか)を逆立てた。
「失礼ね、こう見えても酒を飲んだら、やらせろやらせろという男の子の一人二人はいますよ」
「それは酒席の座興、男のお愛想というものです。四十のゾロ目になってる女にそんなこと本気でいう男があろうとも思われぬ」
とカモカのおっちゃんはなおも語りつづけたが、私の形相を見て話をかえ、
「しかし何です、例の起訴状は、四十でも情を通ずるもんだと若い者に啓蒙した点で、まことに意義がありました」
バカ。
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