日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

女の長風呂29

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:初  潮キリストというのは、時にいやなことをいう人である。「汝《なんじ》らパリサイびとよ、汝らは白塗れる墓窟《はかあな》
(单词翻译:双击或拖选)
初  潮

キリストというのは、時にいやなことをいう人である。
「汝《なんじ》らパリサイびとよ、汝らは白塗れる墓窟《はかあな》のごとし、外は美しく飾れども内は汚辱にみつるなり」
私は、これは、アンネのときの女のことを、あてこすって、いうてはるのだと思う。それはヒガミだといわれればそうかもしれないが、いつもここを読むとき、何か落ちつきがわるい。きっと、キリストの皮肉だと思う。しかし全くその通りで、残念ながら認めざるをえない。
そして女は、「白塗れる」外の美しさを書くことはできるけれども、「墓窟のごと」き内の汚辱を書くことはできない。
いつか、私に、小説の注文がきたとき、
「こんどは何書こうかな」とつぶやいてたら、
「アンネのことは小説になりまへんか」と助言した編集者がいた。
そんなことが書けますか、夏の暑い日はむれてすごい異臭を発して、犬が鼻を鳴らしてどこまでもついてくるとか、現在市販されている生理帯《バンド》はみんなどこかが不備で、人によって前へずれたり後へずれたりして、万人ひとしく困っているけど、国会へもち出して論議するわけにはいかないとか、バンドは薬局に売っており、婦人が店番してたらいいと思うときにかぎって男の店員がいるとか、男のバンドは、現今はベルトといい、これは洋品店に売っているとか、そういうたぐいのことは、いやしくも淑女たる私には書けない。
まして昔は脱脂綿で、これはすぐぼとぼとになって困ったけど、今のアンネならびにその類似品は女性史上、画期的な発明であるとか、そういうことは私が書くわけにはまいらない。どうしてそういう「汚辱にみつる」内側が小説になり得ようか。
ただ、私がこの際、うたた感慨に堪えないのは、現代っ子かたぎの変遷である。
図表にするとこうなる。
私。昭和三年生まれ。はじめてのアンネは女学校二年生。〈感想〉ゆううつ。一生涯、毎月こんなにじゃまくさいことがあると思うと、目の前がまっくらになった。
妹。昭和六年生まれ。女学校三年のとき。オイオイ泣いてた。
「やっぱり、オトナになったと思うのが、淋しくて悲しかったんやないかしらん」と、オトナになってから妹は注釈している。
私の知ってる女の子。昭和三十二年生まれ。小学六年のとき。
「やったァ」と舌を出した。「うん、知ってるよ、クラスの子もう、たくさんあるもん。ね、私のあれ、どこ。用意してあるんでしょ。でもいややな。おとうちゃんにいうたら、あかんよ。夫婦って、ほんとに、いやらしいんやから」
もう一人、私の知ってる女の子。昭和三十四年生まれ、まだない。
「ね、私のも用意してあるんでしょ、見せて」
とたんすをさがす。
女親は、かねての用意に、可愛らしい小さなバッグに詰めた、それ用のピンクのパンティや花模様のナプキンを見せる。女の子は、
「フ、フフフ」なんて、まんざらでもないようす。
「ふーん、こうなってんのか」などとちょっとひろげ、「これ、使うのね」なんて楽しみにしてる。
二、三カ月して、また、
「ね、用意してあるの、見せて。どッこもやってないでしょうね、ちゃんとしまってあるね」なんて念を押す。
「どうしてかな。ウメモトさんと私だけよ、クラスで。ウメモトさんに負けたらくやしいな、ね、どうしたら早くなる?」
また数カ月後、がっかりした顔で帰宅してきて、
「きのう、ウメモトさんあったんだって。くやしいな、負けちゃった。どうしてやろ、なんで私だけ、ないのかな、腹立つな、タベモノのせいかな。間食しすぎるからとちがう? ってウメモトさんにいわれた、くやしいな」
また、数カ月。
「もう一生ないのかもしれへんね。私、いいの。アフリカの奥地の無医村へ医者になっていって、シュバイツァー博士のあとつぎするんだ」
この女の子は変りものだということだが、私にはそうは思えぬ。アンネがないから、シュバイツァー博士のあとつぎになるという発想も、それほど突拍子もない無関係とは思えぬ。そういえば、「いま、何時?」ときいたら、
「何時やったらええのん?」ときき返すのも、「国語辞典」を調べていて突如、天を仰いで笑い出し、
「国語辞典に、〈国語辞典〉いうのん載ったァる」と笑い出すのも、さほどおかしいとは思えぬ。しごくまっとうなセンスである。
また数週後。やっと、あった。
しごく事務的な態度。
「うん、これがそうか。うん、わかった」
あっちこっちに散らかしたりする。女親はついてあるいて注意する。
「そうか、じゃまくさいもんやね、意外と。めんどくさいな、あんまり、よくないね」
いいものだとでも思ってたのかしら。
「おとうさんにいうたら、怒るよ、私」
そうして、いまや、三十二年生まれも、三十四年生まれも、もう何十年もおんな商売つづけているごとく、ものなれた手だれになってビクともせぬ。私たちのころは、その前後になるとメソメソ、くよくよ、ゆううつになり世をはかなみ、この世の憂苦を一身に担《にな》った顔になっていたのに、いまは恐れげもなくミニスカートで走り廻り、惜しげもなくアンネを費消し、脱脂綿を洗って乾かして使ってたヒトケタ世代とはえらいちがい、ただ一つ同じなのは、
「おとうさんにいうたら、怒るよ、私」
というセリフと、その日のうちに女親が男親にいうてしまう、その「夫婦のいやらしさ」。
これはもう、太古このかた変らぬすがたであるらしい。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%